高齢化が進む日本では、公的介護保険制度の整備と合わせて民間介護保険の拡充が進められています。
民間介護保険は公的介護保険の不足部分を補う目的で販売されている保険商品で、保障内容に応じて様々なプランを組み合わせられるのが特徴です。
この記事では、民間介護保険の中でも「貯蓄型」と呼ばれる商品に着目し、詳しい分類やメリット・デメリットについて解説していきます。
貯蓄型介護保険とは
貯蓄型の介護保険は、介護保険に死亡保険や年金保険などがセットされているタイプの保険を指します。
積立型とも呼ばれるタイプで、介護に関する保障とともに万が一のリスクに備えておきたいという方におすすめ。
まずは、貯蓄型介護保険を取り扱っている主な保険会社を紹介していきます。
貯蓄型介護保険を取り扱っている会社一覧
貯蓄型介護保険を取り扱っている主な保険会社・プランは以下の通りです。
保険会社 | 保険商品 | 保障内容 |
ソニー生命 | 5年ごと利差配当付終身介護保障保険 | 介護一時金(1回のみ)/介護年金/死亡給付金 |
アクサ生命 | ユニット・リンク介護+ | 介護保険金/死亡保険金/高度障害保険金 |
三井住友海上あいおい生命 | &LIFE 終身保険 | 介護年金/死亡保険金/高度障害保険金 |
東京海上日動あんしん生命 | 長生き支援終身 | 介護保険金/死亡保険金/高度障害保険金/健康祝金 |
太陽生命 | MY介護Best | 介護年金/死亡給付金 |
掛け捨て型商品との違いは?
貯蓄性のある「貯蓄型介護保険」に対し、貯蓄性のない保険商品は「掛け捨て型介護保険」と呼ばれます。
こちらは介護保障を中心としたプランで、解約返戻金や満期保険金を抑えるまたは無しとすることにより、割安料金で加入できるのが特徴。
ただし、給付要件を満たしていない場合は保険料が掛け捨てとなってしまうため、別途死亡保険などに加入していない場合は注意が必要です。
受け取り方法や保険期間による分類
貯蓄型介護保険と一口に言っても、保険金の受け取り方法や保険期間の違いによって様々な商品があります。
続いて、貯蓄型介護保険の主な種類と違いについて詳しく見ていきましょう。
受け取り方法の違い
民間介護保険は現金給付が基本となりますが、その受取方法は保険商品によって「一時金」「年金」「一時金+年金」の3種類に分かれます。
一時金タイプ
介護一時金とは、介護保険制度に定める「要介護」の状態に認定された場合に支払われる保険金のことです。
自宅の改修費用や介護ベッドの購入費用など、まとまったお金が必要となるタイミングで受給できるのが特徴。
介護初期にかかる費用は高額となりやすいため、預貯金が十分でない場合には一時金を利用できる保険商品がおすすめです。
年金タイプ
介護年金も、一時金と同様「要介護」の状態に認定された場合に支払われる保険金を指します。
ただしこちらは一括での支払いではなく、年金方式で毎年受け取ることができるのが特徴です。
介護の長期化が予想される場合や、継続的な介護費用の支払いに不安のある方は年金タイプがおすすめです。
一時金+年金タイプ
貯蓄型介護保険の中には、一時金と年金の併用ができるタイプもあります。
介護初期の費用を一時金で賄い、その後の継続的な費用も年金で備えられる点がメリットです。
ただし、どちらか片方のプランと比べて保険料が高くなるため、保険料の負担が生活に影響するような場合は他のプランも検討してみると良いでしょう。
保険期間の違い
貯蓄型介護保険の保険期間には「終身型」と「定期型」の2種類があります。
終身型
終身型保険とは、生涯にわたって保障を受けられる保険商品のことです。
保険料の払い込みも生涯続くタイプと、60歳や65歳など一定の年齢までで完了するタイプがあります。
終身型の場合は、払い込み期間の途中で保険料が高くなる心配がないため、支払いの計画を立てやすいのが特徴。
一方、保険料が割高であったり、途中で保障内容の見直しを行うことが難しかったりするなどのデメリットもあります。
定期型
定期型保険とは、一定期間または一定年齢までの間で保障を受けられる保険商品のことです。
保険期間内で給付要件を満たした場合に給付金を受け取ることができます。
こちらは終身型と比較して保険料が安いというメリットがありますが、更新の際に少しずつ保険料が高くなっていくため注意が必要です。
定期的に保障内容を見直しながら加入を継続したい方におすすめと言えるでしょう。
貯蓄型介護保険に加入するメリット
貯蓄型介護保険を選択するメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
高度障害・死亡にも備えられる
貯蓄型介護保険の場合、介護保険だけでなく生命保険や年金保険がセットになっているものが多いです。
そのため、被保険者が要介護となった場合はもちろん、高度障害を患った場合や亡くなった場合にも保険金を受け取ることができます。
生活資金に流用できる
貯蓄型介護保険を途中で解約した場合、その時期に応じた解約返戻金の支給を受けられます。
100%ではないものの、あとから支払った保険料が戻ってくるため、貯金のような感覚で利用できる点がメリットです。
介護のための費用としてだけでなく、将来の生活費としても活用できるでしょう。
介護保障と合わせて、万が一のための保障・資金を準備しておきたいという方におすすめの保険です。
貯蓄型介護保険のデメリット
貯蓄型介護保険に加入する際の注意点には、以下のようなものが挙げられます。
保険料が割高
貯蓄型介護保険は、掛け捨てタイプの保険よりも支払う保険料が高くなりやすいというデメリットがあります。
ただし、解約時には返戻率に応じた払い戻しを受けられるため、長期的に見ると大きなデメリットにはならないと言えるでしょう。
貯蓄型の場合、介護医療保険料控除は使えない
貯蓄型介護保険に加入する場合は、介護医療保険料控除を利用できないという点に注意が必要です。
介護医療保険料控除は生命保険料控除の一種で、医療保険などが対象となります。
一方で、保険期間が5年未満の保険・傷害保険・貯蓄型保険などは控除の適用外となるため、貯蓄型介護保険も控除を利用することができません。
所得控除による節税対策として介護保険の加入を検討している方は注意しましょう。
おすすめの貯蓄型介護保険はこれ!
先に貯蓄型介護保険の一覧を示しましたが、中でもおすすめなのはアクサ生命の「ユニット・リンク介護+」。その理由は、他の介護保険と比較してアクサ生命のユニット・リンク介護+が資産形成に特化した商品だからです。
アクサ生命の「ユニット・リンク介護+」
アクサ生命のユニット・リンク介護+では、積立金という形で保険料の支払いを行います。この積立金をアクサ生命の金融プロが投資に使い、その投資実績に応じて保険金や解約時の返戻金(払い戻し金)の金額が決まるという仕組みです。
例えば、10年間で240万円積み立てたとして、アクサ生命の投資がうまくいった場合。仮に投資実績が6%だとすると、保険金は841万円。払い戻しを選択しても246万円と積み立てた金額を超えるリターンを得ることができます。
この保険金は要介護2以上に認定されたときや、死亡時・高度障害状態になったときに支払われるものです。つまり、上記の例では841万円の保障を受けながら同時に投資利益も発生している状態になります。
もちろん、投資実績が悪い場合は払い戻し金に影響が出ますが、保険金に関しては何の影響もありません。要するに、老後の資産形成のついでに介護や死亡時の保障を手に入れることができるのです。
若干ややこしい保険内容ではありますが、アクサ生命では各種金融資格を取得した専門スタッフが相談に乗ってくれるので、投資の素人で安心です。詳しくは公式ホームページなどで、パンフレットや相談窓口などがあるので、気になった方はぜひ公式ホームページを訪れてください。
まとめ
- 貯蓄型介護保険とは、生命保険や年金保険がセットになった貯蓄性のある介護保険のこと
- 受け取り方法や保険期間によって様々な種類があるため、ライフスタイルに合わせたプラン設計が必要
- 貯蓄型介護保険に加入しておくと、万が一の保障や生活資金の準備などに活用できる
貯蓄型介護保険は掛け捨てタイプの保険と比べ、幅広い保障を受けられるのが特徴です。
将来に向けた資金準備にも役立てられるので、FP(ファイナンシャルプランナー)などの専門家に相談しながら、最適な商品を選んでみてくださいね。