日本の医療保険の種類・保障内容をわかりやすく解説!

公的医療保険制度と民間医療保険の種類を知ろう

【わかりやすく解説】2種類に大別できる医療保険

医療保険

ケガや病気に備えて、医療保険について知っておきたいという方も多くいるのではないでしょうか?

「医療保険にはどんな種類があるの?」

「それぞれどんな保障が受けられるの?」

この記事ではそんな疑問を解消するための、知っておきたい日本の医療保険についてわかりやすく解説していきます。

高橋朋成

年金アドバイザー / EQプロファイラー / 2級ファイナンシャルプランニング技能士

この記事の監修担当者:株式会社クロックアップ 代表取締役 高橋朋成

20年以上にわたり外資系生保や損保系生保などで、販売現場での営業スタッフの採用や実践を活かした生保販売や育成手法に携わった経験を損保代理店向けに特化してアレンジし2013年に株式会社クロックアップを設立。

業務内容は損保代理店の
専属コンシェルジュとして
① 保険営業職の人材紹介、マッチングサポート
② 損保営業マン向け生保クロスセル研修
③ 代理店M&Aマッチングサポート等
を行っている。

2つのタイプの医療保険

保障内容

仕組み

日本の医療保険は、相互扶助の精神に基づき、加入者全員がお金を出し合って医療費の負担が大きい人の経済的負担を軽減する仕組みで成り立っています。

その仕組みにより、私たち被保険者は病気やケガにより病院での治療を受ける必要が生じた際に、決められた保険料を支払って加入することで、少ない負担で医療サービスを利用することができます。

大きく分けて2種類

日本の医療保険制度は大きく分けて「公的医療保険」「民間の医療保険」の2種類があります。

2つの種類の違いは以下の表の通りです。

公的医療保険 民間医療保険
運営 国や自治体 民間企業
目的 国民生活の安定 公的医療保険で補い切れない分をカバー
加入義務 全国民が加入 任意加入
利用方法 手続き不要 手続きが必要

公的医療保険は社会保険のうちの1つで、原則全ての日本国民に加入を義務づける「国民皆保険制度」を採用しており、基本的に手続きは不要です。

一方、民間医療保険は、民間保険会社が販売している保険商品で、公的医療保険でカバーしきれない医療費への備えとして活用され、保険会社が保険金を給付します。

また、任意で加入するものであるため、公的医療保険のように自動的に保険が適用されないため、被保険者自身で手続きをしなくてはなりません。

今回は公的医療保険と民間医療保険を分けて、それぞれの医療保険の種類や保障内容をわかりやすく解説しました。

まずは、公的医療保険について見ていきましょう。

公的医療保険の種類とその保障

まとめ

公的医療保険の種類

日本の公的医療保険は、働き方や年齢により加入する保険が異なります。

厚生労働省によれば、その種類は以下の3つに分類できます。

国民健康保険 自営業やアルバイト、退職者、無職の方が加入する地域保険
健康保険(被用者保険) 会社員が加入する健康保険組合や協会けんぽ、公務員が加入する共済組合などの職域保険
後期高齢者医療制度 職業にかかわらず75歳以上の日本国民

この分類のうち、会社に勤めているサラリーマンやその扶養家族は「健康保険」に、その他の会社に所属じていない人とその家族は「国民健康保険」に加入することとなります。

保障内容

医療費の保障

公的医療保険で受けられる医療費の保障を以下の表にまとめました。

年齢 負担割合
0歳~義務教育に就学前の子ども 2割
義務教育就学後~70歳 3割
70歳~75歳 2割(所得に応じて変動)
75歳以上 1割(所得に応じて変動)

上の表の通り、年齢、70歳以上は年齢と所得によって医療費の負担が異なります。

「国民健康保険」「健康保険」保障内容の違い

また、義務教育終了後~70歳までの間は、「国民健康保険」「健康保険」共に、加入者の医療費負担割合は3割ですが、2つの保険は保障内容に違いがあります。

それぞれの特徴をまとめると、以下の一覧表のようになります。

国民健康保険 健康保険
対象 自営業者・農業、漁業従事者・パート・アルバイトなど 会社員・公務員とその扶養家族
出産育児一時金 原則42万円 原則42万円
出産手当金 もらえない もらえる
傷病手当金 もらえない もらえる
保険料の支払い 全額自分で払う 給与天引き(50%会社負担)
家族が増えた場合の保険料 増える 変わらない

この表をみると、健康保険のほうが保障が手厚いことがわかりますね。

高額療養費制度

医療費1~3割の負担であっても、入院や手術などを行うと医療費が高額になるケースがあります。

そんな時は高額療養費制度により、国がまとまったお金を給付してくれるため、経済的負担を軽減することができます

(例)70歳未満、標準報酬月額28万~50万円の方が、肺がんを患い総医療費が30万円であった場合

自己負担限度額(ひと月あたり)

 =80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

3割負担であるため、窓口では9万円を支払います。

しかし上の式より、月ごとの自己負担上限額は80,430円であるため、後日9,570円返還されます。

ただし、入院によって生じた食事代の自己負担分や差額ベット代等、治療費以外で生じたお金は公的医療保険では給付金の対象外となってしまいます。

次はこれらの負担をカバーする民間の医療保険についても見ていきましょう。

民間医療保険の種類とその保障

保障内容

民間医療保険の種類

主に、以下のような種類があります。

  1. 定期型医療保険
  2. 終身型医療保険
  3. 女性向け医療保険
  4. 持病がある方向けの医療保険

各種類の保険内容について次で詳しく解説します。

保障内容

(1)定期型医療保険

入院時や手術時に治療以外で発生したお金を保障。

保障期間は10年など、契約時に定めた一定期間となります。

満期後は「更新」できることがありますが、最初に加入したときよりも年齢が上がるため、保険料も高額になることが一般的です。

(2)終身型医療保険

保障内容は定期医療保険と同様ですが、保障期間が異なります。

終身型の場合、保障期間は一生涯で、保険料負担は生涯変わることがありません

そのため年齢が若いうちに終身型に加盟することで、定期型よりも割高であるものの、老後に高まる病気やケガのリスクに備えて、将来の経済的負担を減らすことができます。

(3)女性向け医療保険

女性がかかりやすい病気(乳がん・子宮がん等)に特化した保障。

一般的に、性別に関係のない病気の通常の保障に加え、女性特有の病気に対し手厚く保障してくれます。

(4)持病がある方向けの医療保険

持病がある方や、健康に不安がある方を対象とした医療保険で、2つのタイプがあります。

「引受基準緩和型医療保険」

一般的な医療保険に比べ、加入時に告知項目が少ないため、健康状態に不安がある方でも加入しやすい保険です。

ただし、保険料が割高であるため、通常の医療保険に加入可能な場合、この保険に加入すると損をする可能性があるため、十分に検討する必要があるでしょう。

「無選択型医療保険」

健康状態の告知が不要であるため、病気や持病などがあっても加入することができる保険です。

最も加入しやすい保険ですが、やはりその分保険料が高額になります。

ここまで、民間医療保険の種類、各種の保障内容について解説しました。複数の保険会社が様々な種類の商品を販売しているため、自分に合うものを選択しましょう。

「掛け捨て型」と「貯蓄型」の違い

また、民間医療保険には、「掛け捨て型」と「貯蓄型」と2種類の

タイプがあり、保険料金のシステムが異なります。

掛け捨て型

契約期間中に定められた保険料を支払い、契約期間内に保障適用事項に該当する事態が発生した際保険金が支払われます

ただし、契約期間内にそのような事態が発生せずに、保険金を受け取ることがなければ、支払った保険料は掛け捨てることとなります。

貯蓄型

掛け捨て型と異なり、支払った保険料が将来保険金として戻ってくるため、医療保険と貯蓄の両方の特徴を兼ね備えています。

契約期間中に保障適用事項に該当する事態が発生した場合、その後保険料は徴収されず、保険金が振り込まれます。ただし、保険料は割高となるのが特徴です。

なるべく、保険料を抑えたい方や貯蓄は「掛け捨て型」を、保険料は掛け捨て型より高額でも医療保険を通して、将来に向けて貯蓄していきたい方は「貯蓄型」を選びましょう

主契約と特約

民間の医療保険は、主契約と特約で成り立っていることが一般的です。主契約とは入院や手術の保障を指していることが多く、保険内容のベースとなるものです。

特約は保険内容をさらに充実させるためのオプションのような役割です。

例えば、通常の保険に「女性疾病特約」や「先進医療特約」といった特約を付帯するなど自身が備えたいリスクに対し、保障内容カスタマイズすることができます。

保険会社ごとにさまざまな種類の特約が用意されていますので、ご自身で検討する際にはチェックしておくと良いでしょう。

民間保険にも加入しておくべき?

民間医療保険は任意保険ですが、未加入の方は加入を検討することをおすすめします。

「高額療養費制度もあることだし、公的医療保険だけでカバーできるんじゃないの?」というふうに思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、先述の通り公的医療保険の保障範囲は入院や手術の際にかかった治療費に限定されます。

そのため、例えば民間医療保険に未加入だった場合、

  • 1日あたり約1,380円(460円×3食)ほどかかる入院中の食事代
  • 1日あたり1人部屋は平均約8,000円、4人部屋の場合は平均約2,500円かかる差額ベッド代

その他治療以外にかかるお金について全て自己負担となります。

また、平均200~300万円かかると言われている先進医療は公的医療保険の適用外であるため、貯蓄や収入の少ない方は治療を諦めざるを得ない可能性も十分にあります

しかし、通常の民間医療保険に「先進医療特約」を付帯させることで、万が一の高額治療にも備えられます。

貯蓄の不足により受けられるはずの治療が受けられなかった、などという事態を防ぐためにも、民間医療保険の加入を検討しましょう。

まとめ

日本の医療保険の制度

この記事では医療保険の種類とその保障について書いてきました。

最後にこの記事の内容をまとめると

  • 医療保険には「公的医療保険」「民間医療保険」の2種類に大別される
  • 公的医療保険は3つに分類され、年齢により医療費の負担が変わる。また、高額療養費制度により、経済的負担を軽減することができる
  • 民間医療保険は、公的医療保険ではカバーできない部分を負担してくれる。自分にあった保険の選択が必要。
  • 民間医療保険未加入の方は加入を検討してみましょう

ということになります。

ぜひ、医療保険の加入を考える際に参考にしてみてください。

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