医療保険は、ケガや病気で入院・手術をした際に給付金がもらえる仕組みの保険です。
各生命保険会社がさまざまな医療保険を販売しているため、どの保険を選べば良いか悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では、医療保険の選び方について以下のポイントを解説します。
- 医療保険の選び方とは
- 年代によって選び方は異なる
- 必要な特約を上乗せしよう
- 医療保険に加入する際のポイント
「医療保険に加入したい」「選び方を知りたい」という方は、ぜひ本記事を参考に医療保険を選んでいきましょう。
医療保険の選び方とは?
各生命保険会社から販売されている医療保険のなかから自分に合った商品を選ぶためには、しっかりとポイントを押さえることが大切です。
ここでは、医療保険の選び方について解説していきます。
まずは保険期間を決める
医療保険には一定期間が保障される「定期タイプ」と、保障が生涯にわたって続く「終身タイプ」の2種類があります。
まずは定期タイプと終身タイプのどちらを選ぶかを考えましょう。
定期タイプは5年・10年などの期間が保障され、比較的割安な保険料で保障を得られるという特徴があります。
保険期間が終わったタイミングで更新をすれば同じ保障が継続されますが、更新時の年齢で保険料が再計算されるため、それまでよりも保険料が高くなる点に注意が必要です。
一方の終身タイプは保障が生涯にわたって継続し、保険料も加入時点から変わらないことが特徴です。
ただし、定期タイプに比べて保険料が割高となる点には注意しましょう。
一定期間の保障を手厚くしたい人は定期タイプ、一生涯保障される安心感を得たい人は終身タイプがおすすめです。
保険料の払込期間を考える
医療保険によっては、保障が受けられる「保険期間」と保険料を支払う「払込期間」が異なる場合があります。
ご自身のライフプランに合わせて、保険料の払込期間を決めていきましょう。
例えば終身タイプの医療保険に加入する場合、保険料を一生涯払い続ける払込方法と、60歳や65歳など払込期間を決めて保険料を払い終える方法があります。
一生涯払い続ける方法の場合、1回あたりの保険料負担が小さくなるというメリットがあります。
一方で先に保険料を払い終える方法の場合、老後に保険料を負担しなくて済むという点がメリットです。
どちらが自分のライフプランに合っているかを考え、払込期間を設定しましょう。
保障内容を決める
保険期間と保険料払込期間が決まったら、保障内容について考えていきましょう。
ケガや病気に備えてどういった保障を準備しておくのかをじっくりと考えることが大切です。
医療保険の保障内容は「入院給付金」と「手術給付金」が基本となります。
2つの給付金の選び方について確認しておきましょう。
入院給付金
入院給付金とは、ケガや病気で入院した際に入院日数に応じて受け取れる給付金です。
あらかじめ設定した「入院給付日額」に入院日数を掛けることで、給付金額が算出できます。
例えば、入院給付日額を1万円に設定して7日間入院した場合、「1万円×7日間=7万円」が給付金額です。
多くの医療保険では、入院給付日額が5,000円または1万円で設定されています。
入院給付日額が高くなるほど保険料の負担も大きくなるため、必要な保障と支払い保険料のバランスをしっかりと考えましょう。
手術給付金
手術給付金とは、入院中にケガや病気の治療のために手術をした際、受け取れる給付金です。
近年では、入院せずに手術をした場合に給付される医療保険も増えてきています。
手術給付金は基本的に「入院給付日額」を基準にしており、倍率に応じて給付金がもらえる仕組みです。
例えば入院給付日額が1万円で手術給付金の倍率が20倍であれば、1回の手術で20万円の手術給付金がもらえます。
手術給付金の倍率は手術の種類によって変わったり、一律で決められていたりと、商品によって異なります。
自分のニーズに合った商品を選び、手術給付金の倍率を設定しましょう。
年代によって選び方は異なる
ここまで、基本的な医療保険の選び方について解説してきました。
しかし、医療保険は年代によって必要性が異なるため、選び方も年代に応じて変化していきます。
次に、各年代の医療保険の選び方について確認していきましょう。
20代の場合
20代は働き始めたばかりであるため、あまり収入が高くないケースが多いです。
また、病気やケガによる入院・手術のリスクも比較的低いため、保険料をなるべく抑えて必要最低限の保障を準備しておきましょう。
なかには「若いうちには医療保険は必要ない」と考えている方もいるかもしれません。
しかし、十分に貯蓄がない20代のタイミングでまとまった医療費を準備するのは難しいため、最低限の医療保障は備えておくべきと言えるでしょう。
また、若いタイミングであれば安い保険料で加入できるチャンスでもあるため、早めに医療保険に加入しておくというのもひとつの考え方としておすすめです。
30代の場合
30代になると結婚や出産などのライフイベントを迎える人が増え、20代とは医療保険の選び方が変わってきます。
ケガや病気で働けない期間があると家族の生活に支障をきたす場合があるため、十分な医療保障を備えておくことが大切です。
例えば、住居の購入などで支出が多い場合、ケガや病気による収入減少は大きなリスクとなります。
貯蓄と医療保険のバランスを考えながら、必要な保障を確保しておきましょう。
40代の場合
40代になると、これまで以上にケガや病気で入院するリスクが高まっていきます。
がんや脳卒中などの三大疾病のリスクもあるため、特約などを活用して十分な医療保障を備えておくことが大切です。
特に40代となると、子どもの進学等で出費は増えていきます。
今後迎えるライフイベントと支出をイメージし、必要な保障をしっかりと備えておきましょう。
50代以上の場合
50代〜60代になると、昔加入した医療保険が現代の医療事情に適応しなくなっている可能性があります。
保障内容をしっかりと見直し、今後想定されるリスクに備えられるかを考えていきましょう。
例えば、近年では医療技術が進歩したことで、入院日数は減少傾向にあります。
通院のみで治療するケースも増えているため、入院保障だけでなく通院保障も充実させておくことが大切です。
また、50代以上になると子どもが独立し始める時期でもあるため、保障を減らして保険料の負担を抑えることを考えても良いでしょう。
加入中の医療保険が現状に適しているかどうかをしっかりと見直すことをおすすめします。
必要な特約を上乗せしよう
医療保険の保障内容は「入院給付金」と「手術給付金」の2つが基本となります。
しかし、任意加入の特約を追加することで部分的に保障を手厚くすることができるため、自分に必要な特約も視野に入れることが大切です。
ここでは、医療保険の特約について解説します。
先進医療特約
先進医療特約とは、厚生労働大臣が定める高度な医療技術による治療を行なった場合に、給付金がもらえる特約のことです。
月々100円程度で高額になりやすい先進医療にかかる費用が保障されます。
先進医療は公的医療保険制度の対象外であるため、先進医療にかかる費用は全額自己負担となります。
数百万円から数千万円の治療費となるケースもあるため、先進医療特約で備えておくと安心です。
がん・特定疾病を保障する特約
医療保険の特約のなかには、がんや三大疾病に対する保障を手厚くする特約もあります。
がんと診断された場合にもらえる「がん診断給付金」や、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)の治療で入院した際にもらえる「三大疾病入院一時金」など、さまざまな特約が用意されています。
特にがんは、日本人の2人に1人がかかると言われている病気です。
若い人でも十分に発症するリスクがある病気であるため、不安な方はがん保障の特約も契約しておくことをおすすめします。
女性特有の疾病を保障する特約
女性特有の病気にかかった場合に保障が上乗せされる特約も設けられています。
各生命保険会社で女性向けのプランが用意されているため、女性特有の病気に備えておきたい方は自分に合った商品を選びましょう。
女性特有の病気としては、乳がんや子宮がん、妊娠・分娩の合併症などがあります。
こうした病気で入院する場合、プライバシーを守るために個室を選びたい方が多いため、手厚い保障が得られる女性向け特約があると安心です。
今後妊娠や出産を希望しているのであれば、早めに女性向けの特約を準備しておくことも視野に入れておきましょう。
医療保険に加入する際のポイント
医療保険に加入する際、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
- 公的保障の内容を踏まえて選ぶ
- 年齢とともにケガや病気のリスクは高まる
- 定期的な見直しが必要
それぞれのポイントについて解説します。
公的保障の内容を踏まえて選ぶ
民間の医療保険に加入する際、まずは公的保障の内容を見直すことが大切です。
公的保障を考慮せずに医療保険に入ってしまうと、無駄に保険料を払ってしまうリスクがあるため注意が必要です。
日本では「国民皆保険制度」が採用されており、すべての国民が公的医療保険制度を利用することができます。
医療費の自己負担は原則として3割(高齢者は2割または1割)となり、自己負担額が一定以上になると払い戻される「高額療養費制度」もあります。
民間の医療保険は、あくまでも公的保障でカバーしきれない部分を補う目的で加入するものです。
まずは公的医療保険制度の内容をしっかりと理解し、過不足のない保険プランを考えましょう。
定期的な見直しが必要
医療保険や生命保険は、加入した後も定期的に見直しをしていきましょう。
なぜなら、ライフプランに応じて必要な保障内容が変化していくためです。
例えば子どもが生まれたのに、独身時代に契約した必要最低限の医療保険のままにしておくと、十分な保障が得られずに家族の生活に支障をきたす可能性があります。
また会社から独立した場合、これまでの健康保険や労災保険が利用できなくなるため、より手厚い保障が必要です。
「一度加入したらそのまま」ではなく、必要な保障を準備できているかを定期的に見直しましょう。
選び方で悩んだら保険相談窓口がおすすめ
医療保険の選び方や保険の見直しで悩んだら、保険相談窓口の利用がおすすめです。
保険のプロであるファイナンシャルプランナーが、あなたのライフプランに合った保険商品を提案してくれます。
例えば、結婚するタイミングで医療保険を契約したい場合、今後のライフプランを相談した上で適切な保険プランのアドバイスを受けられます。
また、保険料が高くて家計に負担を与えている場合、無駄な保険料を省くためのシンプルな保険提案を受けることもできます。
無料で保険相談に対応しており、相談だけの利用も可能です。
医療保険の選び方でお悩みの方は、ぜひ一度保険相談窓口を利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
医療保険を選ぶ際には、「保険期間」「保険料払込期間」「保障内容」をじっくりと検討することが大切です。
年代によっても選び方が変わってくるため、ライフステージに合わせた適切な医療保険を選びましょう。
また、医療保険の選び方にお悩みの方は、保険相談窓口の利用がおすすめです。
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保険だけでなく、資産運用などお金にまつわる様々なことも相談可能のため、保険の見直し以外にもぜひお気軽にご相談ください。