医療保険
医療保険と生命保険の違いとは?比較で考える両者の種類と選び方

医療保険と生命保険の違いとは?比較で考える両者の種類と選び方

医療保険と生命保険の違いとは?比較で考える両者の種類と選び方

医療保険と生命保険は、それぞれ違います。

受取人と、保障内容が医療保険と生命保険では基本的に違うものです。

ところが、これらの違いがあっても、「死亡保障付き医療保険」のようなセット保険があることや、生命保険会社が医療保険を発売しているといったことから両者が混同されがちです。

たとえば、死亡保障付きのがん保険は、どちらに分類されるか、同じく死亡保障付きの女性専用保険はどうか、と言われたら、つい考えてしまいますが、これは医療保険と生命保険のセット商品です。

民間保険の内容は約款でセット商品の設定も含めて自由に設計できること、そして商品が多いことも違いが判らなくなる原因になっています。

そこで、両者の違いをもう少し詳しく説明するとともに、生命保険と医療保険の2つに加入する必要性はあるのか、あるとしたらどんな場合かを解説します。ぜひ保険の見直しの際に参考にされて下さい。

高橋朋成

年金アドバイザー / EQプロファイラー / 2級ファイナンシャルプランニング技能士

この記事の監修担当者:株式会社クロックアップ 代表取締役 高橋朋成

20年以上にわたり外資系生保や損保系生保などで、販売現場での営業スタッフの採用や実践を活かした生保販売や育成手法に携わった経験を損保代理店向けに特化してアレンジし2013年に株式会社クロックアップを設立。

業務内容は損保代理店の専属コンシェルジュとして
① 保険営業職の人材紹介、マッチングサポート
② 損保営業マン向け生保クロスセル研修
③ 代理店M&Aマッチングサポート等
を行っている。

医療保険と生命保険、保障内容と受取人の違いを知っておく

まずは保障内容が違い、医療保険は生きている方の医療のニーズのために給付金が下ります。

これに対して、生命保険は死亡保障です。

また、受取人も違います。医療保険は本人が生きているときに、医療に必要なお金が給付されるものですから、基本的に本人が契約し、医療保険からの給付金の受取人になります

これに対して、生命保険は生きている間に給付がある医療保険と違い、本人が亡くなった後に必要になるお金を保険金として給付します。

他人の死に対して、保険をかけて、保険金を手に入れることは適切ではありませんので、生命保険の受取人になる方は、一定の範囲の家族に限られています。

生保の保険契約の基礎知識とは?

生保の保険契約の基礎知識とは

ところで、セット商品も含めて、生命保険会社の医療保険と生命保険には多くの種類があります。

契約内容も多種多様と思いますが、用語の整理と、両者の違いを理解するためにも、生命保険会社の保険契約の基本的な形を知っておきましょう。

  • 保障内容
  • 給付金・保険金の受け取り方
  • 保険期間

それぞれ契約の基本的な形や、基本用語を知っておくと、二つの違いは理解しやすくなりますので、ご説明します。

保障内容の違い・貯蓄型か、掛け捨て型か?

選び方の基本は、保障内容の比較で、保険商品に加入をするかどうかを比較検討することから始めましょう。

貯蓄性:医療保険・生命保険双方とも、「掛け捨て型」「貯蓄型」に分かれるほか、保険料や解約返戻金の有無などに違いが見られます。

病気・死亡等のリスクに対して、一定額の支払いをすると、保険金が下りる掛け捨て型にと違い、貯蓄型は、解約返戻金・年金・保険金でのリターンを考えて加入する必要があります。

一般的に、掛け捨て型が保険料が少なく、貯蓄型の方が多くなります。

給付金の受け取り方・一時金と保険金

給付金の受取方法:医療保険は、保障内容として「一時金」「入院給付金」など利用者の希望に合わせた選び方が可能です。

一時金保障には、入院・手術・診断一時金があります。

治療内容に先進医療を含む場合の、先進医療にも、一時金が支払われるプランがありますので、これも一時金に入ります。これに対して、給付金は、入院と外来のものがあります。

入院時の入院給付金は、入院を実際にした場合の1日当たりの給付金額に、入院日数をかけて乗じた額が給付され、額は変動します。

外来給付金も、同様に1日当たりの給付金に外来の期間を乗じて給付されます。入院も、外来もこれらの給付金保障には上限の日数が定められます。

これに対して生命保険の場合は、死亡時・後遺障害時の「保険金」の受け取りが基本です。

また、医療保険には、死亡時に受け取る保険金と、給付金と双方受け取れるプラン、給付金だけのものがあります。

一時金・保険金の額はまちまちですので、ご自身がどのようなニーズに合わせて加入しないといけないか、検討の上入っておきましょう。

一時金・保険金が高額になると保険料はそれに比例して上がっていきますので、保障内容にはできるだけ無駄がないようにする必要があります。

保険の期間の比較・終身型か、定期型か?

保険期間…支払いの期間、保障の期間が「終身型」「定期型」から選べます。終身払い・定期払いとも言っていますので、保険商品のチェックの際にみておきましょう。

定期型は、一定の期間の保険料の払い込みが必要であり、保障期間も一定期間にとどまるのが基本です。

終身型は、終身保障が続くので、払い込み総額が大きくなりがちです。

ただし、若いころに加入すると、月々の保険料が安く済むことや、選べる選択肢が多いことがメリットになるので、総額のみの比較が妥当でないこともあります。

保険の契約者の比較・家族型か、本人型か?

民間の保険には、たとえば、世帯主が加入し、家族を被保険者とする・受取人とするといった設計が行われている家族型の保険があります。

本人が契約をし、本人を被保険者とする本人型もあります。医療保険にも、生命保険にも、家族型・本人型があります。

病気・手術には医療保険、どんな保障内容、種類とプランがある?

病気・手術には医療保険、どんな保障内容、種類とプランがある

医療保険には

  • 医療保険
  • がん保険
  • 女性特有の病気の保険

など、生きている人の医療のニーズを満たすための保険があります。その多くが生命保険会社から発売されています。

保険事故といって、保険金が支払われる原因となる事実は、医療保険の場合病気の発生・手術・入院など、医療の必要性が生じる事態です。人の生死が保険事故となる生命保険とは違います。

公的な健康保険と、民間の医療(健康)保険とでは、後者が金銭の給付になるのに対して、前者は現物給付として医療サービスが給付されます。

日本では、民間の生命保険会社を中心として販売されている医療保険は、公的な医療保険の自己負担分を保障するために利用されます。

医療保険の保障内容

医療内容の保障内容はおおむね次のものです。

一時金保障
一定額がまとめて保険事故の発生で支払われます。

  • 診断一時金
  • 入院一時金
  • 手術一時金
  • 高度先進医療または先進医療一時金

給付金保障
日額XXXX円という形で支払われます。

  • 入院給付金
  • 外来給付金

これらの一時金・給付金は、約款により幅があります。

その他、後遺障害に備える保障付きの特約や、女性疾患一時金の保障特約を組み合わせるもの、病気と傷害(ケガ)で保障される一時金の額が異なるものなど、約款で保障内容を柔軟に設計した商品があります。

医療保険の選び方ですが、どれだけあれば公的な健康保険の自己負担分をカバーできるか、そのうち貯金により賄えるのはどれくらいかを計算して保険を選ぶと無駄がありません。

保険料の負担は年間を通して考えると、高額になる可能性がありますので、保険料を考えて医療保険は無駄なく選んでおきましょう。

そもそも医療保険は、必要か、不要か、という議論もあるくらいですが、自己負担が貯金でカバーできないと考えられる場合は加入が必要と考えておきましょう。

ところで、自己負担分が生じる医療内容には、差額ベッド代や、高度先進医療・先進医療のようなものがあります。

これを保険でどれだけカバーするかに医療保険の保障内容がかかっていると考えるとよいでしょう。

保障される先進医療の内容は、厚生労働省が定める内容に従うとしている医療保険が多いようです。

全額自己負担になる先進治療については、額も高額になりやすいものです。放射線重粒子療法、陽子線療法などで200~300万円、遺伝子治療で100万円くらいからです。

特にがんの場合など、治療法を尽くしておきたいと考えるなら、保障内容にこの特約を含んでいる医療保険に加入しておくとよいでしょう。

医療保険のプラン

医療保険のプランは、一時金中心のものと、給付金中心のものがあります。

もっともシンプルなプランは、一時金のみの医療保険プランで、入院・手術一時金のみからなるものです。医療保険の中では比較的に保険料も抑えてあります。

保険料の分を節約し、一時金で一定の金額の給付を受けると、入院や外来の日数にかかわらず、もしもそれ以上の自己負担が生じた場合は、貯金でまかなう、と考えて加入するのであればコストパフォーマンスが高い医療保険のタイプです。

これに対して給付金付きの医療保険のプランは、自己負担をすべてカバーできる可能性が高い一方で、保険料は少しかさむことがデメリットになります。

また、給付の日数には60日などと上限があるので、それを超える入院期間となった場合は、自己負担の必要があります。

終身型医療保険・定期型医療保険をどのようにお得に使い分けるか?

医療保険には終身払いプラン・定期払いプランの双方の種類があります。

保障内容は双方で変わりませんが、保障・支払いそれぞれ期間に関係します。

二種類をどうつかうかについては、いろいろな考え方がありますが、一例として、ライフステージに合わせて、双方を使い分ける、というやり方があります。

例えば、独身の20代の頃から、結婚したての頃には、低額の保険料の終身型医療保険に加入、様々な可能性を踏まえて、まさかの時に対応しておくようにします。

そして、子供が小さい間は、医療保険の保険料を少なめにしておき、定期払いかつ掛け捨てにしておくと、比較的に保険料は低額で済みます。

その後は、自身の入院に備えて、男性なら医療保険もがんなどの三大疾患に厚い保障に切り替える・女性は女性専用医療保険で特にがんに手厚いものに切り替えておくなど、プランニングも双方を使い分けると可能になります。

家族の安心に生命保険、どんな保障内容、種類とプランがある?

家族の安心に生命保険、どんな保障内容、種類とプランがある

生命保険は、基本的には人の死亡を保険事故として、死亡時・後遺障害時の保険金が給付内容となる保険です。

ただし、生命保険もいくつかの種類があり、生存保険、死亡保険、生死混合保険の3種類があります。

生命保険のうち、生存保険の代表的なものが、養老保険・年金保険であり、生死混合保険では死亡・後遺障害の発生と、一定の年齢までの生存を条件とした給付金の支払いを組み合わせています。

ところで、大きな意味では、生命保険=生命保険会社で扱う保険、としている解説などもあります。

しかし、保険のプランニングを考えるうえでは、保険事故を「病気などの医療が必要な事態」(医療保険)と考えるか、「人の生死」(生命保険)と考えるかに意味があります。そこで、これを前提として、以下では保障内容を紹介します。

生命保険の保障内容
生命保険(死亡保険・生存保険・生死混合保険)の保障内容には、次のものがあります。

  • 死亡保険金
  • 後遺障害保険金
  • 生存給付金
  • 年金給付金

生命保険の死亡保険金・後遺障害保険金は、医療保険と異なり、本人が受け取ることができません。

これに対して、生命保険の生存給付金・年金給付金は、医療保険と同様に、基本的に契約者である本人が受けとります。

また、生命保険の生存給付金は一時金として受取り、生命保険の年金給付金は、毎月(あるいは毎年)一定の額を受け取ります。

医療保険にも、貯蓄性のあるものがあり、医療保険の一時金か、医療保険の定期の給付金を受け取るか、双方の保障内容がある商品があるので、この点では生命保険と、医療保険に大きな違いはありません。

生命保険のプラン

生命保険のプランは、定期型・終身型の支払い期間・保障期間の違いにより大きく2つに分かれます。また、貯蓄性のあるもの(解約返戻金・生存給付のあるもの)と、掛け捨てと、の2つに分かれています。

保険の選び方は、生命保険の場合も保険料のコストと密接に結びついています

生命保険でシンプルに遺族の当面の生活に備えよう、ということであれば、一生の間生命保険料を支払う終身保険は必ずしも必要ではありません。掛け金が安めになる、掛け捨て・定期型の生命保険でも十分に間に合います。

老後や、子供の進学を考えて、貯蓄型の生命保険を考える場合は、早期に解約しないようにすることが留意点です。

もしも、早期に解約すると、解約返戻金が100%を割ってしまうので、生命保険料をそのまま貯蓄していた方が効果的という場合が多いのです。

違いを理解し活用しよう、医療保険と生命保険

違いを理解し活用しよう、医療保険と生命保険

医療保険と生命保険には、以上のような違いがあります。その違いを生かしたライフプランニングをしてみましょう。

医療保険と生命保険は、保障内容が重ならないように選ぶのが基本です。

しかし、知り合いに頼まれてはいった保険・何々の付帯で入っている保険などと、重複してしまい、整理が必要になってしまうことも多いものです。

その際は、保障を簡単に「病気の時に出るお金」「後遺障害で動けなくなってしまったときに出るお金」「亡くなったときに出るお金」と考えて、それぞれがどの保険から出るかをいったんメモなどに書き出してみると有益です。

医療保険・生命保険2つの保険に加入する際には、費用が問題になることも多いと思います。その際は、確定申告や、年末調整の際の医療保険料・生命保険料の控除は必ず行いましょう。

生命保険・医療保険の保険料控除について

生命保険と、医療保険は控除の際に区分の違いがあります。それぞれ認められる限度額は同じですが、まず計算するときに以下のような区分の違いを踏まえて、用紙に記入する必要があります。

また、合算する際に、双方の合計額の枠内でしか認められない点に注意しておきましょう。

保険料の控除についての手続きは、簡単には以下の通りです。

民間保険の保険料は、「一般生命保険料控除」・「介護医療保険料控除」・「個人年金保険料控除」の3つの区分で、それぞれ保険料の控除が可能です。

そこで、各保険会社から、控除証明書が送られてきますので、それぞれの区分に従い、計算を行い、認められる額の控除を行います。

計算式は以下の通りです

2 万円以下支払保険料等の全額
2 万円を超え 4 万円以下支払保険料等× 2 分の1 +1 万円
4 万円を超え 4 万円以下支払保険料等× 4 分の1 +2 万円
8 万円を超える一律 4 万円

3つの区分を合算して、12万円までを限度として控除が認められます。

ぜひ、上記の区分すべての支払い保険料をチェックして、計算式に従って計算してみましょう。

また、保険会社では年末調整・確定申告書類の用紙の書き方の手引き・記入例もありますので、書き忘れがないようにチェックするためにも、活用しましょう。

生命保険・保険金の受け取りの際の税金にも注意

さらに、生命保険については、医療保険と違い、まとまった額の保険金を遺族が受け取ります。

保険金を受け取るときには、相続税がかかる場合と、贈与税がかかる場合があり、受取人を誰にするかにより、税負担が違います

特に、契約者、被保険者、受取人が異なるときは、生命保険の受取人にはより税率の高い贈与税がかかるとされており、注意が必要です。

税金が気になる場合、具体的な商品の選び方で迷った場合も、お住いのエリアの保険の無料相談窓口を活用すると便利でおすすめです。

まとめ

医療保険・生命保険の違いを知っておくと、保険プランニングがしやすくなり、無駄なく双方の保険を活用し、また、貯蓄の目標もはっきりします。

双方の保険・保障の違いと、ライフステージごとのニーズに合わせて、無駄なくお得に医療保険・生命保険に加入するようにしてみましょう。