がん保険
がん保険の免責期間って何?なんで必要なの?非加入者にもわかりやすく解説

がん保険の免責期間について解説

がん保険への加入を検討している方は、商品のパンフレットなどを見ることが多いと思いますが、その中に「免責期間」という文字を目にしたことがあると思います。

聞きなれない言葉なので、なんとなく読み飛ばしてしまいがちですが、「免責期間」は実はがん保険を契約するにあたってとても大事なことなのです。

免責期間についてよく理解していないと、いざ給付金をもらうときになって「給付金はでません」ということになってしまうかもしれません。

このようなことを避けるためにも、がん保険の免責期間とはどういったものなのか、なぜ免責期間が設けられているのかなどをしっかりと理解しておきましょう。

高橋朋成

年金アドバイザー / EQプロファイラー / 2級ファイナンシャルプランニング技能士

この記事の監修担当者:株式会社クロックアップ 代表取締役 高橋朋成

20年以上にわたり外資系生保や損保系生保などで、販売現場での営業スタッフの採用や実践を活かした生保販売や育成手法に携わった経験を損保代理店向けに特化してアレンジし2013年に株式会社クロックアップを設立。

業務内容は損保代理店の
専属コンシェルジュとして
① 保険営業職の人材紹介、マッチングサポート
② 損保営業マン向け生保クロスセル研修
③ 代理店M&Aマッチングサポート等
を行っている。

がん保険には免責期間がある

多くのがん保険には「免責期間」というものが設定されています。この免責期間とは一体何なのでしょうか?簡単に定義を解説します。

がん保険の免責期間とは

がん保険の免責期間とは、保険に加入してから一定期間、がんと診断されても保障されない待ち期間です。「免責」とは、「保険会社が給付金の支払い責任を免れる」という意味で、ほとんどの商品で90日あるいは3か月間の免責期間が設けられています。このがん保険の免責期間中にがんと診断されると、その契約自体が無効になってしまいます。

なお、商品によっては「支払猶予期間」「待ち期間」などと呼ばれることもあります。

免責期間中はがんと診断されても給付金がもらえない

がん保険の免責期間が90日または3か月間と定められている場合、加入してからそれ以前にがんと診断されると、まだ保障期間が開始されていないため保障を受けることができません。

がん保険には、がんと診断されたときに「がん診断給付金」がもらえる商品がほとんどですが、この給付金ももらうことができないのです。

がん診断給付金は、一度に100万円や200万円といったまとまったお金が支給され、なおかつ使い道が自由なので、がんと診断されたときには非常に心強い給付金です。この給付金がもらえないと、がん保険に加入したメリットが半減してしまいます。

保障が開始されるのは免責期間が過ぎてから

では、がん保険は一体いつから保障が開始されるのでしょうか?

がん保険の保障が開始されるには、条件が3つあります。

  • がん保険契約書の申込書の提出
  • 健康状態の告知
  • 第1回目の保険料の払い込み

この3つをすべてクリアし、保険会社ががん保険への申し込みを承諾すると契約成立となります。

一般的に、この時点でがん保険の保障が開始され(「責任開始日」といいます)、免責期間は、この責任開始日から90日または3か月間となります。

なぜ免責期間が設けられているのか?

がん保険には免責期間が設けられていることがわかりましたが、なぜそのような期間が設けられているのか、疑問に思う方もいるでしょう。

もちろん、保険会社が給付金を出し惜しみしているわけではなく、きちんとした理由があるのです。

また、がん保険の免責期間中は、保険料を払い込まなくてはいけないのか気になる方もいると思いますので、併せて確認していきましょう。

「加入者の公平性」を保つために必要な期間

がん保険に免責期間が設けられているのは、がん保険の「加入者の公平性」を保つために必要なものだからです。

通常は「将来がんに罹患するリスクに備えて加入しておこう」と考える方が多いと思いますが、中には体に異変を感じ「もしかするとがんかもしれない・・・」と自己判断し、医療機関を受診する前にがん保険に加入しようとする方がいないとは言い切れません。

たとえば、初期のがん細胞は健康診断などで発見されにくいですが、しこりや血便といった自覚症状には表れてくることがあります。

こういった異変を感じて急いでがん保険に加入し、それから医療機関を受診することでがん保険の保障を得ようと考えるケースもあるのです。

このような方がいると、純粋に将来のがんに罹患したときのために加入した方との公平性が保てなくなるため、一定期間の免責期間が必要になるのです。

保険料の払い込みは必要

がん保険の免責期間は保障を受けることができませんが、保険料は払い込まなくてはなりませんのでご注意ください。

契約の責任開始日から90日または3か月間は、有効にがん保険が継続されていなくてはならないので、保険料の払い込みは必須となります。

そのため、「免責期間なのだから払ったらもったいない」と払い込まないでいると、がん保険の効力がなくなり(「失効」といいます)、がん保険の保障を受けることができなくなってしまいます。

ちなみに、免責期間中に払い込んだ保険料は、将来給付金を受け取る際の準備金として保管されるので、「払い込んで損した」ということにはなりませんのでご安心ください。

がん保険の免責期間における2つの注意点

がん保険の免責期間について、注意すべき点が2つあります。

あとで「知らなった!」と後悔しないようにしっかりと確認しておきましょう。

がん保険の乗り換え時に注意

すでにがん保険に加入している方でも、定期的に保障の見直しが必要なので、中にはがん保険の乗り換えを検討する方もいると思います。

その際には、免責期間を十分に考慮して手続きを進めるように注意しましょう。

免責期間が設けられていないほかの種類の保険の場合、新契約の責任開始日以降であれば、いつでも旧契約を解約しても保障の空白期間ができることはありません。

しかし、何度もお伝えしているように、がん保険には90日または3か月間の免責期間があるため、新契約が免責期間を無事終えて保障対象期間に入ってから旧契約を解約することがポイントになります。

「では、免責期間中は新契約と旧契約の両方の保険料を払い込まなくてはいけないの?」と疑問に思うかもしれませんが、その通りなのです。

二重払いのようでもったいないと感じてしまうかもしれませんが、保障の空白期間を作らないためには必要なことなのです。

免責期間中にがんと診断されたら契約は無効になる

もしも免責期間中にがんと診断されてしまったら、保障を受けることができないうえに、がん保険の契約自体が無効になってしまいます。つまり、がん保険に加入していない状態と同じなので、がんの治療が終わったあとに保障が復活するようなこともありません。

また、保険会社に告知する以前に、「自分はがんだ」とわかっていたにもかからわらず伝えなかった場合は、「告知義務違反」となります。

「告知義務」とは、がん保険に加入する際に被保険者の健康状態や既往歴などを保険会社に伝えなくてはならない、という加入者側の義務です。これに違反すると「告知義務違反」として厳しい対応を取られることになります。

告知義務違反をすると保障を得られないだけでなく、これまで払い込んだ保険料も戻ってこなくなりますので、くれぐれも違反しないようにご注意ください。

給付金がもらえないケースはほかにもある

がん保険の免責期間中は、保障対象外なのでもちろん給付金がもらえませんが、それ以外にもがん保険では、次のように給付金がもらえないケースがあります。

  • 「がん診断給付金」をもらって一定期間が経過しないうちに新しいがんに罹患し診断を受けた
  • がん治療以外の目的のために入院した(入院給付金はもらえない)
  • 上皮内新生物との診断を受けたが、保障の対象外だった

ほかにも保険会社によって保障対象外となる事由が決められていますので、約款などで確認し、もしわからないときは代理店や保険会社に直接確認してみましょう。

免責の期間がないのがん保険もある

がん保険は加入者の公平性を保つために必要なものではありますが、やはり「免責期間なし」で契約後すぐに保障を受けたいと考える方もいると思います。

そんな方のために、免責期間なしのがん保険も存在します。どんな保険があるのか、デメリットはないのかといった内容は、別記事:免責期間なしで入れるがん保険を解説にて紹介しているのでそちらをご覧ください。

まとめ

がん保険には通常、免責期間といって90日または3か月間の保障対象外期間が設けられています。

せっかく保険料を支払っているのだから保障を受けたいという気持ちはありますが、加入者間の公平性を保つために必要な措置なのです。

がん保険に加入する際、また乗り換えを検討する際は免責期間に十分に注意して、保障の空白期間ができないようにしましょう。