さまざまな保険会社から医療保険が販売されていますが、その保障内容や保険料はものによって大きく異なります。このため「見積もりで一番安い医療保険を契約すればいいのでは?」と考える人もいるでしょう。
しかし、安い保険料というだけで、加入する医療保険を選ぶと必要な保障内容が得られない可能性があるため注意が必要です。
本記事では保険料が安い医療保険に加入するメリット・デメリットを解説します。民間の医療保険の平均保険料やおすすめの商品にあわせて、更に安い保険料で加入するための秘密も紹介。
これから医療保険に加入しようと考えている方、保険料が安い医療保険に切り替えようか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
民間医療保険の平均保険料は?基準を把握しておこう
生命保険文化センターの調査によると、医療保険を含めた生命保険の保険料の平均は1年間でおよそ40万円です。ただし、平均保険料は減少傾向で、月額1~2万円未満の保険料を支払っている家庭が最も多いことを念頭に置いておきましょう。
また、同データでは、年間84万円以上もの保険料を支払っている家庭もあることが分かっており、これが生命保険の保険料の平均額を押し上げていると考えられます。
なお、男性・女性別だと、男性の年間支払額がおよそ20万円であるのに対して、女性は15万円と性別によって差があることも分かりました。
収入や家計の状況によっても、医療保険を含む生命保険の年間支払額が変わってくるため、ここで紹介した平均額は参考程度と考えておくことをおすすめします。
安い医療保険に加入するメリット・デメリット
冒頭で触れたとおり、医療保険のなかには保険料が安い商品も存在します。毎月の支払額が抑えられるためお得に感じるかもしれませんが、加入前にデメリットも把握しておくことが大切です。
ここでは、保険料が安い医療保険を選ぶメリット・デメリットをあわせて確認しましょう。
毎月の負担が軽減
保険料が安い医療保険に加入すると、毎月の支払額が少なくなり、家計の負担が軽くなるメリットがあります。
自分や家族が生活するためには保険料だけでなく、食費や日用品費、学費などさまざまな費用がかかります。このため、将来のケガ・病気に備える医療保険の支払額を抑えられるというメリットは、かなり大きなものといえるでしょう。
保障の充実度に注意・更新後の保険料が高いことも
安い保険料に加入する際に気を付けたいことは、十分な保障が得られるかどうかです。
いくら保険料が安くても、被保険者が万が一ケガ・病気になった際、必要な保険金が得られなくてはわざわざ医療保険に加入する意味がありません。保険料が安い医療保険は必ず保障が不足するというわけでありませんが、しっかり確認しておいた方が安心です。
この他、保険料が安い定期型の医療保険だと、契約更新の際に保険料がぐっと上がる可能性があります。
解約返戻金や満期保険金が発生しない(貯蓄性がない)保険である場合もあるため、加入の際は慎重に情報を確認するようにしてください。
安い医療保険の選び方・確認ポイント
家計の負担を考えて、保険料が安い医療保険への加入を決めた場合は、次のようなポイントをチェックすることをおすすめします。順番に確認していきましょう。
入院給付金の支払限度日数・日額
入院給付金とは、被保険者がケガや病気の治療のために医療機関へ入院した際に保険会社から支払われる保険金です。保険会社や契約プランごとに支払限度日数や日額が定められているため、医療保険に加入する前に確認しましょう。
保険料が安い医療保険だと、支払限度日数や日額が少なめに設定されている場合もあるため注意が必要です。
入院給付金のおすすめ設定金額など、更に詳しく知りたい方は以下の記事を確認してみてください。
手術給付金の倍率
医療保険の被保険者がケガや病気の治療のために、医療機関で保険会社所定の手術を受けると支払われる保険金は手術給付金です。保険会社や契約プランごとに、支払条件や倍率が決められています。
たとえば手術の種類にかかわらず倍率が決められているタイプや、手術の種類によって倍率が変動するタイプがあります。
保険料が安い医療保険の場合、倍率が一律で定められてることが多いですが、さまざまなリスクに幅広く対応したいと考えているなら倍率が変動するタイプを契約した方が安心感があるでしょう。
保険料の払込期間・保険期間
医療保険のなかには、契約している間ずっと保険料を支払う終身払込タイプ、あらかじめ期間を決めてその間だけ保険料を支払う有期払込タイプがあります。
保険料が安い医療保険を契約したいなら、終身払込タイプを選びましょう。ただし、一生涯保険料を支払わなければ保障を得られない点に注意が必要です。将来の支払いを考えて、有期払込タイプを選択する方もめずらしくありません。
また、保険期間も加入する医療保険によって異なります。安い保険料の医療保険に加入したい場合は、保険期間が具体的に定められている定期タイプが人気です。一生涯保障される終身タイプは、定期タイプよりも保険料が割高な傾向であるため加入前にしっかりシミュレーションしておきましょう。
特約の有無・内容
医療保険は、特約を基本保障にプラスすることで保障の幅を広げることができます。ただし、安い医療保険だと特約を付帯できなかったり、選択できる特約の種類が少なかったりするため要注意です。
特約の内容は保険会社や契約プランによって異なりますが、たとえば入院一時金特約や通院給付金特約、先進医療給付金特約などがあります。
保険会社の公式ホームページやパンフレットなどで確認できるので、いろいろな医療保険の特約を比較検討してみてください。
おすすめの安い3つの医療保険の違いを比較してみよう
ここでは、実際に保険会社から販売されている保険料が安いおすすめの医療保険を3つ紹介します。
1. FWD医療(FWD生命)
1つ目におすすめするFWD生命の「FWD医療」は、日帰り入院から保障される医療保険です。3大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)に対する補償が特に手厚く、一時金特約や保険料の払込免除特約なども用意されています。
また、被保険者の健康状態が良ければ、通常よりも安い保険料が適用される制度も設けられています。
インターネットから申し込みできるため、仕事や家事などで保険会社の窓口に行けるようなまとまった時間をとることが難しい方へおすすめの医療保険です。
2. 終身医療保険プレミアムZ(チューリッヒ生命)
チューリッヒ生命が販売する終身医療保険プレミアムZは、日帰り入院からしっかり保障する医療保険で、手術は入院の有無にかかわらず1,000種類ほど保障します。
安い保険料でありながら、終身のため一生が上がらないのが人気のポイントです。
必要に応じて特定疾病一時金特約、保険料払込免除特約、入院一時金特約などの付帯も可能です。
また乳房の良性新生物や子宮内膜症、異常分娩など女性特有の病気などの保障を用意することもできます。(※女性特有の病気に備えたい場合は同社が販売する「終身医療保険 プレミアムZ Lady」に申込み)
3. 健康をサポートする医療保険 健康のお守り(SOMPOひまわり生命)
SOMPOひまわり生命が販売する健康のお守りは、ケガや病気の治療のための入院や手術の費用を保障する医療保険です。保障は一生涯続き、保険料は加入時のままの金額が適用される点がうれしいポイント。
特約を付帯することで、先進医療の技術料を通算2,000万円まで保障したり、七大疾病に対する補償を得たりすることも可能です。
健康をサポートする医療保険 健康のお守り(SOMPOひまわり生命)
更に安い保険料で加入できる?確認すべき割引制度
これまで、安い医療保険に加入するメリット・デメリットや、保険料が安いおすすめ商品を紹介してきました。ここでは更に安い保険料で加入するために確認すべき割引制度や支払い方法について解説して行きます。
非喫煙者割引
非喫煙者割引は、医療保険において喫煙しない人に対して適用される保険料の割引制度です。
喫煙は健康に悪影響を及ぼすため、非喫煙者は病気や健康リスクが低いと見なされます。そのため、保険会社は非喫煙者のリスクを低く評価し、安い保険料にすることで喫煙者とのリスク差を反映します。
非喫煙者割引を受けるためには、保険契約時や定期的な健康診断などで喫煙していないことを証明する必要があります。非喫煙者であることによって、健康状態の良さを保険料に反映させることができます。
健康体割引
健康体割引は、医療保険において健康状態が良い人に対して適用される保険料の割引制度です。保険会社は、健康診断や健康管理の実施などを条件に設けています。
健康体であることは将来的な医療費のリスクが低いことを示し、保険会社はそのリスク低減を評価して保険料を割引します。
健康体割引を受けるためには、定期的な健康診断結果や健康管理の履歴などを提出する必要があります。主にBMIや血圧を元に健康体であるかどうかを判断する保険会社が多いです。
支払い方法
上記で紹介した割引が活用できなくても、支払い方法によって保険料が変わる保険会社もあるので確認してみましょう。
月払いと年払い
一般的に、年払いは月払いに比べて割引が適用されることがあります。保険会社は一括で受け取ることで管理コストを削減できるため、安い保険料になる傾向があります。
月払いでは、毎月同じ金額を支払うため生活費の生計が立てやすいメリットがあります。ただし、金銭的余裕がある人は支払総額を考慮して年払いを選択することをおすすめします。
自動引き落としやクレジットカード支払い
自動引き落としやクレジットカードでの支払いを選択すると、手続きが簡便になるため、保険会社は手数料の削減や効率化を図れるため、保険料の割引が提供される場合があります。
保険料への影響は保険会社によって異なるため、具体的な割引内容や条件は保険契約や各保険会社のポリシーによって異なります。
保険料を決定する際には、支払い方法の選択肢や割引制度を確認し、個々の状況に最も適した支払い方法を選ぶことが重要です。
契約・保障内容を見直すと保険料が安くなる可能性も
ここまで安い医療保険について紹介してきましたが、すでに医療保険に加入しているという方もいるでしょう。新しく別の医療保険に切り替えることが少し面倒に感じてしまう方もいるかもしれませんが、時間をとって保険契約・保障内容を見直すことで保険料が安くなるケースもめずらしくありません。
これは、現在のライフスタイルには不要な保障を見極め、本当に必要な保障を厳選できることが理由です。それまで余計に支払っていた保険料を削減できれば、家計にかかる金銭的な負担も軽くなるでしょう。
自分や家族だけで医療保険を含めた保険の見直しが難しい場合は、豊富な知識を持っているファイナンシャルプランナーに相談することも一つの方法です。プロに無料で相談できるサービスもあるので、この機会に利用を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
保険料が安い医療保険は、毎月の保険料の支払額を抑えられるため、とにかく家計の負担を軽くしたいという方にはおすすめの保険です。一方で、保険料が安い分、保障内容が限定的になっている可能性があるため、将来のリスクを考えて保障が手厚い医療保険を選びたいという方には不向きかもしれません。
保険料が安い医療保険に加入する際は値段だけでなく、自分や家族に必要な保障が得られるかしっかり確認するようにしましょう。
また、この機会に医療保険を含めた保険全体の見直しを行うこともおすすめします。本当に必要な保障を見極めることで、保険料が安くなる可能性もあります。自分や家族だけで保険の見直しを進めることが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。