医療保険は商品によって、途中解約で返戻金を受け取れるケースがあります。
商品の種類によって特徴も異なっているため、解約返戻金についての理解を深めておくことが大切です。
この記事では、医療保険の解約返戻金の種類ごとの特徴や受け取る前に確認すべきポイントなどを解説します。
ぜひ本記事を参考にして、医療保険の解約返戻金についての理解を深めていきましょう。
医療保険の解約返戻金とは?3種類の違いを解説
解約返戻金がある保険商品は生命保険が代表的ですが、一部の医療保険では解約返戻金を受け取ることができます。
解約返戻金のタイプによって以下の3種類に分けられます。
- 低解約返戻金型
- 従来型
- 無解約返戻金型
各タイプの特徴を解説していきます。
低解約返戻金型
低解約返戻金型とは、保険料を支払っている期間中の解約返戻金が通常よりも少ないタイプです。
保険料払込期間が終わると受け取れる解約金の額が大きく増えます。
低解約返戻金型の場合は解約返戻金が少ない分、保険料は安くなっています。
保険料の負担を抑えたいと考えている方は、低解約返戻金型の医療保険がおすすめです。
ただし保険料の払込期間中に解約すると大きく損をする可能性もあるため、解約するタイミングには注意が必要です。
従来型
従来型とは、保険料を支払っていくほど解約返戻金も増えていくタイプの医療保険です。
払込期間の当初は受け取れる解約返戻金も少ないですが、次第に増えていって最終的には払込保険料よりも返戻金の方が多くなるケースもあります。
従来型の医療保険は、万が一の保障に加えて貯蓄性も兼ねていることが特徴です。
「掛け捨て型の保険はもったいない」と感じる方は、従来型の医療保険がおすすめです。
無解約返戻金型
無解約返戻金型は、その名の通り解約返戻金がないタイプの医療保険です。
解約返戻金は生命保険に設けられていることが多く、医療保険のほとんどは無解約返戻金型となっています。
解約返戻金がない分、保険料はほかの2つのタイプよりも安く抑えることができます。
保障と貯蓄を分けて準備したい場合は、無解約返戻金型の商品がおすすめです。
解約返戻金を受け取る前に確認すべきポイント
医療保険の解約返戻金を受け取る前に、以下の3つのポイントを確認しましょう。
- 解約返戻率をチェックする
- 解約後の保障が十分か確かめる
- 解約返戻金の課税額を計算する
それぞれ解説していきます。
解約返戻率をチェックする
解約返戻率とは、払込保険料の総額に対してどの程度の解約返戻金を受け取れるかという割合のことです。
例えば払込保険料の総額が100万円で解約返戻金が80万円であれば、解約返戻率は80%となります。
医療保険を解約する前に、まずは解約返戻率をチェックすることが大切です。
解約返戻率を確認せずに解約してしまうと、想定よりも受取金額が少ないなどのトラブルの可能性があります。
一般的に医療保険では、満期に近づくほど解約返戻率は高くなっていきます。
事前に保険証券などで確認し、どの程度解約返戻金を受け取れるのか確かめておきましょう。
解約後の保障が十分か確かめる
解約返戻金目当てで医療保険を解約する場合、本当に保障が十分かどうか確認しましょう。
万が一ケガや病気で入院・手術が必要となった場合に、保障が不足してしまうリスクがあるためです。
医療保険は一度解約してしまうと、基本的に同じ契約内容で再契約することはできません。
再契約時の年齢で保険料が計算されたり、健康状態によっては保障が受けられないリスクもあります。
医療保険を解約する前に、本当に保障が必要ないのかを確かめておくことをおすすめします。
場合によってはFPなどの保険の専門家に相談することも検討しましょう。
解約返戻金の課税額を計算する
解約返戻金は、場合によっては税金がかかるケースがあります。
あらかじめ課税額を計算し、納税や確定申告が必要かどうかを確認しておきましょう。
解約返戻金を自分が受け取る場合は「一時所得」として所得税の対象となります。
ただし一時所得と副業等の本業以外の所得が合計で20万円以下の場合は、確定申告の必要はありません。
また、解約返戻金の受取人と契約者が異なる場合は贈与税の対象となります。
親が契約した医療保険の解約返戻金を子どもが受け取るようなケースでは、贈与税の申告が必要となるため注意しましょう。
課税額の計算方法!具体的な手順と重要な要素
医療保険の解約返戻金の課税額は「(解約返戻金−払込保険料総額−50万円)×1/2」で算出された課税対象額に税率を掛けて計算します。
50万円の控除が適用される仕組みとなっているため、返戻金から払込保険料総額を引いた額が50万円以下の場合は課税されません。
例えば、返戻金が70万円で払込保険料の総額が60万円の場合、「(70万円−60万円−50万円)×1/2=0」となり、所得税は課税されません。
一方で、仮に返戻金が100万円で払込保険料総額が40万円の場合は「(100万円−40万円−50万円)×1/2=5万円」となり、5万円に税率をかけた金額が所得税となります。
一方、契約者と受取人が異なる場合の贈与税にも110万円の控除があります。
しかし払込保険料の総額にかかわらず、受け取った金額が110万円を超えると課税対象となるため注意が必要です。
医療保険解約のタイミングで保障を見直そう
医療保険解約のタイミングは、保障内容の見直しに適しています。
現在必要な保障内容を見直し、最適な保険プランを設計することが大切です。
ここでは、医療保険見直しのポイントを解説していきます。
ライフステージに合わせた保障を考える
医療保険を見直す際、ライフステージに合わせて必要な保障を考えることが大切です。
現在の生活スタイルに合った最適な医療保険プランを設計しましょう。
例えば、独身の場合は自分1人の生活を守るだけの保障で十分ですが、結婚や子どもの誕生により家族が増えた場合は家族の生活も守っていかなければなりません。
ケガや病気による入院・手術をした場合に、手厚い給付金を受け取れるようにしておく必要があります。
また、子どもが独立をしてからは保障を減らすという考え方もあります。
必要最低限の保障を残し、保険料の負担を抑える工夫をすることが大切です。
このように、医療保険を見直す際には現在のライフステージに合った保障内容を考えた上で適切な商品を選びましょう。
終身タイプ・定期タイプを選ぶ
医療保険は、大きく分けて「終身タイプ」と「定期タイプ」の2種類があります。
見直しで新しい医療保険に加入しようと考えている場合は、どちらのタイプを選ぶか考えましょう。
終身タイプの医療保険は、保障が一生涯にわたって続くことが特徴です。
契約時の保障内容や保険料が変わらずに続くため、将来の見通しを立てやすい点がメリットです。
終身タイプについて、もっと詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
終身医療保険のメリット・デメリットは?検討のポイントやおすすめの商品を解説
一方の定期タイプの医療保険は、保障期間が10年・15年などと定められています。
一定期間の保障を手厚くしたい場合や定期的に見直したい場合は定期タイプがおすすめです。
終身タイプと定期タイプの特徴を踏まえ、どちらの保険期間に設定するかを考えましょう。
特約を活用する
医療保険を見直す際、特約の活用も視野に入れましょう。
現在加入している保険を解約しなくても、特約を上乗せすることで必要な保障を備えられる場合があります。
例えばがん特約を契約すると、がん治療によって入院・手術をした場合に主契約の保障に上乗せして給付金が受け取れます。
以下の記事では、がん保険とがん特約それぞれのメリット・デメリット共に、向いていてる人の特徴がまとめられています。
医療保険とがん保険セットと別々加入どっちがおすすめ?がん特約との違い
また、女性疾病特約であれば、乳がんや子宮がんなどの女性特有の疾病に対して手厚く備えることが可能です。
もっと保障を手厚くしたいという場合は、解約する前に特約で必要な保障を備えられないか確認してみましょう。
【Q&A】よくある疑問とその回答
ここでは、医療保険の解約返戻金についてよくある質問に回答していきます。
解約返戻金を受け取る際に税金はかかりますか?
解約返戻金を受け取った場合、所得税または贈与税の課税対象となります。
受取人の関係によって税金の種類が異なるため、事前に確認しておきましょう。
契約者本人が解約返戻金を受け取る場合、返戻金は「一時所得」として所得税の対象となります。
一方で契約者とは違う人が解約返戻金を受け取る場合、返戻金は贈与税の課税対象です。
ただし控除等によって税金がかからない場合もあるため、詳しくは国税局や税務署等でご確認ください。
以下の記事では、医療保険の解約をする際の注意点がまとめられています。解約にあたって不安なことがある方は読んでみてください。
解約後に再度医療保険に加入することはできますか?
一度解約した医療保険に再加入することはできます。
ただし以前と同じ内容では契約できない可能性があるため注意が必要です。
医療保険を解約してから再び申し込む場合、もう一度告知・診査を行う必要があります。
再契約時の年齢や健康状態に応じた保障内容となるため、以前よりも保障範囲が狭くなったり、保険料が高額になったりする可能性があります。
医療保険を解約する際は、本当に必要ないかどうかを慎重に考えた上で手続きを進めましょう。
また、あなたのライフプランに最適な医療保険をお探しの方は、RAKUYAの無料保険相談窓口を活用してみてください!
記事のまとめ
医療保険には、「低解約返戻金型」「従来型」「無解約返戻金型」の3種類があります。
それぞれの特徴を把握した上で、自分に合った医療保険を選ぶことが大切です。
また、医療保険を解約するタイミングで保障内容を見直すことをおすすめします。
ライフステージに合った保障内容を考え、保険期間を決めた上で最適な商品を選びましょう。