生命保険の受取人は誰にすべき?決めるときの注意点も解説

生命保険の受取人を誰にするか迷った時の疑問をプロ監修のもと解説

生命保険の受取人は誰にすべき?決めるときの注意点も解説

保険相談

生命保険に加入するときは、保険金の受取人を指定する必要があります。

ご自身の大切なお金を保険料として何年も払い込むわけですから、1番大切で信頼できる方へ受け取ってもらいたいですよね。

しかし、どんなに大切な方でも、契約者との関係によっては受取人として指定できない・受け取る時の税金が多くかかってしまう場合があります。

本記事では、生命保険の受取人は誰にすべきか、決めるときの注意点などを保険のプロ監修のもと解説します。

受取人・契約者・被保険者など、保険用語の意味や、気になる税金のことについても解説しているため、この記事を参考に受取人を選んでみてください。

高橋朋成

年金アドバイザー / EQプロファイラー / 2級ファイナンシャルプランニング技能士

この記事の監修担当者:株式会社クロックアップ 代表取締役 高橋朋成

20年以上にわたり外資系生保や損保系生保などで、販売現場での営業スタッフの採用や実践を活かした生保販売や育成手法に携わった経験を損保代理店向けに特化してアレンジし2013年に株式会社クロックアップを設立。

業務内容は損保代理店の
専属コンシェルジュとして
① 保険営業職の人材紹介、マッチングサポート
② 損保営業マン向け生保クロスセル研修
③ 代理店M&Aマッチングサポート等
を行っている。

生命保険の受取人は誰にすべき?

生命保険の受取人は誰にすべき?

生命保険の受取人を誰にすべきかは、とても大事なポイントです。

しっかり理解した上で受取人を指定しておかないと、あとで「こんなはずじゃなかった・・・」ということにもなりかねません。

ここからは、生命保険の受取人は誰にすべきかを解説します。

原則「配偶者」や「2親等以内の血族」まで

原則として、生命保険の受取人は配偶者や2親等以内の血族を指定します。

それ以外の「友人」「内縁のパートナー」「法人」「恋人」など、2親等を超える人物や血縁関係のない人を受取人にしたいときは、保険会社の定める条件を満たさなければいけません。

また、配偶者や2親等以内の血族以外を受取人に指定する場合、保険金目的の契約を防ぐために関係性の証明書類の提出を求められることもあります。

配偶者や子どもなら「相続税の非課税枠」がありますが、血縁関係がない人を受取人に指定すると、「贈与税」がかかるため税金が重くなる場合もあります。

複数人を受取人にすることもできる

一般的に、生命保険の受取人には複数人指定することも可能です。

複数の受取人に保険金を分配する場合、当然一人ひとりの受け取り額は減少します。

一方で、受取人を細かい割合で設定できる生命保険会社もあるため、受取人のニーズに応じた調整が可能です。

複数人にした場合、それぞれの受取人ごとに税金がかかることには注意が必要です。

受取人を途中で変更することも可能

生命保険の契約者は、原則として保険金の受取人を変更することができますが、受取人の変更にあたっては被保険者の同意が必要です。

たとえば、結婚や離婚などによって、生命保険の受取人を見直すことがあるかと思います。

もし受取人が亡くなった場合、新たな受取人を指定しなければ、死亡した受取人の法定相続人が保険金を受け取ることになります。

この場合、保険契約者の意図しない人に保険金が渡るリスクがあります。

そのため、受取人が亡くなった場合は、生命保険の契約内容の見直しを行い、意図する受取人を指定することが重要です。

受取人・契約者・被保険者の意味を知っておこう

受取人・契約者・被保険者の意味を知っておこう

生命保険の話をするうえで、受取人・契約者・被保険者の意味を理解しておかないと、話の流れがうまく掴めないことがあります。

ここからは、生命保険でよく使われる「受取人・契約者・被保険者」の意味を解説します。

受取人:保険金を受け取る人のこと

被保険者が死亡または高度障害になった場合に、生命保険会社から保険金を受け取る人のことです。

契約者:保険会社と契約を結んだ人で月々保険料を支払っている人のこと

生命保険を申し込んで、保険料を支払う人のことで、契約内容の変更の請求権や保険料支払義務などを持つ人のことをいいます。

被保険者:保険の保障を受ける人のこと

生命保険の契約において、保険の対象となる人のこと。

つまり、その人に万が一のことがあった時に、保険金が支払われるということです。

実際の意味合いは、以下の保険法第2条で定められています。

保険法 第2条(定義)
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。(略)
二保険者 保険契約の当事者のうち、保険給付を行う義務を負う者をいう。三保険契約者 保険契約の当事者のうち、保険料を支払う義務を負う者をいう。四被保険者 次のイからハまでに掲げる保険契約の区分に応じ、当該イからハまでに定める者をいう。イ損害保険契約 損害保険契約によりてん補することとされる損害を受ける者ロ生命保険契約 その者の生存又は死亡に関し保険者が保険給付を行うこととなる者ハ傷害疾病定額保険契約 その者の傷害又は疾病(以下「傷害疾病」という。)に基づき保険者が保険給付を行うこととなる者五保険金受取人 保険給付を受ける者として生命保険契約又は傷害疾病定額保険契約で定めるものをいう。(略)

引用:保険法(平成20年6月6日法律第56号)
http://www.nn.em-net.ne.jp/~s-iwk/current/hokenhou/a002.html

生命保険の受取人を決めるときは「税金」に注意

生命保険の受取人を決めるときは「税金」に注意

生命保険の受取人を決める際に気になるのが、税金のことです。

受取人は、事前に相続税・贈与税・所得税・住民税のいずれかの課税対象になるだろう、ということは頭に入れておくことが必要です。

税金がかかるケース

  • 解約返戻金:生命保険を途中で解約したときに受け取るお金で、所得税がかかります
  • 死亡保険金:被保険者が死亡したときに受け取る保険金のことで、相続税や贈与税がかかります
  • 満期保険金:生命保険が満期を迎えたときに受け取るお金です。所得税や贈与税がかかります。
  • 個人年金保険:生命保険から個人年金として支払いを受けるときには、所得税や贈与税がかかります。
  • その他:生命保険会社から数年ごとに受け取ることができる給付金や、生存していると途中で受け取れるお祝い金などのことを指します。これらには所得税がかかります。

税金がかからないケース

  • がん保険:がんと診断された場合の入院・通院、手術の給付金
  • 介護保険:介護認定されたときに給付される介護一時金など
  • 医療保険:入院したときに受け取る入院給付金など

契約者と被保険者が同じ場合には相続税がかかる

生命保険の契約者と被保険者が同じで、受取人が異なる場合は「相続税」の対象になります。

このとき、受取人が法定相続人であれば死亡保険金の非課税枠が適用されます。

非課税となる金額の計算式は、「法定相続人の数×500万円」です。

契約者と受取人が同じ場合は所得税がかかる

生命保険の契約者と受取人が同じ場合、受け取る死亡保険金は一時所得となり、「所得税」の対象になります。

金額の計算式は、「(受取保険金額-払込保険料総額-特別控除額50万円)×1/2=課税一時所得金額」です。

しかし、契約者と受取人が同じだとしても、年金として受け取る場合には雑所得の扱いとなります。

契約者、被保険者、受取人がすべて違う場合は贈与税がかかる

受取人、契約者、被保険者が3つとも違う場合には「贈与税」の対象になります。

贈与税の計算式は、「1年間の贈与額の合計-基礎控除110万円×税率」です。

最低税率の10%が適用されるのは課税価格200万円までとなります。

逆に課税価格3,000万円を超えると最高税率の55%が適用されます。

受取人が法定相続人以外の場合には非課税枠は適用されない

契約者と被保険者が同じで、受取人が法定相続人以外の場合、死亡保険金の非課税枠は適用されません。

したがって、保険金として受け取った全額が相続税の対象になります。

引用:国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm

受取人の選択で後悔しないように保険のぷろに任せよう

受取人の選択で後悔しないように保険のぷろに任せよう

この記事では、生命保険の受取人は誰にすべきか、決めるときの注意点などを解説しました。

受取人は誰でも良いと思ってしまいがちですが、しっかり税金の知識を入れておかないと損をしてしまうことになりかねません。

生命保険の税金はかなり複雑な面もあり、一人の力で解決しようとするにはかなりの時間もかかる上、間違いも起こってしまうかもしれません。

そんなときに、保険のぷろに頼ることで問題もすぐに解決することができます。

受取人の選択で後悔しないように、保険のぷろに頼ってみてはいかがでしょうか。

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