現在、日本では40歳以上の方全員が法律上強制的に介護保険に加入し、保険料を納税する義務を負っています。
ただし40歳未満でも介護保険の必要性を感じている方や、もしもの時のために十分に備えておきたいという方は、民間の介護保険にも併せて加入しておくと安心です。
そこで今回は、民間の介護保険を選ぶうえでのポイントと、おすすめの人気介護保険をランキング形式でご紹介します。
それぞれ特徴があるので比較をする際に活用してください。
介護保険、本当に必要?
厚生労働省2019年度「介護給付費等実体統計月報」によると、要介護認定を受けた年齢は80歳~84歳が21.7%、85歳~89歳が26.3%、90歳以上が25.4%と80歳以上で半数を超えています。
一般的な家庭では、子育てが終われば生命保険の必要保障額も減少すると考えている人もいるかもしれません。
しかし、世界でも類をみない超高齢化社会をむかえた日本は、人生の三大支出といわれる、教育資金、住宅資金、老後資金に加え、介護資金を用意する必要性が出てきています。
2018年度生命保険文化センターの調べによると、介護に要した一時金の平均額は69万円、月々の負担額は7.8万円。
また、平均の介護期間は約54.4カ月となっています。
単純計算ですが、月々の負担額7.8万×介護期間54.4カ月で約424万円。
これに一時金69万円を加えると、約500万円は1人あたりの介護費用として用意しておく必要があると考えられます。
しかし、この金額はいざ身内が介護状態になった時にすぐに用意できる金額ではないため、民間の介護保険を利用してしっかりと備えておきたいところです。
民間の生命保険会社の保険を比較する時のポイント
民間の介護保険を選ぶ際に、どのような点に注意したらよいのでしょうか?
ここでは、介護保険選びのポイントを解説します。
掛け捨てか貯蓄型か?
生命保険に限らず、介護保険も定期保険と終身保険の2つに分かれます。
定期保険
定期保険は、保険期間が5年、10年というように保険期間が定まっている保険タイプで、満期を過ぎたあとに介護保険金の支払要件に当てはまっても保障されません。
ただし、満期時点での年齢の保険料で更新をすれば、告知なしで保障を継続することができます。
定期保険は一般的には掛け捨てといわれ、保険を解約した時に戻ってくるお金、すなわち解約返戻金は無いか、あってもごくわずかです。
定期保険は一時的に安い保険料で大きな保障を用意したい場合に向いています。
終身保険
保障が一生涯継続するタイプの保険で、加入した時点での保険料が変わることはありません。
また、解約をすると解約返戻金を一定額受け取ることができるため、貯蓄性のある保険ともいわれます。
介護保険は、80歳を過ぎるころから要介護となるリスクは急激に高まります。
保険料が変わらないので、保険料が安い若い時期に介護保険に加入をして、将来のリスクにしっかり備えたい人に向いています。
一時金形式か年金形式か
民間の介護保険は、保険の支払要件に該当した場合、介護保険金としてまとまった一時金を受け取ることができるタイプと、年金形式て定期的に介護年金を受け取るタイプがあります。
介護施設の一時金や、リフォーム代金などに充当したい場合は、一時金タイプ。
介護施設の家賃や働けなくなった時の生活費を補いたい場合は年金タイプを選びます。
介護状態になった時に、どのような用途が考えられるかを想定して一時金タイプか、年金タイプかを選択していきましょう。
民間の介護保険金の給付要件
一般的に民間の介護保険が支払われる要件は、公的介護保険の要介護2としている保険会社が多いです。
しかし中には、保険会社独自の基準で公的介護保険の「要介護2相当」と少し緩和している保険会社もあります。
介護保険の給付要件をきちんとチェックして、必要な時に必要なサービスを受けられる保険を選びましょう。
【注意】インターネット完結型の商品はほとんどない
万が一の時の生命保険や、医療保険は自分で保障内容を選択して、インターネット完結で加入をすることができます。
しかし、民間の介護保険は、一部のクレジットカード会社がカード会員向けに提供している「親介護保険」というものを除いてはインターネット完結で加入することができません。
これは、ほとんどの保険が、加入するにあたって現在の健康状態を申告する、告知の仕組みがあるためです。
告知は、極めて生命保険を使用する可能性の高い被保険者の加入を防ぎ、生命保険の公平性を保つ役割を果たします。
民間の介護保険がもし、インターネット完結で申し込みができたとすると、まだ市町村の要介護認定は受けていないけれど、認知の兆しがあると感じた段階で親族の名義で手続きをし、被保険者の告知を偽れば加入できてしまいます。
この状態で加入をすれば、高い確率で介護保険金の支払いを受けることができるでしょう。
しかしこれでは保険の公平性が保たれません。
したがって民間の介護保険は、生命保険募集人が被保険者の容態をしっかりと観察する必要があり、インターネット完結で手続きをするのは困難な商品なのです。
【2024年度最新版】人気介護保険ランキング
ここまで解説してきた民間の介護保険の概要とチェックポイントをふまえて、おすすめの人気介護保険ランキングをご紹介します。
こちらは各社の介護保険を比較する際に活用してください。
【第1位】三井住友海上あいおい生命保険株式会社 新医療保険Aプレミア 介護重点プラン
通常の医療保険に、終身介護保障特約と認知症一時金特則をセットしたプランです。
終身介護保障特約は、公的介護保険制度の要介護2の状態に該当している場合や高度障害状態になった場合に、介護障害年金や介護障害一時金を受け取ることができます。
介護障害年金は、5年間毎年受け取る5年確定年金タイプと、要件に該当する限り一生涯受け取れる終身年金タイプを選ぶことが可能。
また、認知症一時金特則をセットすることで、認知症で要介護状態になった時に一時金を受け取ることができます。
認知症一時金特則の要件は三井住友海上あいおい生命の基準で判断します。
契約可能年齢 | 20歳~85歳 |
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保障期間 | 終身 |
加入にあたっての 審査方法 |
告知 |
払込期間 | 終身 |
公式サイトはこちら
【第2位】東京海上日動あんしん生命保険株式会社 長生き支援終身
通常の終身の生命保険の支払要件に加え、公的介護保険制度の要介護2に該当した場合も生命保険金と同等の介護保険金を支払います。また、一時金ではなく10年間の年金形式で受取ることも可能。
健康祝金を受け取れるタイプで契約をした場合、一定の年齢をむかえると保険金額の5%または20%を健康祝金として受け取ることができます。
契約可能年齢 | 満15歳~満50歳 |
---|---|
保障期間 | 終身 |
加入にあたっての 審査方法 |
告知 |
払込期間 | 60歳 |
公式サイトはこちら。
【第3位】アフラック生命保険株式会社 スーパー介護年金プラン
アフラックのスーパー介護年金プランは、まず65歳までの保障と65歳以降の保障が分かれています。
65歳までの保障
アフラック所定の「痴ほう(認知症)による要介護状態」が3カ月以上継続した時や、所定の「寝たきりによる要介護状態」が6カ月以上継続した時に介護一時金(1回限り)と介護年金(最大10年間)を受け取ることが可能。
また、所定の高度障害状態に該当した場合も、介護一時金、介護年金同等の、高度障害一時金と高度障害年金を受け取ることができます。
さらに、万が一のことがあった場合に経過年数に応じた保険金を受け取ることができる生命保険の役割もあります。
65歳以降の保障
65歳になると、65歳以降の4つのプランを選択することができます。
なお、一度選択するとプランを変更することはできません。
プラン | 内容 |
---|---|
介護保障プラン | 65歳以前の介護一時金と介護年金プランと 同様の保障内容を継続することが可能 |
公的介護保険制度連動年金プラン | 公的介護保険制度の要介護認定、 または要支援認定を受けた場合に年金を受け取ることが可能。 |
確定年金プラン | 65歳から確定年金を受け取ることが可能 |
一時金受け取りプラン | 65歳の契約応当日前日に解約をした場合、 65歳時に一時金として受け取ることが可能 |
契約に関する詳細は以下の通りです。
契約可能年齢 | 満18歳~満60歳 |
---|---|
保障期間 | 65歳からプランを選択 |
加入にあたっての 審査方法 |
告知 |
払込期間 | 終身 |
公式サイトはこちら。
【第4位】明治安田生命保険相互会社 介護のささえ
所定の要介護状態に該当した場合や公的介護保険制度の要介護1または2に該当した場合に軽度介護一時金を受け取ることができることに加え、保険料の払い込みが免除となります。
その後、さらに重度の所定の要介護状態や公的介護保険の要介護3・4・5に該当した場合は、介護終身年金や介護一時金を受け取ることができます。
契約可能年齢 | 満40歳~満80歳6カ月 |
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保障期間 | 終身 |
加入にあたっての 審査方法 |
告知・審査 |
払込期間 | 終身 |
公式サイトはこちら。
【第5位】住友生命保険相互会社 1UP Vitality
ケガや病気によって、公的年金制度の障害年金1・2級、または、公的介護保険制度の要介護2以上に認定されたとき。
仮に、公的要件を満たさない場合は、住友生命独自基準として用意されている、所定の就労不能状態に該当した場合や要介護状態が180日継続した場合に一時金と年金を支払います。
さまざまな特典
Vitality利用料を支払い、健康増進の取り組みを行うことでVitalityポイントが付与されます。
得られたVitalityポイントによってゴールド、シルバー、ブロンズ、ブルーの4つのステータスに分類され、ステータスに応じて保険料が割引となります。
また、さまざまな企業の商品が特別料金で利用できるなどのサービスがあります。
契約可能年齢 | 満18歳~満60歳 |
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保障期間 | 最長80歳 |
加入にあたっての 審査方法 |
告知 |
払込期間 | 最長80歳 |
公式サイトはこちら。
【記事まとめ】介護保険ランキング
40歳未満の方も、もしもの場合に備えて民間の介護保険に加入しておくと安心です。
この記事を参考にして、自分に合った保険を見つけましょう。
なお、保険の新規加入や見直しを検討する際、ぜひおすすめしたいのが保険のぷろサービスです。
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