複数加入ができる医療保険。しかし、複数の医療保険への加入はメリットだけでなく、デメリットも存在することに注意しなければいけません。安易に複数加入を決めるのではなく、この章でメリット・デメリットをしっかり把握した上で判断することをおすすめします。
本記事では、医療保険に複数加入するメリット・デメリットや、複数加入に向いている人・加入前の注意点について詳しく解説します。記事の後半では保険選びについて悩んでいる人に向けた、おすすめの解決方法も紹介するのでぜひ役立ててください。
そもそも医療保険の複数加入は可能なの?
医療保険は複数加入していても、保険契約上、問題はないとされる保険商品です。
複数加入したからといって、保険金の給付金額が減額されるといったことはありません。たとえば、入院日額3,000円の医療保険に3つ加入していた場合、入院1日あたりで受け取れる入院保険金額は3,000円×3で9,000円となります。
なお、同じ保険会社で複数加入することも可能ですし、別々の保険会社の医療保険に複数加入しても問題ありません。
医療保険に複数加入するメリットとは
ここから、医療保険に複数加入するメリットを解説します。自分・家族は医療保険に複数加入すべきか考えてみましょう。
受け取る給付金が増える
複数の保険に加入することで、被保険者が病気・ケガで治療を受ける際に保険会社から支払われる給付金の額が増えます。支払事由が1つであっても、手にできる給付金は大きくなるためより充実した保障を得ることができて安心です。
いろいろな医療保険のメリットを得られる
いろいろな医療保険に加入すれば、各保険の強みをすべて感じることができます。
例えば、通院保険が充実したA商品と、入院保険がずうじつしたB商品の両方に加入することで、通院や入院が長引いた場合でも安心して治療を受けられるでしょう。
医療保険の一種であるがん保険に加入する方法もおすすめです。医療保険は特定の病気への備えが弱いという特徴を持っているため、がん保険などの特定疾病に対応できる保険に複数加入すると手厚く備えられます。がん保険はがん以外の疾病は保障対象外となりますが、医療保険に加入しておけばこのデメリットをフォローすることができます。
相談できる担当者が増える
別の保険会社の医療保険に複数加入すれば、保険会社ごとに担当者がつきます。
したがって、保険について相談できる担当者が増え、保険選びの判断材料を増やすことが可能です。
保険会社によっておすすめの保険商品や、おすすめする根拠が異なるため、いろいろな医療保険を比較検討したい人に適しています。
保険会社破綻によるリスクが抑えられる
高い確率ではないかもしれませんが、医療保険の契約中に保険会社が破綻する可能性があります。
複数の保険会社で医療保険に加入することで、万が一保険会社が倒産した場合でも保険金額が減少するリスクを逓減することが可能です。
医療保険に複数加入するデメリット
続いて、医療保険に複数加入するデメリットを見ていきます。メリットと比較しながら、本当に医療保険に複数加入する必要があるか検討していきましょう。
保険料の負担が大きくなる
複数の医療保険に加入する場合、その分、支払わなければいけない保険料の金額が大きくなります。
将来受け取れる給付金の額も増えますが、家計に占める保険料の負担が大きくなって日常生活の余裕がなくなってしまっては本末転倒です。
複数加入を考える場合は、あらかじめ毎月無理なく支払える保険金額の上限を決めておくことをおすすめします。
保障内容が重複する可能性がある
複数の医療保険に加入すると、保障内容が重複する可能性があります。医療保険の場合、入院給付金や手術給付金はほとんどの場合用意されているため、重複するケースが多いです。
複数加入で受け取れる給付金以上に病気やケガの治療費がかかった場合は、複数の医療保険に加入することによるメリットが得られるでしょう。しかし、1つの医療保険で賄える程度の治療費だった場合は、2つ目以降の医療保険の保険料が無駄に感じてしまうかもしれません。
無理に医療保険に複数加入する必要はないので、病気やケガになった際に1日あたりどれくらいのお金がかかるのかシミュレーションしたうえで加入を検討するようにしましょう。
加入手続きが面倒
医療保険に複数加入するためには、その分、加入手続きを何度も行う必要があります。
医療保険は健康状態などを保険会社に告知しなければいけないため、契約が成立するまでに時間がかかることも念頭に置いておきましょう。
複数の保険内容を把握しなければいけない
万が一の際に、加入している医療保険を活用するためには、保険内容をしっかり把握しておくことが大切です。
しかし、複数の医療保険に加入している場合、どの医療保険を利用すればいいのか判断するまでに労力と時間を要します。
あらかじめ状況別に給付金を請求する保険会社を整理しておく、などの工夫が必要です。
保険金の請求手続きが面倒
被保険者が病気やケガを負い、その治療のために医療機関を受診した場合、保険会社へ請求手続きを行うと保険金が支払われます。公的医療保険のように病気やケガになった場合に、自動的に保障が得られるわけではありません。
このため、医療保険に複数加入していると、その都度保険金の請求手続きをする必要があります。
重複加入が向いている人・おすすめな人の特徴
ここまで医療保険に複数加入するメリット・デメリットを紹介してきましたが、複数加入に向いている人やおすすめな人の特徴を3つご紹介します。
複数の保険料を払える、金銭的余裕のある人
大前提として医療保険への複数加入は、複数の保険料を払う必要があるため、金銭的余裕のある人に向いていると言えます。
複数の保障を組み合わせたプランに加入したい場合は、複数加入をおすすめします。ただし、万が一に備えるための医療保険が家計の負担になってしまっていては意味がありません。
医療保険に複数加入する場合は、しっかりと家計と相談してから判断するようにしましょう。
幅広く、手厚い保障を備えておきたい人
次に幅広い病気やケガ、災害に対する保障を備えておきたい人にも、複数加入をおすすめします。
複数の保険に加入することで、保険のカバー範囲が広がり、さまざまなリスクに対する保護を得ることが可能です。
医療保険への複数加入によって手厚い保障を得ることで、予期せぬ出来事による負担を軽減し、より安心な生活を送ることができます。
複数の保険の管理ができる人
複数の保険に加入する場合、保険契約や給付条件、保険料の支払いなどを管理する必要があります。そのため、保険の管理ができる人に重複加入は適してると言えるでしょう。
医療保険へ複数加入すると、契約内容や条件を理解し、必要な情報を把握する必要があります。また、保険会社や代理店とのコミュニケーションを円滑に行い、保険の更新や変更手続きを適切に行わなければなりません。
自分で管理できる範囲での、医療保険への加入をおすすめします。
複数加入する前に注意すべきポイントとは
医療保険の複数加入がおすすめな人の特徴について解説しましたが、実際に複数加入する場合に注意すべきポイントも存在します。
保険金の請求には医師の診断書が必要
入院給付金などを保険会社に請求する際は、医師の診断書が必要になります。
診断書を作成するためには費用がかかり、高い病院では1万円ほどかかるとされています。
複数の保険会社に給付金を請求する場合、何通もの診断書が必要になるケースもあるでしょう。医療保険によっては1枚だけ診断書を発行すれば問題ない、という場合もあるので事前に確認しておくと安心です。
保険金には上限がある
医療保険に複数加入することは可能ですが、加入した医療保険の給付金をすべて受け取れるわけではありません。
加入者の年齢や職業、収入などをもとに、給付金の上限額が決められています。個人個人でこの上限額は異なるので、あらかじめ保険会社に相談しておくようにしましょう。
保険選び・見直しは保険のぷろがおすすめ
医療保険は複数加入できる保険商品ですが、ここまでの解説で「果たして複数加入すべきなのだろうか」と疑問に思った人もいるのではないでしょうか。
しかし、いろいろな保険会社が医療保険を販売していて、それぞれ保障内容や保険料が異なることもあってなかなか自分で判断できない、というケースもめずらしくありません。
医療保険の複数加入や保険選びで迷っているなら、保険のプロに無料で相談できる保険のぷろを利用してみましょう。ファイナンシャルプランナーに無料で、保険の新規加入や解約、見直しなどに関する悩みを相談できます。
何度相談しても無料なので、ぜひお気軽に保険のぷろを利用してみてください。
記事まとめ
医療保険は複数加入しても問題ありませんが、その分、保険料の負担額が増えます。複数加入することで万が一の際に受け取れる給付金の額が増えるなどのメリットもありますが、上限が設定されているため注意が必要です。
医療保険の複数加入や見直しなどで悩んでいる場合は、保険のプロであるファイナンシャルプランナーに無料で相談できる保険のぷろを利用してみましょう。
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