ケガや病気のリスクに備えて加入する医療保険は、まとまった貯金額があれば不要という意見が少なくありません。
しかし医療保険が不要になる貯金額を明確に理解している人は少なく、加入しないことによるリスクを想定していないケースもあります。
どの程度の貯金額があれば医療保険が不要となるかという基準を把握し、リスクも正しく理解しておく必要があります。
本記事では、医療保険が不要になる貯金額や不要と言われる理由、医療保険に入らなくても良い人と必要な人の特徴を解説していきます。
ぜひ本記事を参考にして、自分にとって医療保険が必要かどうかを判断しましょう。
医療保険が不要になる貯金額とは?具体的な額を解説
厚生労働省の調査によると、令和2年度の生涯医療費の平均は2,695万円でした。
出典:厚生労働省保険局調査課「医療保険に関する基礎資料〜令和2年度の医療費等の状況〜」
ただし、病気やケガの際にかかる費用は医療費だけではありません。
入院中の食事代や差額ベッド代、お見舞いに来る家族の交通費など、医療費に含まれない費用も必要となります。
また、貯蓄のすべてを医療費に充ててしまうと、生活費や急な出費に対応できなくなります。
貯金額は医療費以外にかかる出費にも対応できるよう、ある程度余裕をもった金額を準備しておかなければなりません。
余裕を持って生活することを考え、1,000万円以上の貯金額があると医療保険は不要と言えるでしょう。
医療保険が不要と言われてる主な理由
貯蓄があれば医療保険が不要と言われる理由として、以下のような点が挙げられます。
- 国民健康保険や社会保険で十分な保障がある
- 高齢加入など、場合によっては保険料が高額に
それぞれの理由を解説していきます。
国民健康保険や社会保険で十分な保障がある
日本は国民皆保険制度が設けられており、すべての国民が公的医療保険制度への加入を義務付けられています。
自営業者などは国民健康保険、会社員や公務員は会社の健康保険、75歳以上の高齢者は後期高齢者医療制度に加入しているという仕組みです。
公的医療保険に加入していると、医療機関の窓口で支払う医療費が原則3割となります。
さらに医療費の自己負担額が一定額を超えると、超えた分が払い戻される高額療養費制度も設けられています。
このように国民健康保険や社会保険だけでも、ある程度医療費の自己負担額を抑えることは可能です。
それなりに貯金を用意できているのであれば医療費を支払うことができるため、民間の医療保険が不要と言われているのです。
高齢加入など、場合によっては保険料が高額に
一般的に高齢になるほどケガや病気のリスクが高まるため、民間の医療保険では保険料も高額になっていきます
年齢を重ねてから加入しようとすると保険料が高くなり、家計に負担をかけてしまう恐れがあるため「貯金があれば医療保険は不要」と言われています。
すでにご紹介した通り公的医療保険だけでも保障は充実しており、医療費の自己負担が過度に大きくなる心配はありません。
年齢を重ねたときに高額な保険料を負担してまで、民間の医療保険に加入する必要性を感じないという方が一定数いるようです。
保険に入らないとどうなる?貯金は一生涯の保証なし
「ある程度の貯金があれば医療保険は不要」という考え方がある一方で、医療保険に入らないことによるリスクも存在します。
「貯金があるから不要」と決めつけてしまう前に、保険に入らないとどうなるかを確かめておくことも重要です。
ここでは、医療保険に入らなかった場合にどうなるか解説します。
突然の病気やケガによる医療費が高額になる可能性が
公的医療保険の充実を理由として、民間の医療保険が不要と判断するケースは少なくありません。
しかし突然の病気やケガで公的医療保険適用外の費用が高額になってしまうと、自己負担額が大きくなってしまうリスクがあります。
例えば、厚生労働省が認可する高度な医療技術「先進医療」を受ける場合、数十万円〜数百万円の高額な治療費が必要となります。
しかし先進医療にかかる技術料は公的医療保険の対象外であるため、高額な治療費をすべて貯金で支払わなければなりません。
民間の医療保険であれば、先進医療に関する特約を付加することで高額な技術料を保障することができます。
高額な治療費に備えたい場合は、民間の医療保険に加入しておくことをおすすめします。
再度加入するためには健康診断が必要に
「貯金があるから医療保険は不要」と判断し、保険を解約してしまった場合、再加入が難しくなる場合があります。
なぜなら、医療保険に加入する際には健康状態の審査を受ける必要があるためです。
民間の医療保険では、加入者間での公平性を保つために加入時に健康状態の審査を行います。
健康状態に問題があると医療保険に加入することはできません。
つまり「貯金があるから医療保険は不要」と判断したのち、「やっぱり必要だった」と感じても加入できないリスクがあるということです。
また、仮に再加入ができたとしても、年齢を重ねていると保険料が高くなる可能性があります。
以前契約していた保障内容と同じであっても、保険料は高額になるケースがほとんどです。
「貯金があるから不要」と考えて医療保険を解約してしまうと、いざ必要になったときに同じ保障内容を受けられない可能性が高いため注意が必要です。
医療保険に入らなくてもいい人は?
医療保険が不要な人の特徴として、以下の点が挙げられます。
- 家族の医療保険に加入
- 自己資金で医療費を負担できる
それぞれの特徴を確認し、医療保険が不要かどうか判断しましょう。
家族の医療保険に加入
夫婦型や家族型の医療保険に加入している場合、自分で医療保険に加入する必要性は低いと言えます。
すでに医療保障が備えられているため、あらためて医療保険に加入してしまうと保障が重複してしまうためです。
夫婦型・家族型の医療保険は、契約した本人と配偶者・子どもなどの家族が対象となる商品です。
個別に医療保険に加入するよりも割安な保険料で契約でき、家族型の場合は子どもの人数に関わらず保険料は変わりません。
このような医療保険に加入している場合は、個別の医療保険は不要と言えるでしょう。
自己資金で医療費を負担できる
民間の医療保険は、貯金や公的保障だけで支払えない医療費をカバーする役割の商品です。十分な貯金額を用意できており、貯金だけで医療費の自己負担額を支払える場合は民間の医療保険は不要と言えます。
すでに医療費を負担できるだけの貯金がある場合、民間の医療保険に加入しても保険料が負担になるだけです。
むしろ医療保険以外のことにお金を使った方が良いケースが多いでしょう。
しかし、医療保険が不要となる貯金額を把握することは簡単ではありません。
FPなどの保険の専門家に相談し、本当に医療保険が不要と言えるだけの貯金があるか確かめておきましょう。
保険が必要な人の特徴
一方で医療保険が必要な人の特徴として、以下のような点が挙げられます。
- 慢性的な病気を抱えている
- スポーツやアウトドア好き
- 家族がいる
- 自己資金で医療費を賄えない
「貯金があるから不要」と判断するのではなく、本当に不要かどうかをしっかりと考えることが重要です。
医療保険が必要な人の特徴を把握しておきましょう。
慢性的な病気を抱えている
慢性的な病気を抱えている人の場合、医療保険に加入する必要性は高いと言えます。
平均的な医療費よりも負担が大きくなる可能性が高く、貯金だけで医療費を支払えないリスクがあるためです。
民間の医療保険には先進医療に関する特約などがあり、公的医療保険対象外の治療法でも保障の対象となります。
高額な治療であっても保障されるため、治療の選択肢を広げておくことができます。
慢性的な病気の治療を行っている場合は、民間の医療保険に加入しておくことをおすすめします。
ただし、持病がある方が新規で医療保険に加入することは容易ではありません。
引受基準緩和型保険や無選択型保険など、持病があっても入りやすい医療保険も視野に入れましょう。
スポーツやアウトドア好き
スポーツやアウトドアを趣味にしている方も、民間の医療保険の必要性が高いです。
ケガによる入院・手術のリスクに備えることができます。
スポーツやアウトドアを楽しむ方にとって、ケガのリスクは通常よりも高くなります。
ケガで入院・手術をするたびに医療費がかかってしまうと、貯金額が減ってしまうかもしれません。
普段からスポーツ・アウトドアをする方は、民間の医療保険に加入しておくことをおすすめします。
家族がいる
家族がいる場合も、独身世帯に比べると民間医療保険の必要性が高いです。
自分自身がケガや病気で入院・手術をすることで、家族の生活に負担をかけてしまうリスクがあるためです。
例えば、入院期間中に働けないことにより収入が低下し、家族の生活費が不足してしまう恐れがあります。
また、貯金から医療費を支払うことで子どもの教育費などが不足する可能性も考えられます。
大切な家族の生活を守るためにも、医療保険に加入してリスクに備えておくことが大切です。
自己資金で医療費を賄えない
貯金額が十分でなく、医療費を貯金だけで支払えない場合は医療保険は必須と言えます。
民間の医療保険は、貯金だけで医療費を賄えない人に向けて販売されている商品です。
公的医療保険である程度の保障が受けられるとは言え、入院時の差額ベッド代や食事代などは保険が適用されません。
入院が長期化するほど自己負担額が大きくなっていき、必要な貯金額も増えていきます。
「入院・手術の際にどれくらいのお金が必要か」「現在の貯金額で足りるのか」を踏まえて民間の医療保険が不要かどうか判断しましょう。
不要な保険も貯金額も人それぞれ。プロに相談を。
「民間の医療保険が不要かどうか」「どの程度の貯金額があれば不要なのか」といった点は人それぞれです。
自分にとって不要かどうかを判断したいのであれば、保険のぷろでプロに相談してみましょう。
保険のぷろでは、保険の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)があなたの保険の悩みに対応しています。
現在の貯金額を踏まえて医療保険が必要か不要かを判断したり、最適な保険プランの設計を行ったりと、プロによるサポートを受けることができます。
保険相談は無料で利用でき、提案された医療保険に必ず加入する必要もありません。
自分自身に医療保険が必要かどうかを知りたい方は、ぜひ保険相談窓口で専門家に相談してみましょう。
記事のまとめ
この記事では、医療保険が不要になる貯金額や不要と言われる理由、保険が不要な人・必要な人の特徴を解説しました。
医療保険は貯金だけで医療費を賄えない人に向けた商品です。
人によって医療保険が必要・不要といった判断は異なるため、本記事でご紹介したポイントをもとに加入すべきか見極めましょう。
また、民間医療保険への加入でお悩みの方は保険無料相談でプロに相談することをおすすめします。
貯金額を踏まえて医療保険が必要か不要かを判断してもらえたり、あなたに最適な医療保険プランの提案を受けられたりと寄り添ったサポートを受けられます。
「現在の貯金額で医療保険が不要なのか知りたい」という方は、保険無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。