70歳以上に民間医療保険は必要?見直し方法や加入できるおすすめ保険も紹介

70歳以上の方に民間医療保険は必要か?公的制度の内容や老後リスクを解説

70歳以上に民間医療保険は必要?見直し方法や加入できるおすすめ保険も紹介

医療保険

70歳以上の高齢者はケガや病気のリスクが高まるため、加入できる民間医療保険が限られてきたり、保険料の負担が大きくなってきたりします。

「高額な保険料を支払いながら民間の医療保険に入る必要性はあるのか」と疑問に感じている方も多いでしょう。

この記事では、70歳以上の高齢者の方に向けて以下のポイントを解説します。

  • 70歳以上の公的医療保険の内容
  • 民間医療保険は70歳以上でも必要か
  • 70歳以上の高齢者や持病がある方でも加入しやすい保険の種類
  • 70歳以上の方が保障を見直す際のポイント
  • おすすめの医療保険3選

ぜひ本記事を参考にして、ご自身の保険プランを見直してみましょう。

高橋朋成

年金アドバイザー / EQプロファイラー / 2級ファイナンシャルプランニング技能士

この記事の監修担当者:株式会社クロックアップ 代表取締役 高橋朋成

20年以上にわたり外資系生保や損保系生保などで、販売現場での営業スタッフの採用や実践を活かした生保販売や育成手法に携わった経験を損保代理店向けに特化してアレンジし2013年に株式会社クロックアップを設立。

業務内容は損保代理店の
専属コンシェルジュとして
① 保険営業職の人材紹介、マッチングサポート
② 損保営業マン向け生保クロスセル研修
③ 代理店M&Aマッチングサポート等
を行っている。

70歳以上の高齢者は公的制度が更に手厚くなる

70歳以上の高齢者は公的制度が更に手厚くなる

日本は「国民皆保険制度」が設けられており、すべての国民が公的医療保険に加入することとなっています。

医療機関の窓口で支払う医療費負担は健康保険証を提示することで、原則として3割で済み、残りの7割は公的医療保険から支払われる仕組みです。

そして、70歳以上になると医療費の負担限度額割合は更に引き下げられ、原則2割(現役並み所得者は3割)となります。

70歳になるまでの期間よりも、70歳以上の方は更に手厚い保障を受けられるようになります。

民間の医療保険に加入すべきか検討する際は、70歳以上で公的制度が手厚くなることを頭に入れておきましょう。

75歳以上は後期高齢者医療制度に加入

75歳以上は後期高齢者医療制度に加入

75歳以上の人(75歳未満で一定の障害状態にあると認定された人も含む)は、後期高齢者医療制度に加入します。

後期高齢者医療制度では、一般所得者等の自己負担割合が1割、一定以上所得者が2割、現役並み所得者が3割となります。

つまり75歳以上で一定以上の所得に該当しない方は、さらに公的制度の保障が手厚くなるという仕組みです。

高齢になるとケガや病気で医療費がかかる場面は多くなりますが、その分負担を軽減させる仕組みが公的制度で設けられています。

民間の医療保険の必要性を考える前に、公的制度の内容をしっかりと理解しておきましょう。

民間医療保険は必要?

民間医療保険は必要

70歳以上になると公的制度が手厚くなるため、「民間の医療保険は不要ではないか」と考える方も多いでしょう。

ここでは、70歳以上の方にとって民間医療保険が必要かどうかを解説します。

現役世代に比べると必要性は低い?

現役世代に比べると必要性は低い

医療保険は、病気やケガで働けなくなったときの生活費を補うことが目的のひとつです。

しかし70歳以上の方の多くは生活費を年金から支出しているため、働けなくなるリスクに備える必要性は現役世代に比べると低くなります。

また、現役世代の場合はケガ・病気で出費が増えると、子どもの養育費や教育費に影響を与えるリスクも増えます。

一方で70歳以上になると子どもも独立しているため、養育費や教育費などの心配もありません。

現役世代に比べると、70歳以上の方は医療保険に加入する必要性が低いと言えます。

公的制度でカバーできない部分を補う

公的制度でカバーできない部分を補う

70歳以上の方が医療保険に加入する必要性は現役世代に比べると低いですが、不要とは言い切れません。

なぜなら、公的医療保険制度ではカバーできない部分に備えられるためです。

例えば、入院時に個室等を希望したときにかかる差額ベッド代食費は公的医療保険制度の保障対象にはなりません。

また、先進医療を受けた際にかかる治療費も公的医療保険の保障の対象外です。

こうした費用を備えておきたい70歳以上の方は、貯蓄または民間の医療保険で備える必要があります。

公的制度で保障されない費用を準備しておきたい方は、民間の医療保険への加入を視野に入れましょう。

年金の受給額だけでは足りない可能性がある

年金の受給額だけでは足りない可能性がある

70歳以上の高齢者は年金支給だけで生活していかなくてはいけません。

総務省のデータによると老後に必要な生活費用は、独身者で約15万円、夫婦で約26万円と言われています。

家計調査年報(2021)

以下は、70歳以降の方が月にもらえる年金の平均額です。

年齢 厚生年金保険 国民年金
70歳〜74歳 57,127円 144,357円
75歳〜79歳 56,100円 148,293円
80歳〜84歳 56,607円 157,500円
85歳〜89歳 55,921円 161,541円
90歳以上 51,382円 160,460円

年齢別老齢年金平均年金月額

このデータを見ると年金だけで生活費をまかなうことも大変なのに、突然ケガや病気の費用が必要になると、家計がかなり厳しくなることが考えられますよね。

そのため、70歳以上の方も必要性はあるといえますので、ぜひ医療保険の加入や見直しの検討をなさってください。

高齢者や持病がある方も入りやすい医療保険の種類

高齢者や持病がある方も入りやすい医療保険の種類

70歳以上の高齢者はケガや病気で入院するリスクが高くなるため、民間の医療保険への加入が難しいケースがあります。

特に持病がある方過去に大きな病気にかかったことがある70歳以上の方は、契約できない可能性が高いです。

しかし、以下の2つの保険商品は70歳以上の高齢者や持病がある方でも加入しやすい保険です。

  • 引受基準緩和型医療保険
  • 無選択型医療保険

通常の医療保険で加入を断られた70歳以上の方は、上記2つの保険への加入を検討しましょう。

引受基準緩和型医療保険

引受基準緩和型医療保険

引受基準緩和型医療保険とは、契約時の告知項目が少ない保険です。

持病のある方や70歳以上の高齢者の方でも加入しやすいように、審査基準が比較的緩やかに設定されています。

引受基準緩和型は加入しやすいだけでなく、商品によっては持病が悪化した場合にも保障の対象になるケースがあります。

70歳以上の方の場合、現在抱えている持病が悪化するリスクにも備えることができて安心です。

ただし、通常の医療保険よりも保険料が割高に設定されています。

70歳以上の方は、年金による収入と家計のバランスを考えた上で加入を検討しましょう。

無選択型医療保険

無選択型医療保険

無選択型医療保険とは、加入時の告知がまったく必要ないタイプの医療保険です。

引受基準緩和型の医療保険で、加入を断られるような健康状態でも入れることが特徴です。

ただし、無選択型保険は給付金・保険金の額は低めに設定されており、病気にかかっても十分な保障を受けられない可能性があります。

また、引受基準緩和型よりも保険料が高めに設定されています。

通常の医療保険や引受基準緩和型保険にも加入できなかった方が、最後に契約を検討すべき保険が無選択型医療保険です。

70歳以上の方で無選択型への加入を検討される方は、受給できる給付金・保険金と保険料のバランスをしっかりと考えましょう。

70歳以上の方向け!保障内容の見直し方のポイント

70歳以上の方向け!保障内容の見直し方のポイント

70歳以上の高齢者の方が医療保険を見直す際は、以下の3つのポイントに注意しましょう。

  1. 支払い保険料と家計への負担のバランスを考える
  2. 貯蓄の状況を踏まえて加入を検討する
  3. 長期入院に備えられる商品を選ぶ

各ポイントをしっかりとチェックし、自分に合った保障内容を備えましょう。

支払い保険料と家計への負担のバランスを考える

支払い保険料と家計への負担のバランスを考える

70歳以上の高齢になってから医療保険に加入すると、ケガや病気のリスクが高まる分だけ保険料も高くなります。

引受基準緩和型や無選択型保険はより保険料は高くなるため、家計に負担がかからない範囲で見直しましょう。

特に、定期的に更新が行われるタイプの「定期医療保険」の場合、更新の度に保険料が高くなっていきます。

これまでは問題なく保険料を支払えていた方でも、更新によって保険料の負担で苦しくなってしまう可能性があるため注意が必要です。

一方で「終身医療保険」の場合、保険料は加入時から変わらずに継続されます。

若いうちに安い保険料で終身医療保険に加入していた方は、継続して契約することをおすすめします。

貯蓄の状況を踏まえて加入を検討する

貯蓄の状況を踏まえて加入を検討する

民間の医療保険は、公的制度で保障されない費用を備えることを目的に加入する商品です。

そのため、70歳以上の方の中でも公的制度でカバーできない費用を貯蓄で十分に賄える場合は、民間の医療保険は必要性が低いと言えます。

一方で、十分な貯蓄がない場合や貯蓄が減ることを心配している場合には、70歳以上の方も民間の医療保険で備える必要があります。

「万が一の入院・手術によるリスクに備えられる貯蓄があるか」という点を基準にして、加入すべきか検討しましょう。

長期入院に備えられる商品を選ぶ

長期入院に備えられる商品を選ぶ

近年、ケガや病気による入院日数は短期化してきています。

各保険会社が提供している医療保険も、短期入院日帰り入院に対応した商品が増えてきています。

しかし、70歳以上の高齢者の方はケガや病気による入院が長期化しやすい傾向が強いです。

そのため、70歳以上の方は長期入院にしっかりと備えられる商品を選ぶことをおすすめします。

できるだけ入院保障を手厚く受けられる商品を選びましょう。

おすすめ医療保険3選!

おすすめ医療保険3選

70歳以上の高齢者の方が加入しやすいおすすめの医療保険として、以下の3つが挙げられます。

  1. チューリッヒ生命:終身医療保険プレミアムZワイド
  2. アクサダイレクト生命:アクサダイレクトのはいりやすい医療
  3. オリックス生命:医療保険キュア・サポート・プラス

各商品の特長を比較し、自分に合った医療保険を選びましょう。

チューリッヒ生命:終身医療保険プレミアムZワイド

チューリッヒ生命:終身医療保険プレミアムZワイド

終身医療保険プレミアムZワイド」は、チューリッヒ生命が提供する終身型の医療保険。

健康に不安がある方や持病・病歴がある方でも入りやすいため、70歳以上の高齢者の方も契約しやすい商品です。

終身医療保険プレミアムZワイドは、簡単な3つの告知項目に回答できれば申し込むことができます。

持病の悪化や既往歴の再発もしっかりと保障されるため、病歴がある70歳以上の高齢者の方も安心です。

健康に不安がある70歳以上の高齢者の方は、チューリッヒ生命の「終身医療保険プレミアムZワイド」がおすすめ。

アクサダイレクト生命:アクサダイレクトのはいりやすい医療

アクサダイレクト生命:アクサダイレクトのはいりやすい医療

アクサダイレクトのはいりやすい医療」は、アクサダイレクト生命が提供する引受基準緩和型の医療保険です。

持病や入院歴があっても加入しやすい保険で、3つの質問に答えるだけで申し込めるかどうか確認できます。

病気やケガによる入院や日帰り手術を一生涯にわたってカバーできるため、安心してリスクに備えられます。

ネットから申し込める医療保険なので、引受基準緩和型保険であっても手頃な保険料で入れる保険商品。

70歳以上で保険料の負担を抑えたい方は、アクサダイレクト生命の「アクサダイレクトのはいりやすい医療」がおすすめです。

オリックス生命:医療保険キュア・サポート・プラス

オリックス生命:医療保険キュア・サポート・プラス

医療保険キュア・サポート・プラス」は、オリックス生命が提供する引受基準緩和型医療保険です。

持病や入院・手術歴があっても加入しやすく、加入前にかかっていた病気が悪化した場合も保障の対象となります。

オリックス生命の医療保険は、七大生活習慣病に手厚く備えられることが特長です。

さらに「介護・認知症サポートサービス」や「糖尿病専門サポートサービス」など、加入者限定で無料で利用できるサービスも充実しています。

70歳以上の七大生活習慣病に手厚く備えたい方や無料のサービスを利用したい方は、オリックス生命の「医療保険キュア・サポート・プラス」がおすすめです。

まとめ

まとめ

70歳以上になると公的医療保険制度が更に手厚くなり、医療費の自己負担割合が引き下げられます。

一見、公的医療保険の制度だけで十分に感じますが、公的制度でカバーできない部分が存在したり、年金だけでは突然のケガ・病気に備えられない可能性があるのです。

近年寿命が長くなっていますし、70歳以上の方に民間医療保険で万が一の場合に備える必要性は低いとは一概に言えません。

民間の医療保険に加入すべきか検討する際は、公的制度の内容を踏まえておきましょう。

また、引受基準緩和型や無選択型の医療保険は、70歳以上の高齢者や持病がある方でも加入しやすいことが特徴です。

本記事でご紹介した見直しのポイントや医療保険商品を参考に、70歳以上の方はご自身に合った医療保険を選びましょう。

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