「生命保険を貯金代わりにできる」という話を聞いたことはありませんか?
実際、保障に加えて貯蓄性を兼ねた保険商品は存在しており、貯金代わりに使うことも十分に可能です。
この記事では、生命保険を貯金代わりに用いることについて、以下の3点を解説していきます。
- 貯金の代わりに生命保険を利用するメリット・デメリット
- 貯蓄型の保険がおすすめなのはどんな人?
- 基本的に保障と貯蓄は分けて考えよう
貯金代わりに生命保険への加入を検討している方は、ぜひ記事を参考にしてみてください。
貯蓄型の生命保険なら貯金の代わりにできる
生命保険は、大きく「掛け捨て型」と「貯蓄型」の2種類に分けられます。
このうち、貯蓄型の保険は払い込んだ保険料を積み立てることで、保障を備えつつ貯蓄性も兼ねている保険商品です。
例えば、終身保険や養老保険などのタイプは、「解約返戻金」を受け取ることができます。
途中で保障が不要となり、解約しても返戻金を受け取ることができるので、貯蓄と保障を両立可能です。つまり、貯金代わりのような感覚で生命保険に入ることができるのです。
ただし、生命保険でお金を貯めることについては、メリットとデメリットがあります。
それぞれ解説していくので、きちんと把握して自分に適切な保険に加入しましょう。
貯金の代わりに生命保険を利用するメリットは?
貯金の代わりに生命保険に加入するメリットは、主に以下のような点があります。
- 保障と貯蓄を両立できる
- 生命保険料控除の対象となる
- 強制的に貯金ができる
ひとつずつメリットを解説していきます。
保障と貯蓄を両立できる
生命保険を利用して貯金の代わりとする場合、保険本来の目的である保障に加えて貯蓄を兼ね備えることができます。
将来に向けた資金準備をしながら万が一に備えた保障も受けられるため、単純に貯金だけをするより良い、と考えられます。
例えば、終身保険に加入して生涯にわたる保障を備えつつ、子どもの教育に必要なお金を用意することができます。
子どもが幼いあいだは死亡保障を備えておき、大学進学などの独り立ちするタイミングで保険を解約して返戻金を学費等のお金に充てることも可能です。
保障と貯蓄を両立できる点は、貯金代わりに生命保険に加入することの大きなメリットです。
生命保険料控除の対象となる
単に貯金するだけでは得られないメリットとして、生命保険料控除を受けられることも挙げられます。
生命保険に加入していれば、払い込んでいる生命保険の保険料に応じて、一定の金額を保険契約者の所得から差し引くことで、所得税・住民税の負担を軽減することができます。
保険金の受取人が契約者本人だけでなく、配偶者やその他の親族も控除の対象です。
税金の負担を軽減できる点でも、生命保険を貯金代わりにすることの恩恵を受けられます。
強制的に貯金ができる
意思が弱くてなかなか貯金ができない、という人でも生命保険を貯金の代わりに利用することで強制的にお金を貯めることができます。
生命保険に加入している限りは、毎月・毎年のように保険料の支払いが必要となるため、ついついお金を使ってしまうのを防ぐことが可能です。
どうしても手元にお金があると、使ってしまうという方も多いのではないでしょうか?
生命保険を貯金の代わりとして利用することで、確実にお金を貯めていくことができるようになるのでおすすめです。
貯金の代わりに生命保険を利用するデメリットは?
貯金の代わりに生命保険に加入する場合、以下のようなデメリットもあります。
- すぐにお金を引き出せない
- 途中解約で元本を下回るリスクがある
- インフレによって相対的に価値が下がる可能性がある
ひとつずつ解説していくので、それぞれのデメリットを把握しておきましょう。
すぐにお金を引き出せない
生命保険を貯金の代わりにできるとは言っても、必要なお金をすぐに引き出せるわけではないことに注意が必要です。
銀行預金がATMからすぐに引き出して使うことができることと比べると、自由に使いにくいことがデメリットです。
解約返戻金額の一定範囲のなかでお金を借り入れられる「契約者貸付」という制度もありますが、返済には金利が上乗せされてしまいます。
さらに、貸付であっても銀行預金のようにすぐに手元にお金を用意できるわけではありません。
貯金代わりに使う場合はすぐに必要となるお金ではなく、老後の資産など将来必要となるお金として貯めておくことをおすすめします。
途中解約で元本を下回るリスクがある
終身保険や養老保険などの貯蓄型の積立保険は、途中で解約しても「解約返戻金」を受け取れることが特徴です。
しかし、解約返戻金は必ずしも払い込んだ保険料がすべて返ってくるわけではなく、解約時の返戻率によって返戻金額が異なります。
例えば、返戻率が50%のタイミングで解約すると、返戻金は払い込み保険料の半分となります。
一方、銀行預金での貯金では元本を損なうことは基本的にありません。
このように、元本割れのリスクについては、生命保険を貯金代わりに使うことのデメリットと言えるでしょう。
インフレによって相対的に価値が下がる可能性がある
インフレによって保険商品の価値が低下してしまう恐れがあることも押さえておきましょう。
価値が下落する理由は、インフレによる物価上昇で相対的に貨幣の価値が下落することにあります。
例えば、今日1万円で購入できた商品が1年後に値上がりしていた場合、現在の1万円では同じものが買えなくなります。
保険商品も将来必要なお金を現在のお金の価値で備えることになるため、相対的に価値が低下してしまいます。
通常の貯金であれば一部を資産運用に回すことも可能ですが、貯金の代わりに生命保険を利用してしまうと、自由なお金の使い方ができません。
生命保険への加入によって、インフレへの対策がしにくくなることに注意が必要です。
こんな人は貯蓄型の保険がおすすめ
ここまで、貯金の代わりに貯蓄型の生命保険を利用するメリット・デメリットをご紹介してきました。
それでは、一体どのような人が貯蓄型の生命保険を利用すると良いのでしょうか?
結論から言うと、貯金代わりに生命保険を利用すべき人は「長期目線での貯金が苦手な人」です。
生命保険を活用すれば、強制的にお金を貯めていくことができるため、苦手な人でもしっかりと貯金ができます。
ついついお金を使ってしまうということも防ぐことができ、日常生活のムダ使い削減にも繋がります。
一方で、貯金というよりも運用して資産を増やしていきたい、と考えている人は生命保険の利用をおすすめしません。
なぜなら、生命保険はあくまでも保障を目的とした商品であり、リターンを狙いに行く性質ではないからです。
貯蓄型の生命保険を選ぶ際には、どのような目的なのかをはっきりさせておきましょう。
基本的には貯蓄と保障は分けて考えよう
貯蓄型の生命保険を利用すれば貯金の代わりとして利用できますが、基本的に貯蓄と保障は分けて考えるべきでしょう。
先ほどもご紹介した通り、生命保険は万が一の保障を目的とした商品であり、貯蓄性はあくまでも付随したメリットであるためです。
例えば、万が一の保障は保険料が安い掛け捨て型の保険に加入して備え、将来に向けた資産は投資と貯金に振り分けることで、バランスよく貯蓄と保障を準備することができます。
もし終身保険に加入する場合でも、貯金の代わりにするのではなく、「保障を備えたついでにお金を積み立てておける」くらいの認識で契約するのが良いでしょう。
必要な保険はFPに無料相談しよう
ここまで、生命保険を貯金の代わりに利用することについて解説してきましたが、結局自分にはどんな保険が適しているのだろうと不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。
そんな方は、保険相談窓口などでFPに無料相談してみることをおすすめします。
専門家であるプランナーに最適な保険を相談できるだけでなく、ライフプランに合わせたお金の運用方法までトータルで相談することができます。
さらに、複数の保険会社の商品を取り扱っているため、特定の保険だけを勧誘される心配もありません。
生命保険や今後のマネープランに不安を感じている方は、一度FPに相談してみてはいかがでしょうか。
また、当サイトでは生命保険の正しい選び方と題して、加入する目的の整理や必要保障額はいくらなのか・どういった商品を比較すればいいのかをまとめて徹底的に解説しています。
「どの生命保険が良いのか、選び方を知りたい!」という方は必ず参考になると思うので、ぜひそちらの記事もご覧ください(リンクは下記)。
生命保険(死亡保険)の正しい選び方を解説!目的を整理して正しく選ぼう
まとめ
この記事では、生命保険を貯金代わりに利用するメリット・デメリットやどんな人におすすめかという点を解説してきました。
貯蓄型の生命保険は、保険料が差し引かれて積み立てられるため、貯金が苦手な人にはメリットになります。
一方で、「すぐにお金を引き出せない」「途中解約で元本割れのリスクがある」などのデメリットもあり、慎重に選ぶ必要があります。
基本的には保障と貯蓄を分けて考えるようにし、適切なバランスで資産を運用することが大切です。
また、ご自身の保険に不安がある方は、FPに相談してみることも視野に入れてみましょう。