介護保険
外来リハビリが医療保険から介護保険へ移行!どうすればいい?

外来リハビリが介護保険の領域へ移行

外来リハビリが医療保険から介護保険へ移行!どうすればいい?

加齢だけでなく、病気やケガを理由にたくさんの人がリハビリを利用しています。リハビリはこれまで医療保険の対象でしたが、平成31年4月から、一部のリハビリは介護保険の対象になったことをご存知でしょうか?

維持期・生活期の外来リハビリが医療保険から介護保険に移行したことにより、以後は介護保険の通所リハビリ等を受給することになります。

本記事では外来リハビリの概要を踏まえ、外来リハビリの一部が医療保険から介護保険に移行した経緯や介護保険による外来リハビリサービスについてなどを詳しく解説します。

リハビリを利用する際に慌てることのないよう、制度の改正内容や今後の対応を正しく理解しましょう。

高橋朋成

年金アドバイザー / EQプロファイラー / 2級ファイナンシャルプランニング技能士

この記事の監修担当者:株式会社クロックアップ 代表取締役 高橋朋成

20年以上にわたり外資系生保や損保系生保などで、販売現場での営業スタッフの採用や実践を活かした生保販売や育成手法に携わった経験を損保代理店向けに特化してアレンジし2013年に株式会社クロックアップを設立。

業務内容は損保代理店の
専属コンシェルジュとして
① 保険営業職の人材紹介、マッチングサポート
② 損保営業マン向け生保クロスセル研修
③ 代理店M&Aマッチングサポート等
を行っている。

【最新】要介護者等の外来リハビリが医療保険から介護保険に完全移行

【最新】要介護者等の外来リハビリが医療保険から介護保険に完全移行外来リハビリが介護保険へと移行

平成31年3月をもって、要介護・要支援者を対象とした「医療保険の疾患別リハビリ料」が終了し、以後の外来リハビリ介護保険の訪問リハビリや通所リハビリに移行しました。

医療保険におけるリハビリと、介護保険におけるリハビリでは報酬体系などが異なるため、双方を単純に比較することは難しいです。しかし、外来リハビリを利用する利用者の視点から考えると、従来の医療保険における外来リハビリのほうが手厚いという声もあります。

では、いったい外来リハビリとはどのようなものなのでしょうか。ここでは、まず外来リハビリの特徴や役割を中心に解説します。

外来リハビリの役割と特徴

そもそもリハビリとは「リハビリテーション(Rehabilitation)」の略語で、re(再び、戻す)とhabilis(適した、ふさわしい)という意味の単語が語源です。

つまり、要支援・要介護認定を受けた患者の身体機能の回復や健康だけを目指すのではなく、「自分らしく生きること」「これまで通りの社会生活を取り戻すこと」に軸を置いています。そして、これらの目的を達成するために実施される全ての活動がリハビリと呼ばれます。

外来リハビリとは、自宅で生活を送りながらも通院が可能な患者に対して提供されるリハビリで、例えばパーキンソン病や脳血管疾患といった病気を発症している場合の多くはリハビリが必要になることが一般的です。

また、リハビリは作業療養士や言語聴覚士、理学療法士といった専門知識を持つ有資格者が担当し、時には医師や家族、ボランティアとも連携を取りながら、時間をかけて実施されるのも特徴です。

外来リハビリを利用するための条件

これまで、外来リハビリを利用する場合、病気を発症してから何日経過しているかによって、利用できるリハビリ期限が規定されていました。

例として、脳卒中を含む脳血管疾患の場合は180日以内、骨折などの運動機能障害の場合は150日といった期限があり、これらの日数を超過すると月に限られた時間しか外来リハビリを受けることができず、制限が設けられていました。

介護保険に移行した経緯

しかし、先述のように平成31年4月からは外来リハビリの利用条件が変更され、従来の外来リハビリは介護保険に移行し、介護保険における介護サービスとして外来リハビリを行うようにと、厚生労働省から通知がありました。

国は以前から要介護者等へのリハビリを医療保険給付から介護保険給付に移行するための政策を進めており、平成31年4月をもって完了したことになります。

この政策は、医療保険と介護保険のリハビリの円滑な移行を推進する観点から、医療保険と介護保険のリハビリを1つの医療機関で実施することを目的として実施されました。

介護保険に移行したのは維持期・生活期のリハビリ

仮に何らかの病気を発症した場合、発症直後の急性期は診断と治療が必要です。その後、入院や外来を利用しながら容態の安定化を図り、この時期を回復期と呼びます。

急性期や回復期は心身機能の改善を目的としており、早期かつ集中的なリハビリが実施されます。

回復期のあとは維持期・生活期と呼ばれ、心身機能や生活機能の維持・向上、自立生活の促進を目的としたリハビリが実施されます。介護保険における外来リハビリはこの維持期・生活期を対象としており、急性期や回復期のリハビリは従来通り医療保険の対象です。

例外基準もある

維持期・生活期の外来リハビリが介護保険に移行しましたが、中には例外基準もあり、医師が「医療保険における外来リハビリが必要」と判断した場合や、「外傷性の肩関節腱板損傷」「高次脳機能障害」といった傷病の場合はこれまで通り、医療保険における外来リハビリを利用することが可能です。

このような例外基準も設定されているため、維持期・生活期における全ての外来リハビリが介護保険に移行するのではなく、個別の症状や状態次第では従来通り医療保険の外来リハビリを利用できる可能性がある点は覚えておきましょう。

医療保険と介護保険のリハビリの違い

医療保険と介護保険のリハビリの違い医療保険と介護保険のリハビリの違い

なお、医療保険と介護保険のリハビリは厚生労働省の規定により併用することができません。医療保険におけるリハビリと介護保険におけるリハビリの違いを以下で解説します。

医療保険でのリハビリ

傷病を発症直後のリハビリは医療保険に含まれます。外来(通院)や入院など病院で行われるリハビリは医療保険が適用され、リハビリを受ける日数制限が設けられている点が特徴です。

病院には理学療法士をはじめ、リハビリに関する専門資格者が多数勤務しているため充実した内容のリハビリが受けられるというメリットがある一方で、長期間にわたるリハビリが難しいと言われることもあります。

介護保険でのリハビリ

リハビリ利用時に介護保険が適用されるには、介護認定を受けている必要があります。もしくは、医療保険での外来リハビリなどを受けられなくなった人がその後介護認定を受けて利用するケースもあります。

介護保険には自宅から所定の施設に通って利用する通所型のリハビリと、自宅で行う訪問型のリハビリがあります。他にも施設に短期間入所してリハビリを受けることもでき、利用者の状況に応じて適切な場所でリハビリを受けることが可能です。

医療保険と違い、介護保険でのリハビリは病気や発症からの期間に制限がなく、リハビリを必要としている場合は、等しくリハビリサービスを受けることができます。医療保険でのリハビリと比べると、専門職の配置が少ないというデメリットがある一方、長期のリハビリは介護保険のほうが向いていると言えます。

外来リハビリは今後どうなる?

外来リハビリは今後どうなるか?外来リハビリは今後どうなるか?

維持期・生活期における外来リハビリが、医療保険から介護保険に移行したことを受けて、これまでリハビリを受けてきた施設ではリハビリを受けることができなくなり、別の施設で介護保険におけるリハビリを受けなければならないというケースも想定されます。

介護保険におけるリハビリは通所もしくは訪問型です。それぞれの特徴を理解し、介護保険におけるリハビリを利用する際の参考にしましょう。

通所リハビリ

通所リハビリは、例えば自宅で生活している要支援・要介護認定者に専門的なリハビリサービスを所定の施設で提供します。具体的な施設として、介護老人保健施設、病院、診療所があり、心身機能の回復を図りながら日常生活の自立をサポートするために理学療法や作業療法などが日帰りで実施されます。

通所リハビリを利用する人は年々増えており、要支援1から要介護5までさまざまな介護レベルの人が利用しています。

利用者の負担額は、施設規模や所要時間によって設定され、食費やおむつ代などは別途自己負担が発生する可能性があります。

訪問リハビリ

通所リハビリを提供している施設に通うことができない場合や、住み慣れた自宅でのリハビリを希望する場合は訪問リハビリを利用します。理学療法士や作業療法士が自宅を訪問し、歩行練習やトイレ動作、入浴、外出練習など、日常生活に直結する動きを積極的に取り入れ、参加するためのサポートや働きかけを行います。

通所リハビリと違い、要介護者等が実際に暮らす自宅にてリハビリを行うため、より過ごしやすい自宅を実現するために、リハビリを通して家族の介助方法や自宅の環境設定などのアドバイスを受けることができます。

また、福祉用具の提案もしてもらえるなど、要介護者の心身の状態に合わせ、自宅で長く暮らせるようにサポートしてくれるのが訪問リハビリの特徴と言えます。

まとめ

要介護者等の維持期・生活期におけるリハビリが、医療保険から介護保険に完全移行しました。これに伴い、これまでとは別の施設でのリハビリを余儀なくされることもあり、さまざまな傷病を理由に外来リハビリを利用する際には注意が必要です。

平成31年4月の制度改正によって、外来リハビリを取り巻く環境が大きく変わりました。現在外来リハビリを利用している人はもちろんのこと、さまざまな理由でリハビリが必要になることを考え、この機会に医療保険・介護保険における外来リハビリへの理解を深めましょう。