妊娠・出産に向けて、どれくらいの費用を準備しておけば良いのか不安に感じている方も多いでしょう。
特に、帝王切開での出産については「いくら費用がかかる?」「医療保険で保障される?」などの点が気になるところです。
本記事では、妊娠・出産に関する医療保険について以下の3点を解説します。
- 妊娠・出産にかかる費用相場
- 帝王切開は公的医療保険の対象になるか
- 民間医療保険で備えられるか
帝王切開での出産を予定している方や、妊娠・出産に向けて医療保障を備えたいと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
妊娠・出産にかかる費用相場
公益財団法人国民健康保険中央会が公表している「出産費用(平成28年度)」によると、正常分娩の出産費用の平均値と中央値は以下の表の通りです。
平均値 | 505,759円 |
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中央値 | 493,400円 |
関連:公益財団法人国民健康保険中央会「出産費用(平成28年度)」
一般的に、自然分娩で出産した場合にかかる費用は平均で50万円前後です。
帝王切開で出産する場合、手術や検査、入院などの費用が上乗せされるため、自然分娩時の金額よりも10万円ほど高くなります。
帝王切開での出産は公的医療保険の対象になる?
妊娠や出産、帝王切開にかかる費用は公的医療保険の保障対象になるのでしょうか。
ここでは、自然分娩の場合と帝王切開などの異常分娩の場合に分け、公的医療保険の対象になるのかどうか解説していきます。
自然分娩の場合
母子が健康な状態である自然分娩の場合、病気ではないため公的医療保険の対象にはなりません。
そのため、出産にかかった費用を全額自己負担しなければならない点に注意が必要です。
ただし、自然分娩による出産後に容態が急変して治療行為などが行われた場合は、治療行為にかかる部分は公的医療保険が適用されます。
異常分娩の場合
帝王切開などの異常分娩の場合、公的医療保険が適用されます。
そのため、手術や検査、入院にかかる費用は自己負担割合が3割となります。
ただし、入院時に個室を希望した場合の差額ベッド代や食費などは公的医療保険の対象になりません。
帝王切開以外の入院・手術の場合も、差額ベッド代等が全額自己負担になるため注意が必要です。
また、帝王切開などの異常分娩は「高額療養費制度」の対象でもあります。
1ヶ月の自己負担額が一定額を超えると、超えた部分が払い戻されます。
出産時に給付されるお金
出産時に給付されるお金には「出産育児一時金」と「出産手当金」の2種類があります。
出産育児一時金は、子ども1人の出産につき42万円(産科医療補償制度の対象でない場合は40.4万円)が支給される制度です。
公的医療保険制度に加入している人が出産したときに受け取ることができ、配偶者の扶養に入っている場合も支給されます。
出産手当金は、出産のために会社を休む場合に支給されるお金です。
会社の健康保険に加入していることが支給の条件であり、国民健康保険の加入者や配偶者の扶養に入っている人は出産手当金の対象外です。
帝王切開による出産は民間医療保険で備えられる?
妊娠や出産、帝王切開などの費用は、民間の医療保険で備えることができるのでしょうか。
ここでも、自然分娩と帝王切開などの異常分娩の場合に分けて解説していきます。
自然分娩はほとんどが保障の対象外
民間の医療保険の場合であっても、自然分娩はほとんどが保障の対象外となります。
入院給付金や手術給付金などを受け取ることができないため注意が必要です。
しかし、出産育児一時金や出産手当金は分娩の種類にかかわらず支給されます。
自然分娩にかかる費用の平均がおよそ50万円で、出産育児一金が42万円支給されるため、費用のほとんどはカバーできます。
異常分娩は保障される
帝王切開などの異常分娩の場合、民間の医療保険も保障の対象となります。
入院給付金や手術給付金などを受け取ることができるため、緊急で帝王切開を行うことになっても安心です。
厚生労働省の「令和2(2020)年医療施設(静態・動態)調査(確定数)・病院報告の概況」では、分娩に占める帝王切開の割合が発表されています。
令和2年の分娩に占める帝王切開の割合は27.4%であり、帝王切開の割合は右肩上がりに増えてきています。
増加傾向にある帝王切開に備えるためにも、民間の医療保険の入院給付金や手術給付金で備えることを視野に入れましょう。
女性向けの医療保険がおすすめ
民間の医療保険で妊娠・出産に備えるのであれば、女性向けの医療保険への加入がおすすめです。
女性向けの医療保険とは、女性特有の病気を手厚く保障する医療保険です。
女性向け医療保険では通常の病気に対する保障に加え、乳がんや子宮がん、帝王切開による出産などの女性特有のリスクに対して保障を上乗せします。
通常の医療保険では保障の対象外になる病気を保障対象としているケースもあり、女性の方が安心して加入できる保険です。
また、特約として女性に必要な保障を上乗せできる医療保険もあります。
帝王切開による出産のリスクに備えておきたい方は、女性向け医療保険の加入を視野に入れましょう。
妊娠・出産の保障はなるべく早めに備えておこう
民間の医療保険で妊娠・出産のリスクに備えたいと考えている場合、なるべく早めに備えることをおすすめします。
なぜなら、妊娠してから医療保険に加入しようと思っても加入できない可能性があるためです。
妊娠中の場合、妊娠していない人に比べてリスクが高いと保険会社は判断するため、契約時の審査が厳しくなります。
保険自体には加入できても、帝王切開が保障の対象外になる可能性があります。
また、一度帝王切開で出産している場合、再び妊娠したときに帝王切開になる可能性があると判断されます。
帝王切開での妊娠を経験している方は、医療保険に加入しても帝王切開が給付金の対象外になる可能性が高いです。
今後の妊娠・出産のリスクに備えたいと考えている方は、入れるうちに医療保険に加入しましょう。
このように医療保険の新規加入や見直しをされるのでしたらぜひおすすめしたいのが、保険代理店である保険のぷろサービスです。
保険のぷろでは経験豊富な弊社のファイナンシャルプランナーによる無料相談を承っています。
相談は何度でも無料で、お客様に最適な保険プランの提案をいたします。
記事まとめ
自然分娩による出産の場合、公的医療保険や民間の医療保険の保障対象にはなりません。
しかし、出産育児一時金や出産手当金は分娩の種類にかかわらず給付されるため、出産にかかる費用のほとんどはカバーできます。
また、帝王切開などの異常分娩の場合は、自然分娩よりも手術や検査、入院によってお金がかかる可能性が高いものの、公的医療保険や民間の医療保険の保障対象になっています。
女性向けの医療保険などを活用しながら、できる限り早めに医療保険に加入しましょう。