医療保険には、掛け捨て型と貯蓄型があるのをご存知でしょうか。
同じ医療保険でも、掛け捨て型か貯蓄型かによって、保険料が異なります。したがって、掛け捨て型と貯蓄型の違いをふまえて医療保険を検討することが大切です。
この記事では、掛け捨て型医療保険の特徴や、貯蓄型との違い、メリット・デメリットを解説します。
さらに、掛け捨て型医療保険の選び方やおすすめの商品もご紹介。ぴったりの医療保険を選びたい方は、是非参考にしてみてください。
医療保険「掛け捨て型」と「貯蓄型」の違い
医療保険を検討する際、掛け捨て型か貯蓄型かのどっちを選べば良いのかわからない方も多いでしょう。
掛け捨て型と貯蓄型の違いを理解し、比較して検討することでぴったりの医療保険を選べます。そこで掛け捨て型と貯蓄型の医療保険について、特徴を解説します。
掛け捨て型医療保険とは
掛け捨て型医療保険とは、払い込んだ保険料が戻らない医療保険のこと。
解約返戻金や満期保険金がないため、病気・けがで入院や手術をしない限り、保険料は払いっぱなし(掛け捨て)となります。
貯蓄型医療保険とは
貯蓄型医療保険とは保障性と貯蓄性を兼ね備えた医療保険です。貯蓄型医療保険には、以下の通り様々なタイプがあります。
- 一定期間(数年)ごとに、数万円程度の祝い金を受け取れる
- 一定期間加入すると、払込保険料に相当する金額を受け取れる
- 解約返戻金を受け取れる
- 満期まで加入すると、満期保険金を受け取れる
入院や手術のリスクに備えると同時に、積立てもできるのが貯蓄型医療保険の魅力です。
ただし貯蓄型医療保険の場合、保険料が高額になるケースがほとんど。なぜなら、貯蓄型医療保険では、保障に加えて貯蓄部分の保険料を支払う必要があるからです。
また解約するタイミングによっては、解約返戻金が払込保険料の総額を下回る恐れも。そのうえ、病気やけがで入院し、入院給付金を受け取った場合は、解約返戻金や満期保険金から給付金額が控除されます。
貯蓄型医療保険に加入する際は、注意点を理解したうえで加入することが大切です。
掛け捨て型のメリット・デメリット
掛け捨て型の医療保険には、メリットだけではなく、デメリットもあります。メリットやデメリットを理解し、納得したうえで掛け捨て型医療保険を選択してください。
メリット:比較的安い保険料で病気やけがのリスクに備えられる
掛け捨て型医療保険のメリットは、比較的安い保険料で万が一の事態に備えられることです。
十分な収入や貯蓄がない方や、養育費や住宅ローンなどの出費が多い方にとって、病気・けがで入院した場合の家計への影響は絶大。
そこで、独身・既婚や、男性・女性を問わず、早めに医療保険に加入し、病気やけがのリスクに備えておくことが大切です。とはいえ、高額な保険料を支払うと、かえって家計が苦しくなってしまう恐れも。
したがって、比較的安い保険料で病気やけがのリスクに備えられる掛け捨て型医療保険は、大きな魅力となるでしょう。
メリット:保障の見直しがしやすい
貯蓄型医療保険と比較して保障の見直しがしやすい点も、掛け捨て型医療保険のメリット。
医療保険は、結婚や出産などのライフステージの変化に伴い保障を見直す必要があります。
貯蓄型医療保険の場合、保障の見直しが必要になっても、安易に解約できません。
なぜなら一定期間、貯蓄型医療保険に加入しなければ、解約返戻金が払込保険料を下回る可能性があるからです。
加入後すぐに貯蓄型医療保険を加入すると、貯蓄のために積み立てた保険料が無駄になってしまう恐れも。その点掛け捨て型医療保険は、解約返戻金がありません。
必要に応じて解約し、より魅力的な掛け捨て型医療保険に加入し直すことも可能です。
※むやみに掛け捨て型医療保険を解約することはおすすめしません。なぜなら、掛け捨て型医療保険に新規加入すると、保険料が高くなる可能性が高いからです。
また持病や入院歴があると、新しい掛け捨て型医療保険に加入できない恐れも。保障の見直しが必要な場合、まずは特約の付加で対応できないか確認しましょう。
デメリット:払い込んだ保険料は戻らない
掛け捨て型医療保険のデメリットは、入院したり手術を受けたりしなければ払込保険料が戻らない点。
掛け捨て型医療保険を検討している方の中には、払込保険料がもったないと感じる方も多いでしょう。
病気やけがになるリスクは、予測できません。掛け捨て型医療保険に加入したものの、病気やけがで入院しなかったため、「医療保険は不要だった」と感じる可能性もあります。
それでも万が一の事態が発生した場合に、家計への影響を最小限にとどめ、治療に専念するためには、掛け捨て型医療保険は必要不可欠と言えるでしょう。
保険の選び方・確認すべき保障内容5つ
掛け捨て型か貯蓄型のどっちが適切かは、加入目的やライフスタイルによって異なります。
また医療保険には、入院給付金額や支払い限度日数など、自由に選べる項目があります。これらの項目を適切に選ばなければ、保障が不十分だったり、保険料が値上がりしたりする恐れも。
せっかく医療保険に加入しても、保障が役に立たなかったり、保険料が家計を圧迫したりしたら意味がありません。そこで、医療保険や各項目の選び方を解説します。
1. 家計や貯蓄に応じて掛け捨て型か貯蓄型かを選ぶ
掛け捨て型は、貯蓄や収入が少ない方におすすめの医療保険です。掛け捨て型医療保険に加入すると、安い月額保険料で、入院や手術が必要になったときに最低限の保障を得られるでしょう。
また商品の種類が多いのも、掛け捨て型医療保険の魅力です。様々な商品を比較し、ぴったりの医療保険を検討したい方にも、掛け捨て型はおすすめです。
一方で貯蓄型は、入院時の出費に備えながら貯蓄したい方や、家計にゆとりがある方におすすめの医療保険。掛け捨て型医療保険が「もったいない」と感じる方にもおすすめです。
ただし貯蓄型医療保険は、保険料が高額になりがちです。そのうえ、加入後すぐに解約すると損になる可能性も。月額いくらまでなら無理なく保険料を支払えるか、確認したうえで加入しましょう。
2. 「終身型」で払込保険料を抑える
掛け捨て型医療保険には、終身型と定期型の2種類があります。
終身型とは、保障期間が一生涯にわたる保険。終身型の場合、月額の保険料は加入時のまま値上がりしません。
その一方で、定期型とは保障期間が5年、10年と定められた保険のこと。
保障期間が満了するときに保険を更新すると、同じ保障内容で加入を継続できます。ただし保険料は更新時の年齢で再計算されるため、更新のたびに月額保険料が高くなります。
掛け捨て型医療保険に加入するなら、終身型がおすすめです。加入時の年齢で月額保険料が計算されるため、老後の保障を比較的手頃な保険料で得られるでしょう。
3. 入院給付金額は日額5,000円以上を選択する
入院給付金とは、病気やけがで入院したときに支給される給付金。
医療保険に加入する際、入院1日あたりの給付金額を3,000円・5,000円・10,000円などから選択できます。
払込保険料を抑えたい方は、入院給付金額を5,000円に設定するのがおすすめ。「個室ではなく大部屋に入院して差額ベッド代を抑える」といった制限はありますが、最低限必要な入院費をカバーできます。
一方で、個室に入院したい場合、入院給付金額は10,000円以上が理想。
また、「女性疾病特約」や「がん特約」など、特約を付加して特定の病気に対する保障を上乗せする方法もあります。払込保険料をおさえつつ、特に備えたい病気への保障を手厚くできますよ。
4. 支払い限度日数は60日以上を選択する
支払い限度日数とは、1回あたりの入院で入院給付金が支払われる上限日数のこと。
掛け捨て型医療保険に加入する際は、支払い限度日数を60日・90日・180日などから選択できます。
厚生労働省の「平成29年 患者調査」によると、平均入院日数は29.3日。しかし、病気やけがによっては入院日数が30日以上に及ぶケースもあります。
したがって基本的な保障としては、支払い限度日数は60日あれば十分でしょう。
5. 無理のない範囲で必要な特約を付加し保障を手厚くする
掛け捨て型医療保険では、必要な特約を付加して保障を手厚くできます。
医療保険に必ず付加したいのは、先進医療を保障の対象とする「先進医療特約」。先進医療特約の保険料の相場は、月々100円程度です。
先進医療とは、厚生労働大臣に承認された先進性の高い医療を指します。
先進医療は公的医療保障制度の保障対象外のため、医療費は全額自己負担となります。
先進医療を受けると、医療費が数百万円と高額になるケースも。そんなときに先進医療特約では、医療費に相当する給付金を受け取れます。
先進医療の他に、がんに備える「がん特約」、女性特有の病気や妊娠・出産に備える「女性疾病特約」なども、おすすめです。
ただし特約を付加するごとに、月額の保険料は高くなります。掛け捨て型の医療保険では、病気やけがにならなければ、払込保険料は戻りません。家計と保険料のバランスを考慮して、最低限必要な保障を付加しましょう。
おすすめの掛け捨て型の医療保険(終身型)
おすすめの掛け捨て型医療保険(終身型)を厳選して紹介します。
いずれもインターネット上の手続きで申し込みが完結する保険。隙間時間に自分のペースで設計できるので、ぴったりのプランをじっくり検討し、本当に必要な掛け捨て型医療保険に加入してください。
チューリッヒ生命「終身医療保険プレミアムZ」
チューリッヒ生命の「終身医療保険 プレミアム Z」は、保険料を抑えたい方におすすめの掛け捨て型医療保険。比較的安い月額保険料で、必要最低限の保障を準備できます。
また特約を付加して、保障を手厚くすることも可能。生活習慣病や特定疾病だけでなく、女性疾病や保険料払込免除特約もあるため、幅広い人にご利用いただける商品になっています。
さらに「無事故ボーナス」というオプションもあるので、医療保険料が無駄に感じてしまう人にも最適な貯蓄性をつけられる商品です。
オリックス生命 「医療保険 キュア・ネクスト」
オリックス生命の「医療保険 キュア・ネクスト」も、人気の掛け捨て型医療保険(終身型)です。
特約を付加しなくても、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)で入院した場合の支払い限度日数が無制限になります。
さらに三大疾病を除く七代疾病(糖尿用や高血圧など)で入院した場合は、支払い限度日数が120日まで延長されます。
また、がん一時金特約やがん通院特約などを付加すると、がんに対する保障を手厚くできるますよ。
女性特有の病気で入院した際の保障を手厚くしたい女性にはオリックス生命の「医療保険 キュア・レディ・ネクスト」がおすすめです。
ネオファースト生命 「ネオdeいりょう」
「ネオdeいりょう」は、安い月額保険料で掛け捨て型医療保険に加入したい方や女性におすすめです。
魅力は、健康状態が一定基準を満たしている場合に保険料が安くなる点。以下の条件を満たす方には健康保険料率が適用され、月額保険料を抑えられます。
- 入院歴がない
- 非喫煙者である
- BMIが18以上27未満
また、他の商品と比べて女性特有の病気に対する保障が充実している点も魅力的。
以下の特約を追加すると、女性特有の病気に対する保障を充実させられます。
- 女性疾病特約
- 女性特定手術・乳房再建保障特則
注目したいのは、「女性特定手術・乳房再建保障特則」。他の終身型医療保険では保障対象外となる、特定の手術(例:乳房再建術)を行った場合でも、50万円、もしくは100万円の給付金を受け取れます。
おすすめの掛け捨て型医療保険まとめ
医療保険とは、病気やけがで入院したときに自分自身を守るもの。掛け捨て型と貯蓄型の違いやメリット・デメリットを踏まえ、慎重に検討する必要があります。
比較的安い月額保険料で一生涯の保障を得たい方には、掛け捨て型の医療保険(終身型)がおすすめ。一方で貯蓄型医療保険が適している場合もあります。
加入目的に応じて、掛け捨て型と貯蓄型のどっちが適切か、判断しましょう。そのうえで、ご紹介した医療保険の選び方やおすすめの商品を参考にして、ぴったりの医療保険に加入してくださいね。
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