高齢化が進む日本では、がんになる人が増えています。
医療技術の進歩は目覚ましいですが、がんになる人の母数が増えたため死亡率も高まっています。
がんは治療が長引きやすく、病状によっては仕事ができずに貯金を切り崩して療養しなければいけない可能性があります。
しかし、あらかじめ保険に加入しておけば、治療費などを保険金で賄うことができるので安心です。
がんの保障が得られる代表的な保険としてはがん保険と医療保険があります。
「がん保険と医療保険のどっちに加入すればいいのだろう」と悩んでいる人も多いです。
そこで本記事では、がんに備えるためにがん保険と医療保険のどっちに加入すべきか解説します。
それぞれの保険の保障内容などの違いを確認しましょう。
がん保険と医療保険基礎知識
早速ですが、がん保険と医療保険の違いを確認しましょう。
結論から言えば、がん保険と医療保険はがんに対する保障内容が異なります。
具体的な違いを下表にまとめたのでチェックしましょう。
保険の種類 | がん保険 | 医療保険 |
---|---|---|
保障対象 | 悪性新生物・上皮内新生物 ※例外あり | がんを含む病気、ケガ |
がんに対する主な保障内容 | 診断給付金(一時金)、入院給付金、 手術給付金、通院給付金 |
入院給付金、手術給付金 |
免責(不担保)期間 | 90日間が一般的 | ほとんどの場合なし |
1入院あたりの 支払限度日数 |
無制限が一般的 | 制限あり (60日、120日など) |
通算入院支払限度日数 | 無制限が一般的 | 制限あり(1,000日、1,095日など) |
1入院あたりの 支払限度日数 |
無制限が一般的 | 制限あり (60日、120日など) |
がん保険
がん保険はがん専用の保険で、がんと診断されたときに生命保険会社から支払われる診断給付金や免責期間などが特徴的です。
保障対象
がん保険はいずれもがんと診断された場合、がんの治療のために医療機関を利用した場合に保障対象となります。
がん以外の病気やケガはがん保険では保障されないため注意が必要です。
がんに対する主な保障内容
がん保険の基本となる保障内容は、
- 診断給付金
- 入院給付金
- 手術給付金
- 通院給付金
ポイントは、がんの診断を受けたときにまとまったお金が支払われる診断給付金です。
保険金額は加入するがん保険・契約プランによって異なりますが、100万円、200万円といった金額となっていることが多いです。
また、がんが再発した際にも診断給付が支払われるケースもあります。
この他、特約を付帯することでがん先進医療給付金を受け取れるがん保険も存在します。
がんの治療で用いられる重粒子線治療では300万円ほどの費用がかかるとされていますが、この費用は公的医療保険が適用されないため全額自己負担しなければいけません。
しかし、がん先進医療給付金の保障があれば安心です。
治療の選択肢を広げることができるので、将来のリスクや貯金の状況などを考慮したうえで自分に特約は必要かなど、考えることをおすすめします。
免責(不担保)期間
免責(不担保)期間とは、その期間中にがんであることを自覚していたり、がんの診断を受けていたりした場合に保障されない期間のことを指します。
がん保険では通常、契約日から90日を免責期間としてしていることが多いです。
1入院あたりの支払限度日数
冒頭で少し触れましたが、がんは他の病気と比べると治療に要する日数が長い傾向にあります。
このため、多くのがん保険は1入院あたりの支払限度日数が無制限とされていることが多いです。
入院中は働くことができないため、貯金を切り崩して治療を受ける必要があります。
がんの治療だけでも精神的に負担がかかるにもかかわらず、お金の心配もしなければいけないとなるとかなりストレスがかかるでしょう。
しかし、がん保険に加入しておけば入院が長引いてもしっかり保障されるのでお金の心配をせずに治療に専念できるので安心です。
通算入院支払限度日数
がんは再発しやすい病気であるため複数回入院しなければいけないケースもありますが、がん保険は通算入院支払限度日数も無制限とされていることが多いです。
がん保険はがん患者にとってかなり心強いサポートになるといえるでしょう。
医療保険
医療保険はがん保険と違い、がん以外の病気やケガも保障される保険です。
保障内容のメインとなっているのは入院給付金と手術給付金です。
具体的な特徴を確認していきましょう。
保障対象
医療保険の保障対象となるのは、病気やケガの治療を目的とする入院や保険約款に記載された手術などです。
公的医療保険の保障対象とならない差額ベッド代などの費用も保障されるのが特徴です。
ただし、抜歯やインプラント、美容整形などは保障対象外となります。
がんに対する主な保障内容
医療保険に加入していてがんになった場合、以下の保険金の支払対象となることが多いです。
- 入院給付金
- 手術給付金
- 通院給付金
入院給付金はがん保険と同様に入院日数に基づいて支払われ、日額は加入する医療保険によって異なります。
手術給付金は定額もしくは、手術の種類に応じた倍率方式が採用されています。
倍率方式の場合は入院給付金の日額を元に手術給付金が決まることが多いです。
通院給付金の金額は医療機関へ通院した日数と、契約時に決めた日額を乗じて決まります。
また、医療保険にも先進医療を受けた際に保険金を受け取れる先進医療特約などの給付金があります。
特約を付帯する分、保険料は上がりますが必要に応じて契約を検討してもいいかもしれません。
免責(不担保)期間
医療保険はがん保険と違い、免責(不担保)期間が設けられていることが少ないです。
しかし、がん特約などのがんに関する特約には免責期間があることが多数。
1入院あたりの支払限度日数
がん保険は1入院あたりの支払限度日数を無制限としていることが多いですが、医療保険の場合は制限されていることが一般的です。
通算入院支払限度日数
通算入院支払限度日数も1入院あたりの支払限度日数と同じく、制限されていることが多いです。
がんに備えるならがん保険?医療保険?
ここまでがん保険と医療保険の違いについて解説してきましたが、どっちの保険に加入すればいいのでしょうか。
ここでは保険に加入する目的別に適した保険を紹介します。
がんへの保障を充実させたいならがん保険
がん保険に加入するとがんになった場合、かなり手厚い保障を得られます。
したがって、次のような考えを持っている場合は医療保険よりもがん保険に加入した方がメリットを感じられるでしょう。
- 親族でがんになった人がいる
- 長期入院・再発時の収入・貯蓄の減少が怖い
- 普段の生活習慣を振り返ると、がんになりやすいのではないかと感じる など
ほかの疾病とのバランスを取りたいなら医療保険
医療保険ならがん保険と違い、がん以外の病気・ケガになった場合でも保障が適用されます。
このためほかの疾病とのバランスをとりたい、いろいろなリスクに対応できる保険に加入したいと考えているならがん保険よりも医療保険がおすすめです。
がん保険と医療保険を併用することもできる
がん保険と医療保険の両方に加入する方法もあります。
ここでは2つの保険を併用利用するメリット・デメリットや注意点を解説します。
メリット・デメリット
メリット
がん保険と医療保険の両方に加入すると幅広い病気・ケガのリスクに対応できるだけでなく、がんに対する手厚い保障を手に入れることができます。
また、ライフステージの変化などにあわせて、途中でどちらかの保険を解約して保障を見直すなどの選択肢もあります。
デメリット
がん保険と医療保険に加入すると保障の幅が広がる分、負担しなければいけない保険料が増えてしまいます。
万が一のときは安心ですが、それまで継続して保険料を支払わなくてはいけないため加入前にしっかりシミュレーションしておくことをおすすめします。
セット契約する場合の注意点
がん保険と医療保険が一体型となるセット契約する前に、公的保障でどこまでまかなえるかの平均費用の相場を把握したり、加入率などのデータを知っておくことが必要。
例えば、高額療養費制度を利用すれば、1か月間の医療費が基準値よりも高額であった場合に自己負担限度額を超えた分の費用が返還されます。
また、会社で健康保険に加入していれば、がんになった際に傷病手当金が支払われる可能性もあるのであらかじめ確認しておきましょう。
この他にも、がん保険と医療保険の保障内容が重複しないように気を付けて契約することが大切です。
自分や家族だけで最適な保険を判断することが難しい場合は、保険選びに詳しいプロなどに相談することをおすすめします。
保険のぷろを活用
最適な保険というのは、十人十色になります。そのため、人気がある商品だからといって、あなたの状況やライフプランに最適な保険とは限らないのです。
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記事まとめ
がん保険と医療保険についていろいろな視点で比較してみました。
がんに対する手厚い保障がほしいのであればがん保険、さまざまな病気・ケガに対する保障がほしいのであれば医療保険への優先加入がおすすめです。
保険料の負担が気にならないのであれば、がん保険と医療保険の両方に加入するのも1つの方法です。
「最低限の保障のみで十分」「子供が成人するま間だけ安い保険に加入したい」「三大疾病に備えた充実した保障が欲しい」など自分の必要、不要の基準を考えて、保険選びをしてください。
自分や家族に必要ながん保険・医療保険の組み合わせ方が分からない場合は、保険のぷろを利用して保険のプロのアドバイスを聞いてみてはいかがでしょうか。