医療保険制度で訪問看護は利用するには?サービス内容や条件について解説

医療保険制度で訪問看護を利用するための条件や提供されるサービス内容とは

医療保険制度で訪問看護は利用するには?サービス内容や条件について解説

医療保険

訪問看護を利用すると安心して在宅療養ができ、公的保険制度によって自己負担を軽減できます。

年齢や条件によって医療保険で利用するか、介護保険で利用するかが異なるのです。

そこで今回は公的医療保険で訪問看護を利用する場合に、必要な知識を解説していきます。

高橋朋成

年金アドバイザー / EQプロファイラー / 2級ファイナンシャルプランニング技能士

この記事の監修担当者:株式会社クロックアップ 代表取締役 高橋朋成

20年以上にわたり外資系生保や損保系生保などで、販売現場での営業スタッフの採用や実践を活かした生保販売や育成手法に携わった経験を損保代理店向けに特化してアレンジし2013年に株式会社クロックアップを設立。

業務内容は損保代理店の
専属コンシェルジュとして
① 保険営業職の人材紹介、マッチングサポート
② 損保営業マン向け生保クロスセル研修
③ 代理店M&Aマッチングサポート等
を行っている。

訪問看護とは

訪問看護とは

まず、訪問看護の仕組みについて解説していきます。

訪問看護とは、看護師など医療関係者が利用者の自宅を訪問し、主治医の指示のもと、病気や障がいに応じた看護を行うこと

また、自宅で最期を迎えたいという希望があればその意向に沿った看護を行うこともあります。

訪問看護で利用できるサービスの内容は?

訪問看護で利用できるサービスの内容は

訪問看護では、以下のようなサービスを利用することができます。

  • 療養生活相談・支援
  • 病状や健康状態の管理と看護
  • 医療処置・治療上の看護
  • リハビリテーション
  • 家族の相談と支援
  • 住まいの療養環境の調整と支援
  • 地域の社会資源の活用
  • 認知症の人の看護
  • 精神障がい者の看護
  • エンドオブライフケア
  • 在宅移行支援(外貨白昼の訪問看護)

出典:訪問看護活用ガイド 改訂版

具体的には口腔ケア、食事介助、排泄介助、洗髪・入浴の介助といったことから、健康状態のチェック、点滴や床ずれ(褥瘡)処置等の医療行為も行います。

医療保険を申請して訪問看護を利用する

医療保険を申請して訪問看護を利用する

基本的に訪問看護を利用する時には、医療保険よりも介護保険が優先されます。

そのため医療保険で訪問看護サービスが利用できるのは、以下のいずれかにあてはまる方です。

対象者 条件
40歳未満の方
40歳以上65歳未満の方 16特定疾病の対象者ではない
40歳以上65歳未満の方 16特定疾病の対象者であっても
要支援・要介護に該当しない
65歳以上の方 要支援・要介護に該当しない
(介護保険を利用しない方も含む)
要支援・要介護の認定を受けた方 ①厚生労働大臣が定める疾病(難病)等を患っている
②精神訪問看護が必要(認知症は除く)
③病状の悪化などにより特別訪問看護指示期間にある

なお、介護保険の訪問看護と医療保険の訪問看護は併用できません

ただし、要支援・要介護者であっても、がん末期等厚生労働大臣が定める疾病等の方、急性増悪によって高頻度の訪問が必要な方や精神科訪問看護の対象者は、医療保険が適用されます。

医療保険で訪問看護を利用する場合の時間や回数の制限

医療保険で訪問看護を利用する場合の時間や回数の制限

医療保険で訪問看護を利用する場合、以下のような制限があります。

  • 原則1日1回(30分~90分程度)まで
  • 週3回まで
  • 1か所の訪問看護ステーションから訪問できるのは1人

ただし厚生労働省が定める疾病、特別訪問看護指示期間、特別管理加算の対象者は、週4回以上かつ、1日3回まで訪問看護を利用することができます

また、精神科訪問看護の場合は、30分未満と30分以上という時間区分が存在します。

医療保険の場合、介護保険との大きな違いとして利用限度額が設定されていないことがあげられます。

限度額はありませんが、上記の制限を超えてサービスを利用した場合には、超過分が自己負担になります。

利用までの手続きの流れ

利用までの手続きの流れ

医療保険で訪問看護のサービスを利用したい場合は、まず本人または家族が、主治医か訪問看護ステーションに相談します。

訪問看護が必要だと判断された場合、サービスを利用するためには主治医からの「訪問看護指示書」が必要なので、主治医に交付を依頼しましょう。

訪問看護ステーションは、指示書を受けてサービスを利用者に提供します。

訪問看護ステーションとは

訪問看護ステーションとは、介護保険法に基づき都道府県知事(または政令市・中核市市長)からの指定を受けて、保健師もしくは看護師が管理者となって運営する事業所のこと

訪問看護指示書の交付によって、訪問看護サービスを提供します。

訪問看護にかかる費用

訪問看護にかかる費用

訪問看護の料金は、訪問時間や利用頻度によって変わります。

医療保険を利用して訪問看護サービスを利用する場合、以下のように年齢によって自己負担割合も変化。

年齢 負担割合
義務教育就学前 月額の2割
義務教育就学後~70歳 月額の3割
70歳以上75歳未満 月額の2割(一定所得以上の方は3割)
後期高齢者医療の対象者 月額の1割(一定所得以上の方は3割)

また、訪問看護を新規利用した時や緊急時に利用したい場合等、特定の場面で利用すると費用が加算される可能性が高いです。

そのため、前もって料金を確認することが必要になります。

また、交通費は実費ですので注意しましょう。

自費でも利用できる訪問看護サービス

訪問看護は公的保険を利用せず、自費で利用することもできます

自費で利用する場合は、要支援・要介護、疾患の種類や年齢などといった条件は一切ありません

自費でサービスを利用した場合、利用料金は全額自己負担になるため、民間の保険を検討させる方もいらっしゃるかと思います。

訪問看護は、通院給付金の適用対象外になるケースが多いですが、民間の介護保険なら活用できる場合もあります。

記事まとめ

記事まとめ

訪問看護のサービスは介護保険で利用するイメージが強いですが、医療保険でも利用することができます。

ただ、医療保険で利用する場合は条件や制限があります。

また、地域や利用する事業所によっても料金は異なりますので、事前に確認しておくことが必要です。

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