「民間介護保険に加入する必要があると思うんだけど、選び方がわからない」そういった悩みをお持ちの方は多くいらっしゃいます。あなたもそのお一人ではないでしょうか?
確かに、数多くある保険会社から一つの介護保険を選ぶのは難しいことです。それに、まだまだ民間介護保険の認知度は低いですから、そもそもどんな介護保険があるのかすら知らないとしてもおかしくありません。
ただ、民間介護保険の必要性を少しでも感じているのであれば、このままではまずいですよね。損をしない正しい介護保険の選び方を知っておきたいかと思います。
そこで、本記事では不動産や資産運用などを生業としているお金のプロである私が、民間介護保険の正しい選び方を解説します。同時に、民間介護保険商品を実際に比較し、どんな介護保険を選んだら将来安心か、ランキング上位の保険商品もご紹介。必ずあなたに役立つ情報を載せているので、ぜひ参考にしてみてください。
なお、介護保険の他にも、生命保険(死亡保険)やがん保険の選び方なども解説した記事があります。生命保険以外の保険にも興味をお持ちの方は、ぜひご覧になってみてください。
民間介護保険の選び方は?ポイントは4つ!
民間介護保険の選び方のポイントは以下の4つ。
- 貯蓄型 or 掛け捨て型
- 給付タイプは一時金 or 年金
- 保険期間は終身 or 定期
- 被保険者は家族 or 本人
これらのポイントを押さえつつ、将来の介護にどう備えたいと思っているのか、そして、どの保険ならカバーできるかを考えることとなります。
保障内容の比較・貯蓄型か、掛け捨て型か?
選び方の基本は、保障内容の比較で、保険商品に加入をするかどうかを比較検討することから始めましょう。
貯蓄性「掛け捨て型」「貯蓄型」に分かれるほか、保険料や解約返戻金の有無などに違いが見られます。
一般的に、掛け捨て型が保険料は少なく、貯蓄型の方が保険料は多くなります。「老後への貯金も兼ねて保障をつけたい」という場合には貯蓄型を選択するのがおすすめです。貯蓄型介護保険について、詳しい解説は下記記事をご覧ください。
給付金の受け取り方法の比較・一時金か、年金か?
給付金の受取方法…「一時金」「年金」「一時金・年金の併用」など利用者の希望に合わせた選び方が可能です。
また、介護度が高いとき・死亡時に受け取る保険金と、給付金と双方受け取れるプラン、給付金だけのものがあります。
年金型のほうが保険料の負担は大きくなりますが、一方で、介護のための積み立てを確実に行える便利さもあります。
また、一時金の額はまちまちですので、ご自身がどのようなニーズに合わせて加入しないといけないか、検討の上入っておきましょう。
一時金が高額になると保険料はそれに比例して上がっていきますので、無駄がないようにする必要があるのです。
保険の期間の比較・終身型か、定期型か?
保険料支払いの期間、保障の期間が「終身型」「定期型」から選べるなど、強制加入・支払い、保障ともに終身型(ただし、保険サービスの給付は原則65歳以上)の公的介護保険と異なります。
保険の契約者の比較・家族型か、本人型か?
民間の保険には、たとえば、世帯主が加入し、家族を被保険者とする・受取人とするといった設計が行われている家族型の保険があります。本人が契約をし、本人を被保険者とする本人型もあります。
これに対して、公的な介護保険の場合、加入して、受給を受けるのは本人に限られます。
もっとも、40歳から65歳までの間は、社会保険の被扶養者の健康保険から保険料を支払うことができますので、その範囲では「家族型」といえるかもしれませんが、加入者=受給者しかない点は覚えておきましょう。
その他にも、民間介護保険には、生命保険会社の商品か(こちらが商品数では多数です)、損害保険会社の商品か、共済の商品か、といった違いがあります。
簡単にいうと、損害保険会社の商品は、生命保険会社で標準となる定額の一時金ではなく、実損を補填する形の商品であることが原則です。
コープや、地方共済などの共済商品は、保険料が安めになっています。
各保険会社の人気保険商品の比較
各保険会社から、介護保険商品は多く発売されていますが、ここではネット加入が可能で、忙しい方でも加入手続きがしやすい介護保険を中心にご紹介します。
要介護状態が軽くても給付金が下りる保険はどれ?
要支援状態でも介護保険の給付金が下りる保険の一つが、あんしん少額保険株式会社の「みんなのキズナ」です。
月々、1500円の掛け金で、84歳まで加入可能、女性の一時金支払い額が男性よりも大きいことも特徴の一つです。
要支援1から認定のあった場合、一時金の支払い対象になります。要支援状態になって、介護上限額の枠から出た費用を補填する場合に使えます。
死亡保険金も保険料を支払続けることにより下りることとなっており、余命宣告を受けた場合のリビングニーズ特約付きです。幅広い保障が魅力なので、ぜひ一度公式ホームページをご覧になってみてください。
民間老人ホーム入居など、まとまった一時金が必要な方は
介護保険でカバーされない費用の代表が、民間老人ホームに入居する際の入居一時金です。
保険料の負担を考えると、計画的に貯金をしておくことがおすすめですが、ちょっと足りない、という場合にうまく保険を併用し、保障を受けることはリスクの軽減に役立ちます。
この場合、要介護認定が2くらいからの一時金給付保障がある介護保険、あるいは独自の基準で一時金給付保障がある介護保険で数百万円程度の給付金があるものを中心に考えてみましょう。
ネットで加入が可能なものとしては、ANA(全日本空輸株式会社)の「親介護保険」は、ANAから販売している生命保険会社が引き受けをしている保険です。500万円までの一時金に対応しています。
また、この親介護保険は、ご本人の代理で、ご家族が申し込めたり、あるいは家族型の契約を選択できたりするので、ご本人とご家族のリスクに備えることをコンセプトにしている保険です。
ネットで加入手続きがすべて完結できるので、忙しいけど親御さんのことが気になっている、という方には大変便利な保険です。
積み立てて安心、年金型なら?
年金型の介護保険は、各生命会社から多くの保険商品が発売されており、保障内容に年金の給付が含まれています。
ランキングで人気の商品としては、スーパー介護年金プランV(アフラック)・あんしん介護年金(朝日生命)などがあります。
これらはネット加入ができませんが、相談窓口への無料相談は、インターネット経由で申し込むことができますので、一度相談してみることをおすすめします。
とにかく安い保険料でいい、安心を買っておきたい
先ほどの比較の視点でもご紹介した通り、保険選びの際に定期型・掛け捨てになると保険料は抑えることができます。
生命保険会社と比較すると、少額短期保険会社から発売されている商品は数百円からの保険料で加入が可能です。
例えば、アスモ少額短期保険「介護その時に」はこうした商品の一つです。
要介護状態・障害が重い時に一時金が支払われる「生きるんじゃ!」と合わせて加入しても、月々のやりくりのちょっとした工夫で加入可能な保険料に抑えられます。
あんしんにプラス、医療保険・生命保険の活用もおすすめ
介護保険で思い通りの保障内容に出会えない、と思われる方は、要介護状態になるまでに病気の診断で一時金が下りるタイプの医療保険・年金型の生命保険の組み合わせも考えてみましょう。
なんでも加入していては経済的な負担が重くなります。
もし難しい、と思われた場合は、お住いのエリアの保険市場・ほけんの窓口などの相談窓口を活用してみてはいかがでしょうか。
ご自身の状況と、お財布にあったプランの提案をしてもらえます。
まとめ
介護保険の民間保険商品は、公的介護保険の不足分・将来の制度変更・身寄りがないなど、介護の担い手に不安がある方、ご家族の負担を考えるうえで、入っておきたい方のニーズを満たす商品です。
一方、介護の公的保険でカバーされるサービスは大いに活用することで、保険料の負担を軽くすることも必要です。
ここでご紹介をした比較の視点を活用して、保障が無駄にならないように商品を選択し、ご自身の状況にあった安心を手に入れておくのが賢明と考えられます。