生命保険代理店に支払われる手数料は本当に高いのか?仕組みを解説

生命保険代理店に支払われる手数料は本当に高いのか?仕組みを解説

生命保険代理店に支払われる手数料は本当に高いのか?仕組みを解説

生命保険(死亡保険)

生命保険に加入する際、商業施設や駅前にある「保険ショップ」を利用する人が増えています。

保険ショップでは複数の保険会社の商品を取り扱うため、数ある保険商品の中から自分により最適な保険を選ぶことができるでしょう。

このような店舗を代理店といい、保険会社に代わって商品の案内・販売(募集)を行っています。実は、代理店で保険に加入すると、保険会社から代理店側に手数料が支払われていることをご存知でしょうか?

今回は保険の代理店の仕組みに加え、代理店側に支払われる手数料の詳細について解説します。

保険代理店について正しく理解し、代理店を経由した保険加入について知っておくことで、不信感を抱くことなく生命保険に加入できます。

高橋朋成

年金アドバイザー / EQプロファイラー / 2級ファイナンシャルプランニング技能士

この記事の監修担当者:株式会社クロックアップ 代表取締役 高橋朋成

20年以上にわたり外資系生保や損保系生保などで、販売現場での営業スタッフの採用や実践を活かした生保販売や育成手法に携わった経験を損保代理店向けに特化してアレンジし2013年に株式会社クロックアップを設立。

業務内容は損保代理店の
専属コンシェルジュとして
① 保険営業職の人材紹介、マッチングサポート
② 損保営業マン向け生保クロスセル研修
③ 代理店M&Aマッチングサポート等
を行っている。

保険代理店ってなに?

保険代理店ってなに

保険代理店とは、顧客と保険会社の間に入る第三者機関です。契約は保険会社と契約者が結びますが、代理店は契約者に対する保険の勧誘や商品の説明、契約手続きなどを保険会社に代わって行います。

これまでは、保険会社の営業担当者から直接保険に加入することが一般的でした。しかし、最近は「さまざまな保険商品を比較した上で加入したい」「中立な立場にいる保険ショップの人に相談したい」などと考える人が増え、保険代理店は徐々に増えています。

この保険代理店が提供するサービスとして、各種保険商品の紹介やアドバイス、ライフプランに沿った提案の他にも、加入時の手続きがあります。

氏名・住所の変更手続きや給付金・保険金の請求サポートまで担当してくれることがあり、保険に関する総合的なサービスを提供しています。

なお、保険代理店は、一般的に顧客からの保険の相談には無料で応じています。しかし、保険商品を販売できた場合には保険会社から報酬として所定の手数料が支払われる仕組みになっており、保険会社からの手数料(報酬)が代理店の収益源です。

保険代理店をセカンドオピニオンの手段として利用する人も多く、複数の商品を比較するためにも保険ショップなどの代理店の利用も検討しましょう。

なお、代理店を利用したからといって、契約者が別途手数料を支払うというわけではないのでご安心ください。

生命保険の代理店に手数料が発生している理由

では、どうして代理店が生命保険を販売すると手数料が発生するのでしょうか。先述の通り、生命保険を販売した代理店には保険会社から報酬が支払われます。

つまり、代理店に支払われる手数料とは、保険を販売するという業務を遂行した結果への対価と考えることができます。

ここで、手数料についての理解を深めるために、保険会社側と代理店側のそれぞれの立場で手数料について考えてみましょう。

まず、保険会社の場合、代理店が保険会社に代わって生命保険を販売してくれるため、新規の保険契約を得ることそのものが保険会社の利益となっています。

そのため、保険会社に代わって保険商品を販売してくれた代理店には、お礼として所定の手数料が支払われます。

一方、代理店は顧客にさまざまな保険商品を紹介して契約手続きを行うという実務が発生しており、その実務(仕事)への対価(報酬)が手数料になります。

そのため、代理店は保険商品を販売すればするほど報酬を得ることができるため、さまざまな保険商品を取り扱い、より顧客のニーズに応えられるようにしています。

つまり、代理店が保険を販売してくれるため保険会社は何もせず新たな契約者を確保することができる点と、保険を販売する度に報酬として手数料を受け取ることができる点が、保険会社と代理店それぞれのメリットと言えます。

生命保険の手数料は高額に思われるが実際はどうなの?

生命保険の手数料は高額に思われるが実際はどうなの

代理店を通じた生命保険加入時は、保険会社から代理店側に手数料が支払われています。そのため、「もしかして非常に高い手数料が支払われているのではないか」という疑念を抱くのも無理はありません。

ここではまず保険料の内訳についてお伝えした上で、実際に代理店に支払われる手数料を解説します。

保険料の内訳

そもそも生命保険は、契約者が支払う保険料と保険会社が支払う保険金が等しくなるように保険料を算出しています。

この収支相等の原則に基づいて設定される保険料は純保険料と付加保険料の2つに分けられ、純保険料は将来の保険金の支払いに充当されます。

つまり、保険会社から代理店側に支払われる手数料は、人件費や広告宣伝費などの経費に充当される付加保険料から捻出されていることを覚えておきましょう。

代理店に支払われる手数料の金額

生命保険の代理店に支払われる手数料は、保険会社との委託契約によって定められています。この手数料は保険会社ごとに異なり、さらに保険商品によっても差が生じるものの、一般的には5〜7%程度とされています。

例えば生命保険の代理店が医療保険を販売した場合、より大きな保障を付加した保険のほうが契約者が支払う保険料が高くなり、結果として保険会社が代理店に支払う手数料も増えます。

しかし、これでは代理店側が「とにかく保障の大きな保険を販売したい」と考え、契約者のニーズに沿わない保険を紹介・販売しかねません。

そのため、契約後の短期での解約や代理店や、その代理店の従業員(募集人)が契約者となる自己契約などには、手数料不払いなどのペナルティーが科されています。

代理店は常に顧客目線に立ってニーズに合う商品を提案しており、丁寧なヒアリングや相談に基づいて最適な保険を提案してくれます。

代理店の手数料体系の開示・透明化が進んでいる!

代理店に支払われる手数料は、保険会社・商品ごとに異なるため、「この代理店にはいくら手数料が支払われるのだろうか」と懐疑的になる人もいるかもしれません。

最近では、代理店の手数料体系をきちんと開示し、手数料をできるだけ明瞭でわかりやすいものにする動きがあります。

例えばライフネット生命の場合、代理店に支払う際の手数料率について自社のホームページ上で公開しています。年換算保険料を元に、代理店への手数料がわかりますので、一度確認してみると良いでしょう。

また、基本手数料と品質手数料の2種類を設定しており、代理店による強引な契約や虚偽の説明による勧誘・募集行為がないかを適宜チェックしています。

その他保険各社の方針

代理店に支払う手数料率は、ライフネット生命に限らず他の保険会社も同様に公開しています。

オリックス生命では、基本手数料の算出イメージの図解があるほか、SOMPOひまわり生命では品質効果の項目について詳細に開示されています。

気になる方は、加入を検討している保険会社のホームページにアクセスするなど、手数料について調べてみると良いでしょう。

参考:オリックス生命「募集代理店に支払う手数料の考え方」
参考:SOMPOひまわり生命「保険募集代理店に支払う手数料体系について」

それでも、生命保険に加入する意味はあるのか?

それでも、生命保険に加入する意味はあるのか

代理店を経由した生命保険加入の場合、保険会社から代理店側に手数料が支払われるため、「保険ショップなど、代理店を通じて生命保険に加入する意味はあるのだろうか」「自分自身でネット保険に加入したほうが良いのではないか」という気持ちを抱くかもしれません。

先述の通り、生命保険料の内訳は純保険料と付加保険料に大別され、契約者が支払う付加保険料を財源として、代理店側にいくらかの手数料が支払われています。

各生命保険会社が、代理店側に支払う手数料の詳細を開示しているものの、実際どれくらいの手数料が支払われているのかを契約者が把握することは難しいのが現状です。

しかし、契約者が保険会社に支払う保険料は、前提として万が一の際に支払われる死亡保険金等の財源になります。

生命保険に加入することでしっかりとした保障を確保していることを考えると、ごくわずかな割合が代理店側へと支払われていると考えることができます。

また、代理店の担当者から商品の詳細説明やライフプランに応じた商品案内を受けていることを考えると、保険会社から代理店に多少の手数料が支払われたとしても納得できるのではないでしょうか。

生命保険に加入する際には、代理店の担当者にしっかりと自身のニーズが考えを伝えるとともに、以下の記事を参考にしながら自分に合う生命保険を探してみましょう。

関連:生命保険(死亡保険)の正しい選び方を解説!目的を整理して正しく選ぼう

まとめ

駅前や大型商業施設の中にある保険ショップなどの代理店を通じて生命保険に加入することはますます一般的になってきています。

契約が成立すると保険会社から代理店に所定の手数料が支払われます。

最近は各保険会社がホームページなどで手数料体系を明示しており、契約者のニーズに基づいた適切な募集(勧誘)が徹底されています。

そのため、代理店が手数料を目的とした強引な勧誘は行われておらず、安心して代理店に相談することが可能です。

生命保険加入時には、さまざまな生命保険商品を比較・検討できる代理店を積極的に利用しましょう。

-生命保険(死亡保険)

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