介護保険
介護保険の年末調整手続きを解説!書き方・証明書類・計算方法は?

介護保険の年末調整手続きを解説!書き方・証明書類・計算方法は?

介護保険の年末調整手続きを解説!書き方・証明書類・計算方法は?

介護保険は、公的・民間、ともに保険料の負担が気になります。保険料の負担を少しでも軽くするには、年末調整で社会保険料控除を受けるという手段があります。

所得から控除された額の分、課税所得が減るので、その分税金の負担が減ることとなります。

介護保険料を含む、社会保険料控除の手続きを中心に、給与所得者が利用できる年末調整について、手続きとポイント、注意しておくと、より負担を減らせる知識をお伝えします。

高橋朋成

年金アドバイザー / EQプロファイラー / 2級ファイナンシャルプランニング技能士

この記事の監修担当者:株式会社クロックアップ 代表取締役 高橋朋成

20年以上にわたり外資系生保や損保系生保などで、販売現場での営業スタッフの採用や実践を活かした生保販売や育成手法に携わった経験を損保代理店向けに特化してアレンジし2013年に株式会社クロックアップを設立。

業務内容は損保代理店の専属コンシェルジュとして
① 保険営業職の人材紹介、マッチングサポート
② 損保営業マン向け生保クロスセル研修
③ 代理店M&Aマッチングサポート等
を行っている。

介護保険料の年末調整とは?

介護保険料の年末調整とは

年末調整は、給与所得者の給与からすでに納めすぎている税金を年末に調整する手続きです。

一部の年度途中に年末調整を受ける方(転職など)以外は、文字通り、年末の12月の給与で調整します。この手続きで介護保険料などの社会保険料の控除を行うことができます。

社会保険料控除とは1年の間、つまり、1月1日から12月31日までの期間に「給与、公的年金から天引きされた」または「実際に支払った」社会保険料の全額が所得控除できる制度です。

介護保険料もこの控除の対象になります。

たとえば、給与から年間80万円の介護保険を含めた社会保険料が天引きされれば、年末調整で同額(80万円)の社会保険料控除が受けられます。

介護保険の保険料は、社会保険料の一部として、支払った保険料・給与年金から天引きされた保険料は、全額を年末調整で社会保険料控除することができることがポイントです。

なお、年末調整ができなかった場合は、確定申告で社会保険料の控除や、後程ご説明する民間の保険料控除は可能なことも覚えておいてください。

この場合は天引きされた保険料の合算データは人事部に聞いておくのがおすすめです。

年末調整、対象者は誰?年金の場合は?確定申告との関係は?

年末調整の対象となる人は、「給与所得者の扶養控除等申告書」という書類を、年末調整を行う日までに提出している一定の方です。

具体的には、サラリーマンなどの給与所得者を指しており、アルバイト・パート、青色申告の専従者(例えば、勤め先が自営業のお勤めの方など)がこれに含まれます。

ただし、次の方は、対象から除かれます。

(1) 1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人

(2) 災害減免法の規定により、その年の給与に対する所得税及び復興特別所得税の源泉徴収について徴収猶予や還付を受けた人

年金から介護保険料を天引きされる方も、年末調整の対象には含まれません。

書類の書き方・手順(会社員)

書類の書き方・手順(会社員)

年末調整は、まず書類をそろえることから始めます。

  • 給与所得者の扶養控除等申告書
  • 社会保険料の控除証明書(添付書類)

扶養控除申告書は、人事部から書類が交付されることが通常です。

年末調整に必要なこの申告書には、給与支払者の名称・所在地などのデータをあらかじめ入れてくれていることが通常です。年末調整は、10月末あたりから社内でも手続きが始まります。

社会保険料の控除証明書は、支払った保険料の合計額が書いてあります。

1年を通じて同じ会社に勤めて、給与から天引きされている場合は会社の人事部から支払った社会保険料データをもらい、転記、または、給与所得者の扶養控除等申告書にデータを記載するやり方で記載できるので、発行してもらいません。

これに対して、転職された方については、少しだけ注意が必要です。

前の会社の介護保険料含む社会保険料の天引き分・国民年金の支払いの場合もこの控除額に含めることができます

たいてい、転職時に前の会社と、現所属先で連携して、天引き分は合算していますが、念のため年末調整の前、早めに人事部に確認をするとよいでしょう。

ただし、国民年金の支払いがあった方は、年金事務所・社会保険庁のサイトから手続きして、証明書をもらう必要があります。国民健康保険の場合も同様に、合算することができるので、自治体に証明書について問い合わせをし、入手しておきましょう。

上記の書類をそろえて、

  • 社会保険料額の確認
  • 申告書に転記

社会保険料は支払ったものが全額控除されるので、それ以上に計算する必要はありません。

扶養家族のものも含めてよいことに注意

社会保険料控除は本人の社会保険料のほかに、生計を一にする配偶者と親族の分を負担した場合も所得控除をすることができます。

会社で介護保険を計算し、合算してもらえている場合のほかは、以下の説明に注意して含められるかご検討ください。

「生計を一にする配偶者と親族」とは、必ずしも同居をしている場合に限られず、同じ家計であれば別居している人の分も合算して構いません

「生計を一にする配偶者と親族」とは?

国税庁のホームページなどを参照すると、原則として同居の親族があたるほか、別居している場合も

  • 休暇の場合には起居を共にすることが通常の場合
  • 常に生活費、学資金、療養費などの送金が行われている場合

はこれに当たるとされています。

これは控除できる?ご両親の介護保険料

これは控除できる?ご両親の介護保険料

同居・あるいは別居の場合でも、65歳以上のご両親の生活費の面倒を見ているなら、自分で介護保険料を負担しているから控除できるのではないか、と考えられます。

しかし、年金はご両親のものであり、天引きされているとご両親が直接負担をしているととらえるので、介護保険料の控除はできません。

ただし後期高齢者医療制度の保険料を口座振替により支払った場合、被保険者または被保険者と生計を一にする配偶者、親族で、保険料を負担した人が社会保険料控除を受けることができます。

介護保険と、医療保険の場合で取り扱いが異なっています。

年末調整時は、民間保険料の控除も可能、金額を正しく計算

今までご説明したのは、公的な介護保険の控除についての手続きですが、生命保険料・民間の介護保険料の控除も契約者など保険料を負担した方であれば年末調整で一緒に行うことができます。

民間の一般の生命保険会社、かんぽ生命の簡易保険や都道府県共済なども、控除額に含めることができます。

一般生命保険料控除」・「介護医療保険料控除」・「個人年金保険料控除」の3つの区分で、それぞれ保険料の控除が可能です。

そこで、各保険会社から、控除証明書が送られてきますので、それぞれの区分に従い、計算を行い、認められる額の控除を行います。

計算式は以下の通りです

2 万円以下支払保険料等の全額
2 万円を超え 4 万円以下支払保険料等× 2 分の1 +1 万円
4 万円を超え 4 万円以下支払保険料等× 4 分の1 +2 万円
8 万円を超える一律 4 万円

3つの区分を合算して、12万円までを限度として控除が認められます。

介護保険料については生命保険と同じ区分になります。

ぜひ、上記の区分すべての支払い保険料をチェックして、計算式に従って計算してみましょう。

また、保険会社の年末調整書類の書き方の手引き・記入例もありますので、書き忘れがないようにチェックするためにも、活用しましょう。

まとめ

年末調整は、給与所得を受けている人が行える、納めすぎた税金の調整手続きです。

介護保険も、公的介護保険、民間介護保険双方控除の対象になるので、活用しましょう。

給与から天引きされている部分以外の社会保険料の支払いも、チェックしてみてください。

天引き以外の保険料は、書類をそろえて、正しく計算し、可能な限り漏れがないようにすることがポイントです。

特に転職をされた方などは、年末調整の前に早めに控除証明書など書類の準備をし、足りない添付書類がないかチェックし、できるだけ保険料の負担を押さえられるようにしておきましょう。