万が一のリスクに備える医療保険ですが、リスクはライフステージに合わせて変化していきます。
リスクの変化に対応するためにも一度加入した医療保険は定期的に見直し、必要に応じて乗り換えを検討していく必要があります。
乗り換えるタイミングを見極め、ライフステージに合った保険プランを設計しましょう。
この記事では、医療保険を乗り換える主な理由や乗り換えに最適なタイミング、乗り換えによるメリットとリスクなどを解説します。
ぜひ本記事を参考に、最適なタイミングで医療保険の乗り換えを検討しましょう。
年金アドバイザー / EQプロファイラー / ２級ファイナンシャルプランニング技能士
この記事の監修担当者：株式会社クロックアップ 代表取締役 高橋朋成
２０年以上にわたり外資系生保や損保系生保などで、販売現場での営業スタッフの採用や実践を活かした生保販売や育成手法に携わった経験を損保代理店向けに特化してアレンジし２０１３年に株式会社クロックアップを設立。
業務内容は損保代理店の
専属コンシェルジュとして
① 保険営業職の人材紹介、マッチングサポート
② 損保営業マン向け生保クロスセル研修
③ 代理店M＆Aマッチングサポート等
を行っている。
医療保険を乗り換える主な理由
一度契約した医療保険を乗り換える主な理由として、以下の2点が挙げられます。
- 保障内容の見直し
- 契約時に比べて保険会社の信頼性や評判が変化した
それぞれの理由を把握し、乗り換えるタイミングの参考にしましょう。
保障内容の見直し
医療保険を乗り換える理由としてもっとも大きいのが、保障内容の見直しです。
加入している医療保険の保障内容が自分に合わなくなってきた場合に、適した医療保険に乗り換えるケースです。
例えば独身の方の場合、自分一人の生活を守る分の保障があれば十分と言えます。
しかし結婚をしたり、子どもが誕生したりしている場合、自分だけでなく家族の生活を守ることも考えなければなりません。
独身時代に契約した医療保険ではなく、家族が安心して暮らしていけるだけの保障を備えた商品に乗り換える必要があります。
ライフステージの変化に合わせて保障内容を見直すというのが、医療保険を乗り換える理由のひとつです。
医療保険の見直しは何年ごとにすべき？
医療保険は「何年ごとに見直すべき」という基準はありません。
基本的にはライフステージが変化したタイミングで見直すと良いでしょう。
結婚や出産、子どもの独立、転職、退職など、ライフステージの変化によって必要な保障内容も変わってきます。
自分自身の生活に変化があった場合は、医療保険を見直すべきタイミングと言えるでしょう。
契約時と比べて保険会社の信頼性や評判が変化した
自分自身に変化がなくても、保険会社の信頼性・評判の変化により乗り換えるケースがあります。
契約している保険会社が不正を行っていたり、悪い評判が寄せられていたりすることで心配になり、違う保険会社の商品に乗り換えるといったケースです。
また、契約している保険会社の悪評以外の理由で乗り換えるパターンもあります。
「他社で販売されている新商品の評判が良い」というような場合です。
契約時に抱いていた保険会社に対する印象が変化し、違う保険会社の医療保険を選ぶというのも乗り換える理由として挙げられます。
解約する場合、返戻金はどれくらいもらえるの
貯蓄型の医療保険を解約する場合、解約返戻金を受け取ることができます。
解約返戻金は、支払った保険料の全額が戻ってくるわけではありません。
保険料払込期間に応じた返戻率によって受け取れる金額が異なります。
例えば支払った保険料が100万円で返戻率が50%の場合、解約返戻金は50万円となります。
解約返戻金がある商品の場合は、提案書に返戻率が記載されているケースが多いため確認しておきましょう。
もし商品の提案書や保険証券を見ても分からない場合は、保険会社に問い合わせてみましょう。
なお、掛け捨て型の医療保険の場合は解約返戻金を受け取ることができないため注意が必要です。
乗り換えを検討する際の最適なタイミングとは？
医療保険の乗り換えを検討する際、以下の3つのタイミングに注意が必要です。
- 医療保険の更新時期
- 健康状態に変化があったとき
- ライフステージが変化したとき
上記3つのタイミングについて解説していきます。
医療保険の更新時期を利用した乗り換え戦略
定期タイプの医療保険に加入している場合、定期的に契約の更新が行われます。
更新するタイミングを上手く利用し、医療保険の乗り換えを検討してみると良いでしょう。
医療保険の更新があると、更新時の年齢・保険料率で保険料が再計算されるため、ほとんどの場合保険料は更新前よりも高くなります。
保険料が上がるタイミングで保障内容を見直し、最適な医療保険に乗り換えるという戦略もひとつの手です。
定期タイプの医療保険は満期が近づくと、契約更新の案内が届きます。
案内が届いたタイミングで医療保険の乗り換えを検討してみることをおすすめします。
健康状態の変化があった場合は注意
健康状態に変化があった場合は、乗り換えを検討するタイミングとして適していない可能性があります。
なぜなら健康上の問題で新しい医療保険に加入できないリスクがあるためです。
保険会社は医療保険の申込者に対して審査を行い、健康状態に問題がないかを確認しています。
健康上のリスクがある人の保険加入を認めてしまうと、加入者間で不公平になってしまうためです。
一度医療保険を解約してしまうと、元に戻すことはできません。
古い医療保険を解約した後、新しい医療保険の審査に通過できなかった場合、医療保障がまったくない状態になってしまいます。
もし健康状態に変化があっても乗り換えをしたい場合は、古い保険契約を解約せずに新しい医療保険を申し込み、審査に通ってから古い保険契約を解約しましょう。
ライフステージの変化に伴い乗り換え
前述の通り、ライフステージが変化したタイミングで医療保険を乗り換えることをおすすめします。
ライフステージの変化に合わせて必要な保障内容も変化するため、最適な医療保険に乗り換えることが重要です。
一般的に結婚や出産など、家族が増えるタイミングでは保障を手厚く備えることが重要です。
保険料とのバランスも考えつつ、手厚い保障が受けられる医療保険に乗り換えることをおすすめします。
一方で、子どもが独立したり、住宅ローンを払い終えたりしたタイミングでは保障を減らすことを検討しましょう。
シンプルな保障内容だけを残し、保険料の負担を抑えていくことが重要です。
ライフステージに変化があったタイミングで、最適な医療保険への乗り換えを検討しましょう。
医療保険の乗り換えで得られるメリットとリスク
医療保険の乗り換えにはメリットとリスクがそれぞれ存在します。
これから医療保険の乗り換えをしようと考えている方は、メリットとリスクを事前に確認しておきましょう。
保険料の削減や最新の医療事情への対応ができる
医療保険を乗り換えることで、保険料を削減できる可能性があります。
例えば子どもの誕生に合わせて加入した医療保険は、子どもの独立後に保障内容が過剰になってしまい、無駄な保険料を支払っているケースがあります。
医療保険を乗り換えて保険料が安くなれば、浮いた分を老後の生活費などに回すことも可能です。
また、最新の医療事情に合わせた最適な医療保険プランを設計できる点もメリットです。
例えば以前はがんを長期入院で治療するケースが多かったため、古いタイプのがん保険では入院保障が中心となっています。
しかし近年は医療技術が進歩して短期入院や通院のみの治療が増えたため、医療保険も日帰り入院や通院に対する保障が手厚くなってきています。
保険料が節約できたり、最新の医療事情に対応できたりする点は医療保険を乗り換えるメリットです。
保険契約の再評価を受けなければならない
医療保険を乗り換える場合、乗り換えるタイミングで保険契約の再評価を受ける必要があります。
保険料がそれまでよりも割高になったり、新しい保険に加入できなかったりするリスクがある点に注意が必要です。
年齢を重ねるとケガや病気による手術・入院のリスクが高まるため、医療保険の保険料は高齢になるほど高額になっていきます。
乗り換え前の医療保険と同じ保障内容を備えようと思っても、割高な保険料を支払わなければならない可能性があります。
医療保険の乗り換えを検討する際は、乗り換え後の保障内容や保険料をじっくりと考えておきましょう。
保険会社の選び方とは？
保険を乗り換える際に重要となるのが、新規で契約する保険会社選びです。
乗り換えで保険会社を選ぶときは、以下の3つのポイントを確認しましょう。
- 保障内容や保険料の比較
- カスタマーレビューなどの信頼性と評価を見る
- サービスの確認
医療保険の乗り換えを検討している方は、上記の3点をしっかりと押さえて保険会社を選びましょう。
保障内容や保険料の比較
保険会社を選ぶ際、まずは保障内容や保険料を比較することが重要です。
自分に合った保障内容が受けられるか、保険料は高過ぎないかを確認しましょう。
多くの保険会社では、ホームページで保険料のシミュレーションができるようになっています。
あらかじめ保障内容をチェックし、保険料をシミュレーションした上で各保険会社・商品の内容を見比べることをおすすめします。
カスタマーレビューなどの信頼性と評価を見る
カスタマーレビューなどで保険会社の評判をチェックしてみるのもひとつの手です。
その保険会社が信頼できるか、商品はどんな評判かという点を確認し、自分に合った保険会社を選びましょう。
また、格付機関による保険会社の格付けを参考にしてみても良いでしょう。
保険会社の経営状態や財務状態の健全性をチェックすることで、安心して保険商品に加入できるか確認できます。
サービスの確認
医療保険に加入すると、契約者限定で特典を利用できることがあります。
事前に契約者特典のサービス内容も確認しておくと良いでしょう。
例えば保険会社と提携している飲食店を割引で利用できたり、優待価格でショッピングができたりとさまざまな特典があります。
また、オンラインで専門家に健康状態を相談できるサービスや、診断を受けた病気のセカンドオピニオンを受けられるサービスなどもあります。
加入する保険会社でお悩みの場合は、契約者特典のサービス内容を確認してみるのも良いでしょう。
記事のまとめ：医療保険見直しのタイミング
医療保険は、保障内容の見直し保険会社に抱く印象の変化などを理由に乗り換えるケースが多いです。
解約時には解約返戻金が受け取れるケースがあるため、事前に返戻率などを確認しておきましょう。
また、医療保険の乗り換えを検討する最適なタイミングとして、保険の更新時期やライフステージが変化したときなどが挙げられます。
本記事でご紹介した乗り換えのメリット・リスクや保険会社選びのポイントを参考に、最適な医療保険に乗り換えましょう。
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