生命保険を契約する時に、終身型と定期型どちらを選んだ方が良いのか悩まれる方もいるかと思います。
終身型と定期型の特徴や違いを確認することで、自分にとってどちらが合っているのかを選ぶことができます。
本記事では、終身型の生命保険のメリットやデメリット、どんな人におすすめか、定期型との違いを保険のプロ監修のもと解説しています。
終身型はどんな人におすすめか、終身型と定期型のどちらが自分にとって最適かを考える際の参考にしてください。
終身型の生命保険に加入するメリット
生命保険に加入するときに懸念されるのが、「病気やケガにならなかった時、払い込んだお金が無駄になってしまうかも・・・」という不安です。
しかし、終身型の生命保険ならその不安が解消される商品がたくさんあります。
ここからは、終身型の生命保険に加入するときにはどんなメリットがあるのかを紹介します。
被保険者の保障が一生涯にわたって継続する
終身型の生命保険は、名前の通り一生涯保障が続きます。
つまり、「払い込みを続けている間は、被保険者(保障の対象となっている人)が契約時に決められた状態になるまで保障が続く上、保障には期限がない」ということです。
終身型の生命保険とよく比較されるのが、定期型の生命保険です。
定期型の大きな特徴として、保障期間が10年や20年などと決まっていることが挙げられ、この期間が終了すると一切の保障がなくなります。
そのため、一度の契約で一生涯の保障を備えられる終身型の生命保険は、長期的な安心を求める方にとって大きな魅力を感じるでしょう。
終身型の生命保険は、定期型のように「保障期間が切れたらそこで終わり」ということがないため安心して利用できます。
保険料が契約時からずっと変わらない
終身型の生命保険は、加入時に決められた保険料が一生涯変わらないという特徴があります。
そのため、加入時の年齢・健康状態で保険料が決まるため、若いうちに加入することで毎月の払込み額を安く済ませることができます。
逆に加入年齢が高くなってから加入をすると、同じ保障内容でも保険料が最初から高くなってしまうということです。
いずれ生命保険に加入する予定がある場合は、できるだけ若いうちに生命保険へ加入することがおすすめです。
毎月同じ保険料なので、「ずっとこの金額でこの保障」ということが事前に分かっています。
つまり、月々のお金の管理もしやすく、将来的な経済的リスクへの備えとして有効な手段のひとつと言えるでしょう。
中途解約でも解約返戻金を受け取ることができる
終身型の生命保険を選ぶ場合、予期せぬ出来事で払い込みができなくなった場合など、何らかの理由で途中で解約をしなくてはならない場面があるかもしれません。
そんな時、「今まで毎月払い込んできたお金ってどうなるんだろう・・・」という不安が浮かぶと思います。
しかし、終身型の生命保険なら、一定期間保険料を納めることを条件に「解約返戻金」という形で解約後にお金を受け取ることができます。
解約返戻金とは、保険会社が定めた返戻率によってその分のお金が戻ってくることを指します。
返戻率とは、支払った保険料に対する解約返戻金の割合のことです。
払い込み期間に応じて解約返戻金の額は変動します。
注意すべきなのは、保険料を納めた期間が短い場合には元本割れを起こす場合があるということです。
元本割れとは、 支払った保険料の総額よりも解約返戻金が少なくなる状態のことを指します。
終身型の生命保険は、貯蓄性があることがメリットと言われていますが、加入直後〜中期(10年程度)では、元本割れしてしまうことがほとんどです。
しかし、早い段階で途中解約して元本割れをしてしまった場合でも、払い込んでいた期間は保障されて、少なからず解約返戻金もあるということです。
解約返戻金を老後の資金や教育資金の備えとしても利用できるため、保障をされながら貯蓄がしたい方にはぴったりの保険です。
終身型の生命保険に加入するデメリット
終身型の生命保険には多くのメリットがありますが、逆にデメリットもあります。
しっかり終身型の特徴を理解したうえで生命保険を選ぶことが大切です。
定期型と比べると保険料が高い
終身型の生命保険は、保障期間が決まっている定期型と比べ、同じ保障内容でも月々の保険料が高い傾向があります。
これは、終身型の生命保険に「一生涯の補償+貯蓄部分」があるためです。
しかし、年齢で月々の保険料が計算されるので、なるべく若いうちに契約すれば保険料を抑えることができます。
生命保険を検討している方は、若いうちから保険料の払い込みを始めることがおすすめです。
死亡するまで保険料を払い続けなければならない場合がある
終身型の生命保険は、終身払いと有期払いを選択できます。
終身払いとは、生命保険などの保険期間が一生続くものについて、保険料を被保険者が死亡するまで支払い続ける方法のことです。
一方、有期払いとは、保障期間よりも短い期間で払い終わることです。
終身払いを選択した場合、死亡するまで保険料を払い続けなければならない場合もあります。
有期払いを選択した場合、払込期間は短くなるため保険料の払込総額は少なくなりますが、毎回支払う保険料は高くなります。
中途解約もできるため、保障が必要ではなくなった時には解約もできて、解約した段階での返戻金も受け取ることができます。
定期型との違いは?それぞれの特徴・ポイントについて
ここまで、終身型の生命保険と定期型のメリット・デメリットを紹介しました。
終身型と定期型は、保障内容の目的や特徴が異なることが多く、保障内容を確認すると安い生命保険は保障が足りなかったり、逆にいらない保障が付いていたりと選び方が難しいことがあります。
事前にそれぞれの特徴をおさえて、無駄に保険料を払ってしまった、保障内容が足りなかったなどの不安がないようにしましょう。
ここからは、終身型と定期型の違いや特徴について解説します。
項目 | 終身型生命保険 | 定期型生命保険 |
---|---|---|
保障期間 | 一生涯(死亡するまで) | 期間が決まっている(例:10年・60歳までなど) |
保険金 | 必ず支払われる | 保障期間中にのみ支払われる |
保険料 | 高め | 安い |
貯蓄性 | ほとんどに解約返戻金がある | 基本的にない(掛け捨て) |
保険料の変化 | 加入時のまま変わらない | 更新・年齢に応じて上がる |
主な目的 | 貯蓄のため・家族にお金を残したいなど | 一定期間の保障 |
終身型の特徴
終身型の生命保険とは、被保険者が死亡した場合や所定の高度障害状態になったときに保険金が支払われ、期間を定めていないため一生涯保障される保険のことです。
定期型の生命保険との違いは、一生涯にわたって被保険者の保障が継続するという点です。
また、途中で解約した場合は、契約からの経過期間に応じて計算された「解約返戻金」を受け取ることができます。
それまでに支払った保険料がまるごと掛け捨てになるというわけではないため、一生涯保障をしながら貯蓄していきたい方におすすめです。
しかし、保険会社ごとに保障内容が異なるため、事前にしっかり保険内容を確認しましょう。
終身型の特徴をまとめると以下の通りです。
- 一生涯、死亡・所定の高度障害状態への保障がある
- 保険料は定期型と比べると高い
- 解約返戻金がある
- 貯蓄としても利用できる
定期型の特徴
定期型の生命保険とは、一定の期間を定めて、保障の対象となっている人が死亡した場合・保険会社が指定している状態になった場合に、その期間に指定の状態になった場合に保険金が支払われる保険のことです。
保険期間は最初から決められていて、基本的に保険料は掛け捨てとなります。
掛け捨ては、月々の保険料が安く済むというメリットもあります。
安く済む代わりに、保険期間が終了したり途中で解約したときの返戻金は原則ありません。
起こるリスクに対して、最低限保障が欲しいという方におすすめです。
定期型の特徴をまとめると以下の通りです。
- 必要な期間だけ保障が得られる
- 保険料は終身型と比べると安い
- 返戻金は少ない
終身型と定期型の違いは、以下の表にまとめられます。
終身型の生命保険はどんな人におすすめ?
では、これまでのメリットやデメリット、特徴を踏まえて終身型の生命保険はどんな方におすすめなのか気になる方もいるかと思います。
ここからは、終身型の生命保険はどんな人におすすめかを解説します。
一生涯にわたって高度障害状態や死亡のリスクを保障したい人
一生涯にわたって高度障害状態や死亡のリスクを保障したい人にとって、終身型の生命保険はとてもおすすめです。
終身型の生命保険は年齢や保険期間に関係なく、死亡したり高度障害になっても保険金が支払われます。
終身型の生命保険は更新がなく、保険料がずっと変わらないので「更新時に保険料が跳ね上がる心配」がありません。
そして、高度障害状態になったときや死亡の保険金も一生涯保障されます。
保障を受けながら貯蓄がしたい人
終身型の生命保険は、解約返戻金がある商品が多いです。
解約返戻金とは、保険料を払い続けると将来的に解約したときに返ってくるお金があるということです。
つまり、「いざというときの保障」+「長期的な貯蓄」として利用することができるます。
そして、終身型なので「満期」がありません。
基本的には、保険料を払い終えたあとも返戻率は上がっていくので途中で解約しなければ、老後の資金準備にも使える。
注意点として、早期に解約してしまうと元本割れを起こすので、早期に解約する予定があったり、解約せざるを得ないときには貯蓄として機能しない可能性もあります。
高度障害状態や死亡のリスクに対して不安がある人
終身型の生命保険は、保険料を払い込んでいる間は保障が一生続きます。
なので、何歳で死亡しても・いつ障害になっても保険金が出るため、将来、加齢や病気によるリスクが高まっても、保険が切れないのが大きなポイントです。
もしものときに、家族の生活や自分の将来の資金が保険金によりカバーされると思うだけで、心にゆとりができます。
特に、結婚や育児など、ライフステージが大きく変わる可能性がある30~50代で加入しておくと、将来に対する漠然とした不安が軽くなるでしょう。
そして、大きな病気にかかったり、病気のリスクが高い年代になったりすると、保険に入れない、または条件付きになる可能性が高いため、健康状態が良いうちに「まだ元気だけど不安がある」というタイミングで加入するのがおすすめです。
記事まとめ
この記事では、終身型の生命保険にはどんなメリット・デメリットがあるのか、定期型との違いも解説しました。
終身型の生命保険は、一度大きな病気や障害になってしまうと保険に入れない・条件付きになってしまう可能性が高くなります。
途中で経済的事情などで解約せざるを得なくなった場合にも解約返戻金があるため、貯蓄として利用することもできます。
払い込みを続けているうちは一生涯保障されながら貯蓄ができます。
将来への不安をなくすには、終身型の生命保険を利用するのがおすすめです。