がん保険に加入する必要性はある?医療保険の保障内容や特徴等の違いも解説

がん保険の必要性とは?不要といわれる理由やメリット・デメリットも解説

がん保険に加入する必要性はある?医療保険の保障内容や特徴等の違いも解説

がん保険

日本人の2人に1人が生涯で何らかのがんに罹患するといわれています。

その社会情勢を受け、必要性が高まり生まれたのが「がん保険です。

しかし、公的医療保険制度が充実していたり、民間医療保険の加入率が高く、がん保険に加入する必要性は低いという意見も。

そこで本記事では、がん保険の必要性やどんな人ががん保険に加入すべきなのかについて解説します。

高橋朋成

年金アドバイザー / EQプロファイラー / 2級ファイナンシャルプランニング技能士

この記事の監修担当者:株式会社クロックアップ 代表取締役 高橋朋成

20年以上にわたり外資系生保や損保系生保などで、販売現場での営業スタッフの採用や実践を活かした生保販売や育成手法に携わった経験を損保代理店向けに特化してアレンジし2013年に株式会社クロックアップを設立。

業務内容は損保代理店の
専属コンシェルジュとして
① 保険営業職の人材紹介、マッチングサポート
② 損保営業マン向け生保クロスセル研修
③ 代理店M&Aマッチングサポート等
を行っている。

がんに備える必要性

がんに備える必要性

がん保険はがんへの保障に特化した保険商品のこと。

ここからはがん保険の必要性についてデータを用いて解説します。

そのあとに、なぜがん保険は不要と言われているのかについてご紹介します。

がんになる確率

がんになる確率

がんに罹患する確率は年代、性別によって違います。

30代までの方は、それ以降の年代の方に比べて罹患率が低い傾向にあり、がんに備える必要性が感じられないかもしれません。

しかし、女性は40代後半からがんの罹患率が上昇し、男性は50代以降に一気に罹患率が上がります

そのため、今必要性を感じていなくても、近い将来を考えるとがんを意識し、医療保険やがん保険でがんに備えることは決して早くないのです。

がん治療にかかる費用

がん治療にかかる費用

厚生労働省の調査によると、がんで入院した際にかかる1日当たりの医療費は約64,000円

がん治療のための入院日数の平均である17日分を支払うとすると、一回のがんでかかる医療費は、110万円程度。

しかし、日本には公的医療保険制度があるため、自己負担は3割に抑えられ、約33万円となるでしょう。

さらに高額療養費制度によって、自己負担額は10万円以下になるのです。

このように考えると、がん治療にかかる費用負担はあまりなく、がん治療に備える必要性は低いように感じます。

しかし、がん患者の7割が70代以上の高齢者で、年金で生活をしていらっしゃる方がほとんど

支給される年金の金額は年々少額になっていますし、十分な貯金ができるかどうかは難しいです。

またがんは再発しやすいため、長期的に医療費を支払なくてはいけない必要性が出てきます。

そのため、がん治療にかかる費用を民間の医療保険やがん保険で備えておく必要性は十分にあるといえます。

がん保険の保障内容とは

がん保険の保障内容とは

上記でがんに備える必要性について解説しました。

ここからはがん保険の保障内容について紹介していきたいと思います。

がん保険によってがんに備えるメリット・デメリットも紹介していますので、参考になさってください。

診断一時金・入院給付金・手術給付金

診断一時金・入院給付金・手術給付金

がん保険の保障内容の代表例は以下の3つです。

  • がん診断給付金(一時金)
  • がん入院給付金
  • がん手術給付金

がん保険の保障内容が適用される条件として、がんを対象とした入院・手術でなくてはいけないというものがあります。

そのため、がん保険はがんへの保障はとても手厚く設定されているのです。

だからこそがんに手厚く備えたいと考えている方は、がん保険に加入する必要性が高いといえます。

がん診断給付金(一時金)

がん診断給付金(一時金)は、がん保険の保障内容としては付帯されていることの多い給付金です。

がんと診断されたときに100万円ほどのまとまった金額のお金を受け取ることができます。

また、診断給付金(一時金)の給付回数は初回のみや無制限、回数制限あり等生命保険会社によって異なりますが、医療保険のがん特約で受け取る一時金の金額よりも高額であることが多いです。

もしもの時のために、比較的大きな金額設定しておきたい方は、がん保険を選ぶ必要性があります。

メリット・デメリット

メリット・デメリット

がん保険に加入する前に把握しておいたほうが良い、メリット・デメリットについて解説していきます。

メリット①通算入院支払限度日数が無制限

がん保険は、通算入院支払限度日数(入院給付金が支払われる上限日数)が無制限であることが多いのです。

医療保険では、通算入院支払限度日数が決まっていることが多数ですが、再発リスクが高く、治療が長期化しやすいがんに特化しているがん保険ならではのメリットといえます。

メリット②給付される金額が高額

がん保険の診断給付金は、がんと診断されると受け取ることができます。

金額は、一般的に50万円~300万円の範囲で設定することが可能。

がんと診断されて、自分の身体のことはもちろん、家族や家計のことで不安になることと思います。

その状況で、治療費やがんの治療で働くことができなくなった場合の、収入減といった経済負担を軽減でき、必要性が高い保障です。

メリット③特約も充実している

医療保険でも用意され、必要性が高いとされる「先進医療特約」や「女性疾病特約」も、がん保険仕様になっています。

ほかにも自由診療などの公的医療保険制度の適用対象外の治療方法も多いがん治療において、自己負担が高額になる可能性が高いです。

しかし特約で手厚い保障にすることで、がんに罹患したときの経済的な負担を軽減することができます。

がん保険の特約で、特に必要性が高いのは通院給付金です。

医療の進歩により入院期間が短期化しており、がん治療も通院治療に切り替えて行う場合が増えています。

そのため、がん保険を契約する際に通院保障を付けておくと、通院に切り替わったときも安心して治療に専念することができるため、必要性が高いといわれています。

デメリット①がん以外の病気やケガには対応していない

がん保険は、あくまでがんへの保障に特化した保険

そのため、がん以外の病気やけがの治療費には使うことができません

幅広い病気やけがのリスクに備えたい、手厚い必要性はないががんへの備えも欲しいという方であれば、医療保険にがんの保障を付帯することで十分といえます。

デメリット②免責期間がある

がん保険には免責期間というものがあります

基本的に90日と設定している生命保険会社が多いです。

免責期間中にがんに罹患した場合、契約した保障を受けることはできません

特に注意が必要なのは、がん保険を見直して違うがん保険に加入しようと検討していらっしゃる方です。

新しいがん保険の免責期間が終了してから、前のがん保険の解約を進める必要性があります。

免責期間中にがんに罹患してしまっては、元も子もありません。

また、免責期間は医療保険のがん保障にもありますので、がん保険から医療保険のがん特約へと変更する場合も注意が必要です。

必要性が低いといわれる理由

必要性が低いといわれる理由

がんへの罹患率や治療費のことを考えるとがんへ備える必要性は高いといえます。

しかし、がん保険でがんに備える必要性はあるのかという意見もあるのです。

ほかの保険でもがんに備えることはできるため、「がん保険である必要性はない」という意見も多くあります。

そこでがん保険の必要性について、必要性は低いという意見から考えていきましょう。

公的医療保険制度が充実しているから

公的医療保険制度が充実しているから

がん治療にかかる費用として、1回に110万円ほどかかると前述しました。

しかし、先ほども述べた通り、日本の公的医療保険制度は比較的充実しています。

国民皆保険制度のもと、国民全員は何らかの公的医療保険に加入しており、次のような給付を受け取ることができるのです。(一部)

療養給付 医療費の自己負担を1〜3割に軽減する
高額療養費制度 医療費が高額になった場合、基準を超えた金額が給付される
傷病手当金 病気やけがで働けなくなった場合に給与の3分の2程度の給付を受け取ることができる

療養給付

療養給付の自己負担割合は、年齢や所得額によって以下のように変動します。

年齢 自己負担額
就学前 2割
6歳以上70歳未満 3割
70歳以上75歳未満 2割(現役並みの所得がある場合3割)
75歳以上 1割(現役並みの所得がある場合3割)

高額療養費制度

高額療養費制度をさらに詳しく解説します。

高額療養費制度とは、家計に対する医療費の自己負担が過重になるのを防ぐため、医療費の自己負担分を支払った後、月ごとの自己負担限度額を超える部分を後から保険者が支払うというもの。

高額療養費制度の自己負担額の算出方法は、年齢が70歳未満か70歳以上かで異なります。

70歳未満、現役世代と飛ばれる世代の算出方法は以下の通りです。

月給
所得額
月額の自己負担限度額 多数回に該当した場合
月給27万円未満
所得額210万円以下
57,600円 44,400円
月給27万円以上51.5万円未満
所得額210万円超600万円以下
80,100円+
(医療費-267,000)×1%
44,400円
月給51.5万円以上81万円未満
所得額600万円超901万円以下
167,400円+
(医療費-558,000円)×1%
93,000円
月給81万円以上
所得額901万円超
252,600円+
(医療費-842,000円)×1%
140,400円
住民税非課税
(低所得世帯)
35,400円 24,600円

また、70歳以上の場合や詳細については以下のリンクからご確認ください。

生命保険文化センター:高額療養費制度について知りたい

上記のように、公的医療保険制度、特に高額療養費制度が充実しているため、「がん保険に加入する必要性はない」という意見が多いのです。

しかし、差額ベッド代など公的医療保険制度の対象外になる費用も多く存在します。

がん保険はがんと診断され、給付金を受け取るとその使い道は自由。

そのため、一概に必要性はないと言い切ることはできません。

民間の医療保険で十分だから

民間の医療保険で十分だから

民間の医療保険への加入者は、約7割にも達します。

そのため、医療保険に特約としてがんへの保障を付帯しておけばがん保険である必要性なないという考えもあるのです。

確かに、がん保険はがんへの保障に特化しているため、がん以外の病気やけがは対象外。

幅広いリスクに備えたいという方は、医療保険に加入し、契約時にがんの特約を付帯して備えるという手段もあります。

しかし、がんへの保障を手厚くしたいという目的がある方は、がんへの保障の充実度を考えるとがん保険への加入の必要性が高いです

がん保険に加入する必要性が高いのはどんな人?

がん保険に加入する必要性が高いのはどんな人

それでは、ここからはがん保険に加入する必要性が高いのはどんな人なのか、解説していきたいと思います。

がん保険でがんに備える必要性が比較的高い方の特徴は、以下の通りです。

  • 十分な貯蓄がない人
  • 自営業者や個人事業主
  • がんの罹患リスクが高くなる人

上記の特徴一つ一つについて解説していきます。

十分な貯蓄がない人

十分な貯蓄がない人

がんは再発率が高く、転移もしやすい病気で、治療が長期戦になることが考えられます。

もし20代など若いうちにがんに罹患した場合、働き始めたばかりで貯金も十分ではない可能性が高いです。

そのため、十分な治療を受けることができる分の貯蓄がない方は、がん保険に加入して備えておく必要性が比較的高め。

がん保険も若い年齢の方が安い保険料金で契約できます。

そのため、20代30代のうちから検討しても早すぎることはありません。

自営業者や個人事業主

自営業者や個人事業主

自営業者や個人事業主は、公的医療保険制度の保障が薄く、働くことができなくなった場合に大きなダメージ受けます

そのため、公的医療保険ではなく、民間の保険に加入して、万が一の事態に備えておく必要性があるのです。

がんの罹患リスクが高くなる人

がんの罹患リスクが高くなる人

がんの罹患リスクが高い人とは、がんの発症率が上がる年代、つまり「40代~50代」の方や習慣的に「喫煙」をしている方です。

前述しましたが、40代~50代になるとがんの罹患率が一気に上がります

また、がんは生涯のうちに2人に1人が罹患する病気です。

発症してからでは遅いので、早めにがん保険に加入し、備えておく必要性があります。

また、近年タバコががんの原因になることが科学的に明らかにされてきているのです。

そのため喫煙の習慣がある方は、さらにがんの罹患率が高いことが考えられるため、がん保険に加入する必要性が高いといえるでしょう。

記事まとめ

記事まとめ

今回は、がん保険に加入する必要性はあるのかについて解説しました。

結論としては、どの年代でもがんの罹患リスクはあり、一概に「がん保険に加入する必要性はない」とは言い切れません

しかし、公的医療保険制度が充実していたり、民間の医療保険のがん特約を付帯してがんに備えている場合、また十分な貯蓄がある方は、必要性は比較的低いといえます。

「自分はがん保険に加入する必要性があるのか?」「どんな保障内容にすればよいのか。」など、疑問や不安がある方は、専門家に相談してみることがおすすめ。

このように保険の新規加入や見直しをされるのであれば、保険代理店である保険のぷろサービスを活用することがおすすめです。

保険のプロであるファイナンシャルプランナーが丁寧なカウンセリングを行い、一人一人に合った保険に関するアドバイスをもらえます。

新規加入を検討する際も、保険代理店である強みを生かして35社以上の保険会社から一括で比較することが可能であるため、理想の保険選びができるでしょう。

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