医療保険の保障内容には、入院日数に応じて保険金が支給される「入院給付金」だけでなく、ケガや病気で手術を受けた際に支払われる「手術給付金」があります。
「手術給付金はどんな手術で支払われるか」「いくら受け取れるか」という点が気になっている方も多いでしょう。
この記事では医療保険の手術給付金の基本的な特徴や、支払い対象となる手術の種類・条件、いくら受け取れるのかという点を解説します。
医療保険の加入時に手術給付金を設定するときのポイントもご紹介するので、ぜひ本記事を参考に医療保険の手術給付金を設定しましょう。
医療保険の手術給付金とは?
手術給付金とは、医療保険の加入者が病気やケガを原因とした所定の手術を受けた場合に支払われる給付金のことです。
入院をしないと支払われない入院給付金とは違い、手術給付金は入院を伴わない外来手術でも給付金が支払われます。
給付金の支払い回数は「何回まで」という制限はなく、支払い対象となる手術を受ければ何回でも支払われます。
ただし、保険会社によっては施術の開始日から60日に1回などと制限されている場合もあるため、事前に確かめておきましょう。
手術給付金の支払い対象となる手術の種類や条件は?
手術給付金は、すべての手術が給付の対象になるとは限りません。
医療保険に加入して手術給付金を設定する際は、手術給付金の支払い対象となる手術の種類を事前に確認しておく必要があります。
ここでは、手術給付金の対象になる手術と対象にならない手術について解説します。
手術給付金の対象となる手術
手術給付金の対象となる手術は、加入する医療保険の種類によって以下の2タイプに分かれます。
- 公的医療保険に連動している約1,000種類の手術
- 保険会社が指定する88(89)種類の手術
近年の医療保険では、公的医療保険に連動している約1,000種類の手術が給付対象になる場合が主流になってきています。
事前に医療保険の約款を確認し、給付の対象になる手術の種類を確認しておきましょう。
手術給付金の対象とならない手術
手術給付金の対象外となる手術は、保険会社や商品によって異なります。
例えば、以下のような手術は民間医療保険の手術給付金の対象外です。
- 美容整形のための手術
- レーシックなどの視力回復を目的とした手術
- 正常分娩による出産※
- 先進医療に含まれる手術
上記の手術に該当する場合は、手術給付金の対象外になるため注意が必要です。
ただし、先進医療にかかる費用は特約を上乗せすれば保険金が支払われます。
また、帝王切開による出産は異常分娩とされ、公的医療保険や民間の医療保険でも備えることができます。
※本来異常分娩に分類される吸引分娩も、医師の判断で正常分娩の範囲内とされ、医療保険適用外とされる場合もあります。
いくら受け取ることができるのか
手術給付金がいくら受け取れるのかは、加入する医療保険によって異なります。
主に以下の2つのタイプに分けられます。
- 一律で金額が決まるタイプ
- 入院給付金日額に倍率を乗じるタイプ
それぞれのタイプについて確認していきましょう。
一律で金額が決まるタイプ
手術の内容にかかわらず、一律で手術給付金の金額が決まっているタイプの医療保険。
「手術1回につき10万円」「入院給付日額の20倍」などと決められており、一律の給付金が支給されることが特徴です。
入院給付金日額に倍率を乗じるタイプ
手術の種類によって、手術給付金の金額が変わるタイプの医療保険です。
計算方法は入院給付金日額をもとにしており、手術の種類に応じた倍率が掛けられます。
例えば「入院中の手術なら20倍、外来での手術なら5倍」など、入院の有無に合わせて倍率が異なる場合があるのです。
また、「3大疾病で入院中なら40倍、3大疾病以外の病気・ケガなら20倍」など、手術の種類に合わせて倍率が異なる商品もあります。
入院給付金日額によって受け取れる手術給付金も異なるため、入院給付金日額は慎重に設定しましょう。
医療保険加入時に手術給付金を設定するときのポイント
医療保険の加入時に手術給付金を設定する際、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 保険料と保障内容のバランスを考える
- 給付の条件を確かめる
- 自分に必要な特約を上乗せする
それぞれのポイントを押さえ、自分に合った手術給付金を設定しましょう。
保険料と保障内容のバランスを考える
手術給付金は、給付倍率を高くしたり、もとになる入院給付金日額を高くしたりすることで保障を手厚くできます。
しかし保障を手厚くするほど保険料も高くなるため、家計の負担にならない範囲で保障内容を設定しましょう。
まずは、ケガや病気で手術したときに「お金がいくら必要か」を計算することが大切です。
最低限必要な保障内容を計算し、過不足ない手術給付金を備えましょう。
給付の条件を確かめる
手術給付金は支払い対象になる手術であれば給付回数に制限はなく、手術するたびに申請すれば何回でも給付金が支払われます。
しかし保険会社や商品によっては、以下のような条件が設定されている場合もあるため注意が必要です。
- 同じ日に複数の手術を受けた場合は1回分のみ給付する
- 施術開始日から60日に1回を限度として給付する
「治療を受けたのに手術給付金がもらえない」というトラブルを避けるためにも、事前に給付条件を確かめておきましょう。
診断書の有無について
手術を受けた場合、診断書の取り扱いに関しても確認が必要でしょう。
基本的には自己負担で診断書を医療機関に作成してもらい請求時に提出する必要があります。
しかし生命保険会社よっては、診断書がいらない場合もありますので、約款や直接確認することをおすすめします。
自分に必要な特約を上乗せする
医療保険で提供されている特約の内容を確認し、自分に必要なものを上乗せしましょう。
例えば医療保険の基本保障では、先進医療にかかる費用が保障の対象外になる場合がほとんどです。
先進医療特約を付加することで、高額な医療費がかかることが多い先進医療に備えることができます。
また、女性向けの特約を付加すれば、女性特有の病気に対して保障が上乗せされます。
乳がんや子宮がんなどの女性特有の病気や、帝王切開による出産などに手厚い保障を準備できるため女性におすすめの特約です。
医療保険の入院給付金や手術給付金だけでは、保障が不足してしまう可能性が考えられます。
必要な保障内容をじっくりと考え、自分に必要な特約を上乗せしましょう。
まとめ
医療保険の手術給付金は、ケガや病気で手術を受けた際に給付されます。
手術によって保障の対象外となる場合もあるため、事前によく確認しておきましょう。
また手術給付金をいくら受け取れるのかという点は、保険会社や商品によっても異なります。
本記事でご紹介したポイントを参考に、自分に合った手術給付金額や倍率を設定しましょう。