医療保険には告知義務というものがあることをご存知ですか?
新しい医療保険を契約する場合、健康状態の告知が必ず必要です。
正しく告知しなかった場合、告知義務違反とみなされ、ペナルティが課される可能性があります。
しかし、「どこまで告知すれば良いのだろう」と迷うこともあるでしょう。
そこで本記事では、医療保険への加入を考えている人に向けて、ポイントを押さえながら、告知義務について詳しく解説します。
どこまで告知すべきか、健康状態の告知に不安がある場合におすすめの医療保険を紹介します。
医療保険の告知義務とは
医療保険を契約する告知とき、自身の健康状態について事実に基づいて正確に生命保険会社に状況を伝える必要があります。
しかし、どうして告知義務というものが存在するのか、どのような場合に告知義務違反とみなされるのか判断できないという人もいるでしょう。
そこで、この章では医療保険の契約時に告知義務違反に該当するケースや告知義務違反になった場合に考えられるリスクについて、詳しく解説します。
告知が必要な理由
医療保険の告知義務とは、現在の健康状態や過去に患った病気、職業などを保険会社に対して申告することです。
以前から抱えている持病も、医療保険に加入するときに告知義務として伝える必要があります。
また、告知の内容に虚偽があると、告知義務違反に該当するため注意が注意が必要です。
なぜなら、医療保険をはじめとする生命保険は、相互扶助の仕組みで成り立っているからです。
支払事由が生じた場合に保険会社から加入者に対して渡される保険金は、加入者全員が支払う保険料がもとになっています。
そのため、もし保険会社が健康状態に不安がある加入者と医療保険の契約を結ぶと、その人ばかりが保険金を受け取る不平等が発生する可能性があるのです。
したがって、医療保険を契約するときの告知は、内緒にせず、正確に生命保険会社に伝える必要があります。
告知義務違反になるケース
医療保険の契約時によくある告知義務違反となるケースは、以下の通りです。
- 既往歴や過去の治療を正確に告知しなかった場合
- 手術・入院したことがある旨を告知しなった場合
- 手術・入院した期間を正確に告知しなかった場合
- 服用している薬について告知しなかった場合 など
意図的に告知義務に違反するのは言語同断ですが、注意すべきなのはどこまで告知すれば良いか分からない場合。
どこまで告知すればいいのかわからない場合でも、生命保険会社に正確に伝えなかったことで告知義務違反に該当するのです。
このような告知義務違反になってしまうケースを未然に防ぐためにも、医療保険を契約する2~5年以内に受けた人間ドッグや健康診断などの結果を準備しておくことをおすすめします。
特に告知するようなことがなくても、契約書の記入事項を埋めやすくなるので手元に用意しておくと安心です。
もし、告知について分からないことや告知義務違反に該当するか不安な点がある場合は、生命保険会社の担当者と相談しながら契約書を作成するようにしましょう。
違反時のリスク
医療保険で告知義務違反とみなされると、契約・特約を解除される恐れがあるため注意が必要です。
生命保険会社によっては、保険料の払い込み免除が適用されなかったり、すでに支払った保険金の返還を要求されたりする場合もあります。
また、契約が解除されると、支払い事由が発生した場合でも保険会社から保険金が支払われることはありません。
告知義務違反とされてしまうと、必要な保障を得るために加入した医療保険が意味をなさなくなります。
ただし、医療保険の加入期間が長く、解約返戻金(払戻金)がある場合は、生命保険会社から契約者に対してお金が支払われる仕組みになっています。
医療保険加入時の告知内容はどこまで必要?
ここまでは医療保険を契約する場合には健康状態などの告知義務があり、告知義務違反になるとペナルティがあることを解説しました。
それでは、医療保険の告知義務として提供しなくてはいけないのはどこまでなのでしょうか。
どこまで告知する必要があるのかなどの具体的な告知義務の内容は、加入する医療保険によって異なります。
医療保険加入前に告知義務として必要な情報や書類を用意するためにも、この章では一般的にどこまで準備しなくてはいけないのか、まとめて紹介します。
医療保険の契約にどこまで告知義務とされているのか気になる方は、ぜひ参考にしてください。
身長と体重(BMI)
告知義務とされている事項1つ目は、身長と体重(BMI)です。
BMIとは、ボディー・マス・インデックスのことで、肥満度をチェックできる体格指数のこと。
BMIは、医療保険の被保険者の身長と体重をもとに算出されます。
成人においては、BMIが国際的な指標として用いられることが多くなっているのです(子どもはBMIではなく、別指数を使用する)。
人間が健康を維持するためにはこのBMIが重要になると考えられており、数値で「やせすぎ」「太りすぎ」と判断された場合、希望している医療保険に加入できない恐れがあります。
現在の健康状態
告知義務とされている事項2つ目は、現在の健康状態です。
現在の健康状態についての質問でよくあるのは「過去3ヵ月以内に医師による診察・検査・治療・投薬のいずれかを受けたことがあるか」。
その他、服用中の薬などについても告知義務があります。
病気やケガなどの治療中・入院中の場合は、その旨も医療保険を契約する生命保険会社にきちんと伝えましょう。
健康診断・人間ドッグ・がん検診等の結果
告知義務とされている事項3つ目は、健康診断・人間ドッグ・がん検診等の結果です。
医療保険に加入するまでに、健康診断や人間ドッグ、がん検診などで医師から何らかの指摘を受けた場合は、告知義務があります。
「要治療」だけでなく、「要再検査」「経過観察」「要精密調査」であっても医療保険の告知義務が発生しますので、担当者に伝えることを忘れないでください。
既往歴
告知義務とされている事項4つ目は、既往歴です。
既往歴とは、過去に患った病気や手術などの診療の記録を指します。
大きな病気・ケガだけでなく、アレルギーや交通事故、副作用なども既往歴に含まれることに気を付けてください。
契約する医療保険によって既往歴の対象期間がどこまでとされているかは異なりますが、過去5年間を告知義務の期間とされることが多いです。
障害の有無
告知義務とされている事項5つ目は、障害の有無。
聴力や視力、言語、咀嚼機能などの障害の有無も告知義務があります。
手や足などの体に欠損や変形、障害がないかも生命保険会社に伝えなければいけません。
勤務先名・業種・仕事内容
告知義務とされている事項6つ目は、勤務先名・業種・仕事内容です。
先に少し触れましたが、医療保険の告知では健康状態など身体に関することだけでなく、仕事に関する情報も告知義務があります。
なぜなら、危険度の高い職業についている人が医療保険に無条件で加入すると、他の加入者との公平性が保てないからです。
一般的に、以下のような職業は保険の加入が難しいとされています。
- 潜水士
- 娯楽業
- 猛獣取扱者
- スタントマン
- テストパイロット
- テストドライバー など
また、次の職業は医療保険に加入する際に、保障額を制限される場合が多くなっているため、あわせて確認しておきましょう。
- ボクサー
- プロレスラー
- 競艇選手
- 建設業
- 漁業
- 水上運輸業
- 工業 など
生命保険会社によって、職業による医療保険の加入・保障の制限や職業の危険度の高さがどこまでかなど基準が異なります。
危険度が職業に就いている場合は、告知義務違反とされる前に、一度生命保険会社に確認することをおすすめします。
他社の保険加入状況
告知義務とされている事項7つ目は、他社の保険加入状況。
生命保険会社によっては、医療保険の契約時に他社での加入状況を告知義務としている場合もあります。
どこまでの情報を告知すべきか判断しにくい場合は、その都度確認するようにしましょう。
なお、他社で加入している保険の内容をあまりよく把握していない場合は、保険証券や約款などを確認しながら正確な情報を伝えることが大切です。
故意でなくとも結果的に嘘の情報を伝えてしまったことで、告知義務違反と判断される恐れもあるため十分注意してください。
※妊娠の有無(女性のみ)
女性の場合、医療保険の加入時は妊娠の有無も告知義務の一つ。
これは、妊娠中の女性は体に大きな負担がかかっており、急に体調を崩したり、手術が必要になったりする可能性があるからです。
通常分娩であれば、医療保険に加入していても保険金は支払われませんが、帝王切開などで出産する場合は保障対象になることもこの理由です。
ちなみに、妊娠している場合は妊娠週数の告知義務がありますので、医療保険の加入時は母子手帳などを手元に置いておくと良いでしょう。
生命保険契約時には健康状態の調査あり!どこまで調べられる?
前述の通り、医療保険などの生命保険に加入する場合は、あらかじめ健康状態などの告知義務があります。
健康状態などに不安がある人の中には「どこまで調査されるのか」「どのような調査が行われるのか」と気になる人も多いでしょう。
この章では、医療保険の契約時に実施される健康状態などの調査方法について詳しく解説します。
調査方法
医療保険における健康状態の調査は、生命保険会社の委託先の会社が実施します。
健康状態の調査を委託された会社は、医療保険の加入希望者が利用したことがある医療機関に対して治療内容の確認を行う仕組みになっています。
場合によりますが、医療保険の加入希望者と確認会社の担当者とで面談が設けられることもあるでしょう。
どこまでの治療を受けたかなど、具体的な内容を把握するための聞き取り調査が実施される流れです。
調査結果は担当者から聞かされる
健康状態の調査は生命保険会社が委託した会社によって行われますが、最終的な調査結果は生命保険会社の担当者から聞かされることが多いです。
なお、調査内容や調査期間は医療保険の加入希望者が受けた治療などによって異なるため、詳細は生命保険会社に問い合わせることをおすすめします。
不安な方にはこんな保険がおすすめ!
ここまで、医療保険を契約する際にどこまで告知すべきか解説してきましたが、健康状態などに不安がある人もいるでしょう。
この場合は、告知内容に自信がない人でも入りやすい医療保険を選択する方法があります。
この章では、比較的加入しやすいとされる引受基準緩和型(限定告知型)保険と無選択型保険の特徴について詳しく見ていきます。
引受基準緩和型(限定告知型)保険
引受基準緩和型保険は、通常の医療保険と比較した場合に告知項目が少ない特徴があります。
限定告知型保険と呼ばれることもあり、この医療保険を取り扱う生命保険会社が増えてきている状況です。
引受基準緩和型保険の告知内容例としては、以下の通りです。
- 過去3カ月以内に入院や手術、検査を勧められましたか
- 過去2年以内に入院しましたか
- 過去5年以内に肝硬変やがん、慢性肝炎で医師から指導を受けましたか
上記はあくまでも例であるため、どこまで告知義務とされているのか具体的な内容は生命保険会社に確認してください。
なお、引受基準緩和型保険は健康状態などに不安がある人でも加入しやすい医療保険です.
その反面、保険料が割高に設定されていることが多いです。
また、通常の医療保険よりも保障内容が制限されるケースも多いため、契約前にどこまで告知するべきなのか、きちんと確認する必要があります。
無選択型保険
無選択型保険は、そもそも告知が不要である医療保険です。
「どこまで告知すれば良いのか」と悩む必要なく、誰でも加入できるのが特徴。
ただし、通常の医療保険はもとより、前述の引受基準緩和型保険よりもかなり保険料が高めになっています。
医療保険の加入によって得られる保障も制限されるため、告知内容に不安がある人は無選択型保険がおすすめとはいいがたいです。
とはいえ、過去に大きな病気を患ったり、持病を持っていたりする場合は、無選択型保険に加入して保障を得るのも1つの方法と言えます。
最初に無選択型保険への加入を検討するのではなく、まずは通常の医療保険、難しければ引受基準緩和型保険、それでも契約できなければ無選択型保険、という流れで検討すると良いでしょう。
まとめ:正しく告知義務を果たそう
医療保険を契約する際は、健康状態や職業などを正確に伝える告知義務があります。
これは、他の保険加入者との契約の公平性を保つために行われます。
うっかり告知義務違反をしてしまった場合、契約した医療保険の保障が適用されなかったり、保険契約自体を解除されたりするリスクがあるため注意が必要です。
医療保険の告知内容に対して「どこまで調査されるのだろう」と不安を抱えている場合は、引受基準緩和型保険や無選択型保険への加入を考えると良いでしょう。
ご自身の状況や病歴に関して不安がある方は、保険のぷろを活用してみることをおすすめします。
実績のあるファイナンシャルプランナーが、丁寧なカウンセリングを行い無料相談にてあなたに最適な保険プランのご提案をいたします。
強引な勧誘は一切行われないので、安心して相談することが可能です。
全国どこでもファイナンシャルプランナーが伺いますので、少しでも興味のある方はお気軽にご相談ください。