介護保険料の支払いはいつから?納付方法や滞納するとどうなるかを解説

介護保険料の支払いはいつから?納付方法や滞納した場合について徹底解説

介護保険料の支払いはいつから?納付方法や滞納するとどうなるかを解説

介護保険

介護保険は、介護が必要な人を社会全体で支える仕組みです。

満40歳になった月から介護保険の被保険者となり、介護保険料を支払うことになります。

いつからいつまで納付するのだろうか」「どうやって納付するのか」という不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

この記事では、介護保険料について以下のポイントを解説します。

  • 介護保険料はいつから支払う?
  • いつから介護保険が適用される?
  • 介護保険料の納付方法
  • 介護保険料を支払わないとどうなる?

ぜひ本記事を参考に、介護保険への理解を深めていきましょう。

高橋朋成

年金アドバイザー / EQプロファイラー / 2級ファイナンシャルプランニング技能士

この記事の監修担当者:株式会社クロックアップ 代表取締役 高橋朋成

20年以上にわたり外資系生保や損保系生保などで、販売現場での営業スタッフの採用や実践を活かした生保販売や育成手法に携わった経験を損保代理店向けに特化してアレンジし2013年に株式会社クロックアップを設立。

業務内容は損保代理店の
専属コンシェルジュとして
① 保険営業職の人材紹介、マッチングサポート
② 損保営業マン向け生保クロスセル研修
③ 代理店M&Aマッチングサポート等
を行っている。

介護保険料はいつから支払う?

介護保険料はいつから支払う

介護保険は40歳になったタイミングで加入する公的保険制度です。

はじめに、介護保険料の基本的な内容やいつから支払いが始まるかを確認していきましょう。

介護保険料とは

介護保険料とは

介護保険料とは、介護保険に加入した際に支払い義務が発生する保険料のことです。

介護が必要な高齢者を社会全体で支える介護保険は、国や自治体の公費(税金)と国民から徴収された介護保険料が財源となっています。

介護保険が適用となった場合、介護サービスにかかる費用の自己負担が1〜3割に軽減されます。

残りの介護サービス費用のうち50%が国や自治体の公費、残る50%が介護保険の被保険者が支払う介護保険料でまかなわれる仕組みです。

満40歳になったときから支払いが始まる

満40歳になったときから支払いが始まる

介護保険の被保険者は、65歳以上の「第1号被保険者」と40歳〜64歳の「第2号被保険者」の2種類に分けられます。

そして介護保険料は第2号被保険者になった瞬間、つまり満40歳になったときから支払いの義務が発生します。

具体的な徴収開始のタイミングとしては「満40歳の誕生日の前日が属する月」です。

例えば4月2日が誕生日の場合、誕生日の前日は4月1日であるため、4月1日から第2号被保険者になり、4月から介護保険料が徴収されます。

一方で4月1日が誕生日の場合は、誕生日の前日が3月31日であるため、3月31日から第2号被保険者になり、介護保険料の徴収は3月から始まります。

自分がいつから介護保険料を徴収されるのかを確認しておきましょう。

いつから介護保険が適用される?

いつから介護保険が適用される?

40歳から介護保険料の支払いが始まりますが、介護保険の適用を受けられるのは原則として65歳以上の第1号被保険者です。

ただし、第2号被保険者であっても例外的に介護保険が適用されるケースがあるため、事前に確認しておきましょう。

65歳以上で要支援・要介護認定を受けた場合

65歳以上で要支援・要介護認定を受けた場合

介護保険料を滞りなく納めていた場合、65歳になると介護保険証が交付されます。

しかし介護保険証を持っているだけだと、介護保険は適用となりません。

介護保険のサービスを利用するためには、要支援・要介護認定が必要です。

要支援・要介護認定とは、介護がどれくらい必要かという度合いを数値にして認定する仕組みで、要支援1〜2と要介護1〜5まで段階があります。

要支援・要介護認定を受けると、度合いに応じて必要な介護サービスが給付されます。

65歳以上で介護保険の適用を受けたい方は、市区町村の窓口へ行って要支援・要介護認定の申請を行いましょう。

40歳〜64歳で特定疾病の場合

64歳で特定疾病の場合

介護保険が適用されるのは原則として65歳以上の第1号被保険者のみですが、40歳〜64歳までの第2号被保険者でも16種類の特定疾病に該当する場合は介護保険が適用となります。

16種類の特定疾病は以下の通りです。

 がん 関節リウマチ
筋萎縮性側索硬化症 後縦靱帯骨化症
骨折を伴う骨粗鬆症 初老期における認知症
進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病 脊髄小脳変性症
脊柱管狭窄症 早老症
多系統萎縮症 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
脳血管疾患 閉塞性動脈硬化症
慢性閉塞性肺疾患 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

上記の特定疾病に該当する場合のみ、40歳〜64歳でも介護保険が適用となります。

介護保険料の納付方法

介護保険料の納付方法

介護保険料は、65歳以上の第1号被保険者と40歳〜64歳の第2号被保険者では、それぞれ異なる納付方法となっています。

ここでは、それぞれの介護保険料納付方法について解説します。

40歳〜64歳は給与天引きまたは自分で納付

40歳〜64歳は給与天引きまたは自分で納付

40歳〜64歳の第2号被保険者は、健康保険や国民健康保険の保険料に介護保険料が上乗せされる形で支払います。

会社員の場合は毎月給与天引きで納付、自営業者の場合は口座振替や納付書で納付する仕組みです。

専業主婦(夫)などの扶養家族の介護保険料は、扶養主の介護保険料に含まれています

また、自営業者の場合は自分で納付しなければならず、国民健康保険料を滞納すると同時に介護保険料も滞納になるため注意が必要です。

65歳以上は年金から徴収

65歳以上は年金から徴収

65歳以上の第1号保険者の場合、原則として年金から天引きされる「特別徴収」という形で介護保険料を納付します。

自動で天引きされる仕組みであるため、特別な手続きは必要ありません。

ただし、年金の年間受給額が18万円以下の場合や年金を繰下げ受給している場合は、「普通徴収」となります。

普通徴収になると口座振替や納付書で納付が必要となるため、支払いを忘れると滞納になってしまう点に注意しましょう。

介護保険料を支払わないとどうなる?

介護保険料を支払わないとどうなる

給与天引きや年金からの天引きで徴収されている場合、介護保険料は自動で引き落とされますが、自分で納付する場合は支払いを忘れてしまうケースがあります。

もし、介護保険料を支払わなかった場合はどうなってしまうのでしょうか。

ここでは、介護保険料を滞納した場合のペナルティについて解説します。

延滞金が発生

延滞金が発生

介護保険料を滞納すると、納付期限日の翌日から実際に納付する日までの日数に応じて延滞金が発生します。

本来支払う介護保険料に延滞金が上乗せされる仕組みです。

延滞金は日が経つほどに負担が大きくなるため、納付し忘れていることに気付いた場合は速やかに納付手続きを行いましょう。

介護サービス利用の負担が大きくなる

介護サービス利用の負担が大きくなる

介護保険料の滞納期間が1年を超えると、介護サービスを利用する際の支払い方法が変更されます。

滞納がなければ1割〜3割の自己負担だったものが、いったん全額を自己負担しなければいけません。

その後、返還申請を行うことで1〜3割を上回る部分は返還されますが、一時的に大きな負担となります。

また、滞納期間が1年6ヶ月を超えた場合は介護保険給付が止められ、全額自己負担となります。

給付されなかった分が滞納した介護保険料に充当され、返還されなくなるため注意が必要です。

最悪の場合は財産差し押さえのケースも

最悪の場合は財産差し押さえのケースも

滞納期間が2年を超えると、介護保険の自己負担割合が1割から3割に引き上げられ、自己負担が一定額を超えた場合に払い戻される「高額介護サービス費」も受けられなくなります

そして2年以上が経過すると時効となり、過去の滞納を納めることもできません。

また、最悪の場合は財産を差し押さえられ、滞納した介護保険料に充当される可能性もあります。

早めに減免措置の相談をする

早めに減免措置の相談をする

介護保険料を滞納すると、介護サービスの受給に大きな影響が発生します。

そのため、経済的な理由で介護保険料の納付が難しい場合は、市区町村の窓口に減免措置の申請に行きましょう。

また、介護保険料を支払えないほど経済的に苦しい場合は、生活保護の受給を申請するという手もあります。

生活保護を受給する場合は介護保険料が免除されるというわけではなく、生活保護費から介護保険料が引かれる仕組みになっています。

介護保険料の負担が大きい場合に活用できる制度はきちんと設けられているため、滞納する前に相談に行くことをおすすめします。

まとめ

まとめ

介護保険料は満40歳になったタイミングから支払いが開始します。

基本的には給与や年金から天引きとなりますが、自分で納付する場合には滞納に注意が必要です。

滞納するとペナルティが課されてしまうため、経済的な理由で納付ができない場合は早めに市区町村の窓口へ相談に行きましょう。

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