外貨建ての生命保険とは?特徴やメリット・デメリットを解説!

外貨建ての生命保険とは?特徴やメリット・デメリットを解説!

外貨建ての生命保険とは?特徴やメリット・デメリットを解説!

生命保険(死亡保険)

生命保険のなかには、外貨で保険料の支払いや保険金の受け取りができる「外貨建ての生命保険」があります。

米ドルや豪ドルなどの外貨は日本円よりも利回りが高いケースが多く、注目を集めている商品です。

この記事では、外貨建ての生命保険の特徴やメリット・デメリット、注意すべきポイントについて解説していきます。

外貨建ての商品をおすすめする人のタイプも合わせてご紹介していくので、生命保険への加入を検討している方はぜひ記事を参考にしてみてください。

高橋朋成

年金アドバイザー / EQプロファイラー / 2級ファイナンシャルプランニング技能士

この記事の監修担当者:株式会社クロックアップ 代表取締役 高橋朋成

20年以上にわたり外資系生保や損保系生保などで、販売現場での営業スタッフの採用や実践を活かした生保販売や育成手法に携わった経験を損保代理店向けに特化してアレンジし2013年に株式会社クロックアップを設立。

業務内容は損保代理店の
専属コンシェルジュとして
① 保険営業職の人材紹介、マッチングサポート
② 損保営業マン向け生保クロスセル研修
③ 代理店M&Aマッチングサポート等
を行っている。

外貨建ての生命保険とは?

外貨建ての生命保険とは?

外貨建ての生命保険とは、外貨で保険料を積み立てて運用するタイプの保険商品のことです。

通常の生命保険は日本円で保険料を支払い、保険金・解約返戻金も日本円で受け取ります。

しかし、外貨建ての生命保険では、保険料・保険金ともに外貨によって受け渡しされることが特徴です。

米ドルや豪ドル、ユーロなどの外貨建て生命保険が販売されており、日本円を外貨に交換して運用することになります。

現在の日本は超低金利の時代であるため、金利の高い外貨などで運用することで高い利回りを狙うことができます。

円貨で支払う生命保険との違いは?

円貨で支払う生命保険との違いは?

外貨建ての生命保険と円建ての生命保険は、基本的な商品の仕組みに大きな違いはありませんが、為替レートの変動によって運用成果に違いが生まれます。

米ドルや豪ドル、ユーロなどで積み立てていく外貨建ての生命保険は、「日本円/米ドル」「日本円/豪ドル」の為替レートが変動することによって損益が発生します。

例えば、同じ1万米ドルの保険金でも「1米ドル=100円」のときは100万円、「1米ドル=90円」のときは90万円と運用成果が変動します。

円建ての生命保険は、保険料の支払い・保険金の受け取りが日本円であるため、為替の影響を受けません。

通常の運用成果に為替の変動による損益が上乗せされる点が、外貨建て生命保険の大きな特徴です。

外貨建てのメリット

外貨建てのメリット

ここまで外貨建て生命保険の特徴をご紹介してきましたが、どのようなメリットがあるのでしょうか。

外貨建て生命保険には、主に以下のようなメリットがあります。

  • 日本円と比較して金利が高い
  • 通貨を分散できる
  • 為替による利益を得られる可能性がある

それぞれのメリットを把握しておきましょう。

日本円と比較して金利が高い

外貨建ての生命保険で運用される米ドルや豪ドル、ユーロなどの通貨は、一般的に日本円よりも高い金利であることが多いです。

円建ての生命保険よりも高い利率で運用されるため、より高い運用成果を見込むことができます。

また、運用成果が高くなる分だけ保険料も割安に抑えることができます。

日本と比べて金利の高い国の恩恵を受けられる点が、外貨建て生命保険のメリットです。

通貨を分散できる

外貨建ての生命保険を契約することで、保有資産を円だけでなく外貨にも分散させられます。

同じ通貨だけを保有していると、その通貨の価値が下落した際に保有資産全体の価値が下落するリスクを抱えることになります。

日本円のほかに米ドルやユーロなどの外貨を保有しておくことで、通貨価値の下落リスクに備えられる点が、外貨建ての生命保険のメリットです。

為替による利益を得られる可能性がある

外貨建ての生命保険は、日本円と外貨の為替レートによって保険金の受け取り額が変わります。

そのため、為替の動きによっては利益を得られる可能性があります。

例えば、「1米ドル=100円」のときに1万米ドルの保険料を支払い、「1米ドル=110円」のときに同じく1万米ドルの保険金を受け取る場合。

保険料支払いのときは「1万米ドル=100万円」ですが、受け取り時には「1万米ドル=110万円」となり、10万円分の利益が発生します。

保険料の支払い時期と比べ、保険金受け取るときの円の価値が相対的に下がっている場合は、為替による利益が得られることを把握しておきましょう。

外貨建てのデメリット

外貨建てのデメリット

外貨建ての生命保険のデメリットは、主に以下のような点が挙げられます。

  • 為替変動による元本割れのリスクがある
  • 為替手数料がかかる
  • 受け取れる保険金額を予測しづらい

デメリットをそれぞれ事前に確認しておきましょう。

為替変動による元本割れのリスクがある

メリットの方で「為替変動によって利益が出る可能性がある」とご紹介しましたが、一方で元本割れをしてしまうリスクがあることに注意が必要です。

例えば、「1米ドル=100円」から「1米ドル=90円」に変動した場合、損失が発生します。

支払った保険料よりも受け取り額が少なくなる元本割れのリスクがあります。

為替の変動は利益が出る可能性だけでなく、損失を抱える可能性もあることに注意しておきましょう。

為替手数料がかかる

外貨建ての生命保険に契約する場合、日本円と外貨を交換する必要があります。

その際、為替手数料が発生し、手数料は契約者が支払うことになります。

円建ての生命保険では為替手数料は発生しないため、外貨建て生命保険特有のデメリットと言えます。

受け取れる保険金額を予測しづらい

外貨建ての生命保険は、為替の動きによって受け取れる金額が変化します。

そのため、受け取れる金額をあらかじめ予測しづらいという点がデメリットです。

基本的には生命保険は、将来に向けた備えという性質を持っている商品です。

万が一の際に、どれくらいの金額を受け取れるのかを把握した上で資産を準備していくことになります。

どれくらいの保険金を受け取れるかを把握しておきたい人にとって、外貨建ての生命保険は向いていません。

契約時に受け取り額が分かる円建ての生命保険で、保険金を準備しておくことをおすすめします。

外貨建ての生命保険はこんな人におすすめ!

外貨建ての生命保険はこんな人におすすめ!

外貨建ての生命保険は、以下のような人におすすめです。

  • 外貨を保有しておきたい人
  • リスクを取って運用したい人
  • 外貨を使う予定がある人

おすすめする人をそれぞれ解説していきます。

外貨を保有しておきたい人

外貨建て生命保険に契約すると、間接的に外貨を保有することに繋がります。

資産の中に外貨を組み込みたい人は、外貨建て生命保険を活用すると良いでしょう。

例えば、米ドル建ての生命保険に契約しておくと、日本円の価値が米ドルと比べて下落した際のリスクに備えられます。

通貨を分散して保有することで、通貨の価値変動のリスクを軽減できます。

保険商品を通じて外貨を保有したい人は、外貨建ての生命保険を活用しましょう。

リスクを取って運用したい人

外貨建ての生命保険は、円建ての商品と比べて為替のリスクが上乗せされる分、運用の成果も変動しやすいことが特徴です。

そのため、保険商品でリスクを取った運用をしたい人は、外貨建て生命保険がおすすめです。

例えば、今後米国の通貨の価値が上がっていくと予想する場合は、米ドル建ての生命保険に加入することで、米国の将来性に投資することにも繋がります。

万が一の備えた保障と、将来性のある通貨への投資を両立したい人は、外貨建ての生命保険がおすすめです。

外貨を使う予定がある人

今後、外貨を使う予定がある人も、外貨建ての生命保険を活用することをおすすめします。

保険金として受け取った外貨を日本円に交換せずに、そのまま外貨で保有しておくことでいずれ使うことができます。

例えば、子どもが米国に留学する予定がある場合、米ドル建ての生命保険で生活資金を用意することが可能です。

米ドルで受け取った満期保険金や解約返戻金などを、留学費用に充てることができます。

今後、外貨を使いたいと考えている方は、外貨建ての生命保険がおすすめです。

加入時に注意すべきポイントは?

加入時に注意すべきポイントは?

外貨建ての生命保険を契約する際、以下のような点に注意しておく必要があります。

  • 為替動向をチェックしておく
  • 保険金を預けられる商品を選ぶ
  • 為替手数料を確認する

これから契約したいと考えている方は、ぜひこちらをチェックしてみてください。

為替動向をチェックしておく

外貨建ての生命保険は、為替の変動によって受け取れる金額が異なります。

保険商品が運用する外貨が、今後日本円に対してどういった値動きをするのかを予測しておくことが大切です。

もちろん、為替の動きを確実に予測することはできませんが、自分が契約している保険商品の運用成果に為替は大きく関わります。

できる限りニュースを見て、為替の動きを把握しておくことをおすすめします。

保険金を外貨で預けられる商品を選ぶ

商品によっては、受け取る保険金を外貨のまま預けておける保険もあります。

例えば、保険料の支払い時の為替が「1米ドル=100円」、保険金受け取り時の為替が「1米ドル=90円」の場合は為替で損をしてしまいます。

しかし、外貨のまま預けておいて、「1米ドル=100」に戻ったり、「1米ドル=110円」まで為替が動いたりしたタイミングで、日本円と交換することで損失を防ぐことが可能です。

契約しようとしている商品が外貨で預けられるかどうかを、事前に確認しておきましょう。

為替手数料を確認する

外貨建ての生命保険を契約する場合、日本円と外貨を交換する際の為替手数料がかかることに注意が必要です。

基本的に日本円と外貨を交換する際に、為替手数料は上乗せされます。

例えば、「1米ドル=100円」という為替レートのときでも、手数料分が上乗せされることで「1米ドル=100.50円」にて交換するような形となります。

保険の契約をする前に、どれくらいの為替手数料が上乗せされているのかを確認しておくことをおすすめします。

保険加入にお悩みなら保険相談窓口を利用しよう

保険加入にお悩みなら保険相談窓口を利用しよう

ここまで外貨建ての生命保険についてご紹介してきましたが、結局どのタイプの保険に加入するべきかお悩みの方も多いでしょう。

そんな方は、保険相談窓口を利用することをおすすめします。

保険相談窓口には、お金に関する専門家である「ファイナンシャル・プランナー(FP)」が在籍しており、保険に関してのアドバイスを受けることができます。

各保険会社の保険商品ラインナップの中から、適切な保険プランを設計・提案してくれるため、保険に関する知識に自信がない人でも安心です。

必ず保険に加入しなければならないわけではないので、無料相談だけしてみるということもできます。

外貨建ての生命保険への加入についてお悩みの方は、一度保険相談窓口を利用してみてはいかがでしょうか。

また、当サイトでも「生命保険の正しい選び方」と題して、損をしづらい生命保険の選び方を紹介しております。相談前に事前知識として生命保険の選び方を学ぶことも可能ですので、良ければぜひご覧になってください。

生命保険(死亡保険)の正しい選び方を解説!目的を整理して正しく選ぼう

まとめ

この記事では、外貨建ての生命保険の特徴や円建てとの違い、メリット・デメリットなどを解説してきました。

外貨建ての生命保険は、日本円よりも金利が高いことが多く、為替による運用利益が得られる可能性もある商品です。

ただし、為替手数料がかかり、損失を抱える可能性がある点に気を付けておきましょう。

また、加入する保険商品にお悩みの方は、無料の保険相談窓口を利用することをおすすめします。

専門家による保険プランの提案をもとに、ご自身に最適な保険商品を選びましょう。

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