医療保険は大きく分けて、公的な社会保障である「健康保険」と、民間の保険会社が販売している「医療保険」の2種類があります。
2つの役割の違いをしっかりと理解し、自分に合った適切な保険プランを設計することが大切です。
この記事では医療保険と健康保険について、以下の3つのポイントを解説します。
- 民間の医療保険と健康保険の違いとは?
- 健康保険があっても民間の医療保険に加入すべき?
- 保険商品を選ぶ際のポイント
「医療保険に加入すべきか悩んでいる」「医療保険と健康保険の違いを知りたい」という方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
民間の医療保険と健康保険の違いとは?
民間の保険会社が販売する「医療保険」と公的保障である「健康保険」では、主に以下の3つの点に違いがあります。
- 加入資格
- 給付方法
- 保険料
それぞれの違いを正しく理解しておきましょう。
加入資格
民間の医療保険と健康保険では、加入資格という点で違いがあります。
健康保険については、日本では「国民皆保険制度」が採用されているため、すべての国民が加入を義務付けられています。
会社員が加入する「健康保険」や自営業者が加入する「国民健康保険(国保)」、75歳以上の高齢者が加入する「後期高齢者医療制度」など、職種や年齢に応じて種類に違いはあるものの、いずれかの形で加入しなければなりません。
一方、民間の医療保険は任意加入であり、自分に必要な商品を選ぶことができます。
ただし加入の際に審査が行われ、持病がある場合や危険な職業に就いている場合は、加入できなかったり、保障が制限されたりする可能性があります。
給付方法
民間の医療保険と健康保険では、保障の給付方法という点でも違いがあります。
医療保険の場合、ケガや病気で入院・手術をした際に契約内容に応じた保険金が支給されます。
自分で申請手続きを行う必要があり、手続きをしなければ保険金を受け取ることができません。
一方の健康保険では、ケガや病気の治療をする際に病院窓口で保険証を提示すれば、医療費の自己負担割合が3割に軽減されます。
また、自己負担額が一定金額を上回った場合には、超えた部分が還付される「高額療養費制度」もあります。
保険料
民間の医療保険と健康保険の違いとして、保険料も挙げられます。
健康保険の場合、前年の所得に応じて保険料が変動します。
所得が多くなるほど支払う保険料の負担も大きくなっていく仕組みです。
一方、民間の医療保険は年齢や性別、保障内容によって保険料が変動します。
事前にシミュレーションなどで保険料を確認することもできます。
健康保険があっても医療保険には加入すべき?
前述した通り、日本では「国民皆保険制度」が採用されているため、すべての国民が公的医療保険制度に加入しています。
すでに健康保険制度に加入しているにも関わらず、民間の医療保険に入る必要はあるのでしょうか。
ここでは、民間の医療保険に加入する必要性について解説します。
民間の医療保険は公的制度をカバーする役割
民間の医療保険は、基本的に公的制度をカバーする役割の商品として販売されています。
そのため健康保険が基本保障であり、足りない部分を民間の医療保険で補うという形が一般的です。
例えば、健康保険制度があっても医療費の3割は自分で負担しなければなりません。
長期入院や手術などで高額な費用がかかった場合、まとまった保険金がもらえる医療保険があると安心でしょう。
また、健康保険の対象外となる費用もあり、すべて自分で負担する必要があります。
そうした費用は貯蓄や民間の医療保険の給付金から支払うことになるため、しっかりと備えておくことが大切です。
健康保険の保障適用外になる費用
怪我や病気で入金した場合、入院中の食費や差額ベッド代は健康保険の適用外となります。
入院が長引くほど自分で負担する費用が高額になっていくため、民間の医療保険で備えておくことをおすすめします。
また、放射線治療などの高度な先進医療を受けた場合の費用も、健康保険の適用外です。
一度の治療で数百万円の費用がかかる場合もあり、全額自己負担をするのは難しいケースが多くあります。
民間の医療保険で先進医療にかかる費用もしっかりと備え、大きな出費をカバーできるように準備しておきましょう。
預貯金や収入が十分な人は必要性が低い
民間の医療保険は、ケガや病気で急に高額な費用が必要になった場合の備えとして加入する商品です。
日頃から貯蓄ができており、収入面でも不安がない人は無理に保険料を負担する必要性は低いと言えるでしょう。
すでにご紹介した通り、日本の公的保険制度では医療費の自己負担割合は3割となります。
さらに自己負担が一定を超えると、超えた分が払い戻される「高額療養費制度」も存在しており、基本的な医療保障は充実しています。
公的制度と現在の預貯金の状況を踏まえて、自分が民間の医療保険に加入すべきかどうかを考えましょう。
保険商品を選ぶ際のポイント
健康保険の不足分をカバーするために民間の医療保険に加入するのであれば、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
- 保険期間をいつまで設定するか
- 給付金をいくら受け取るのか
- 必要な特約を上乗せする
上記のポイントを押さえ、自分に合った保険商品を選んでいきましょう。
保険期間をいつまでに設定するか
保険期間とは、「いつまで保障が得られるのか」を契約によって定めた期間のことです。
「定期型」と「終身型」の2種類があるため、両方の特徴を理解した上で選びましょう。
定期型の医療保険は、5年・10年といった期間を定めて保障が受けられるタイプです。
終身型よりも割安な保険料に設定されているため、手頃な価格で医療保障を受けることができます。
満期を迎えたら更新することで保障を継続することができますが、更新時の年齢で保険料が再計算されるため、保険料は次第に高額になっていきます。
一方の終身型医療保険の場合、保障が一生涯継続することが特徴です。
定期型に比べると保険料は高めですが、保険料がずっと変わらないというメリットがあります。
両方の特徴をきちんと理解し、自分の目的に合った保険期間を設定しましょう。
給付金をいくら受け取るのか
民間の医療保険では「入院給付金」と「手術給付金」が基本の保障内容となります。
入院給付金は、入院日数に入院給付金日額を掛けて算出されます。
例えば、入院給付金日額が1万円で20日間入院した場合、給付金は「1万円×20日間=20万円」です。
近年では、「入院1回につき〇〇万円」という保険商品もあり、短期入院でも十分な保障が得られるタイプが増えてきています。
一方の手術給付金は、入院給付金日額に手術給付倍率を掛けて算出されます。
例えば、入院給付金日額が5,000円で手術給付倍率20倍の手術をした場合、給付金は「5,000円×20倍=10万円」です。
どちらも「入院給付金日額」をもとに計算するため、いくらに設定するかを考えていきましょう。
必要な特約を上乗せする
医療保険には入院給付金や手術給付金のほかに、必要に応じて保障を上乗せできる特約もあります。
自分に必要な特約をしっかりと吟味し、ニーズに合った保険プランを設計していきましょう。
例えば、乳がんや子宮がん、妊娠・出産に伴う合併症など、女性特有の疾病を保障する特約は多くの保険会社が設けています。
また、放射線治療などの先進医療を受けた場合に、多額の給付金を受け取れる特約もあります。
特約は付加すると保険料も高くなるため、本当に必要な特約を見極めることが大切です。
保険料と保障のバランスを考えながら、必要な特約を上乗せしていきましょう。
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医療保険の加入・乗り換えを検討する場合、おすすめしたいのが保険代理店の無料相談サービスです。
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まとめ
民間の医療保険と健康保険では、加入資格や給付方法、保険料などの点に違いがあります。
公的制度の健康保険を基本保障として備えつつ、足りない部分を民間の医療保険でカバーしていくことが大切です。
また、医療保険を選ぶ際には「保険期間」「給付金額」「特約」がポイントとなります。
保険代理店の無料相談も活用しつつ、自分にぴったりの保険商品を探していきましょう。