「生命保険は複数加入した方が安心できるのになぁ・・」と考えている人はいませんか?ご家族が多かったり、保険金を渡したい受取人が複数いる方はいくつか生命保険に加入したいと思っている人もいらっしゃると思います。
また、1件の加入だけだと、保障はちゃんと足りているのか不安に感じてしまう方もいるかもしれません。
しかし、複数加入してもメリットだけでなくデメリットもあるのではないかと心配にもなりますよね。
そこで今回の記事では、
- 生命保険(死亡保険)は複数加入できるのか
- 2社以上に加入するメリット・デメリット
- 生命保険(死亡保険)に複数加入はおすすめしない
以上の3点を中心にわかりやすく解説していきます。
生命保険の複数加入について理解が深まって頂けると思いますので、是非最後まで読んでみてください。
生命保険(死亡保険)は複数加入できる
生命保険(死亡保険)は1社だけでなく複数加入することができます。なぜなら、生命保険(死亡保険)は遺族の生活を守るための保障だからです。
また、人には物のように金額をつけることができません。損害保険は万が一の事故等が起こった場合、被害額を保険金として受け取ることができます。しかし、複数加入したとしても詐欺行為につながる可能性があるので、被害額分しか受け取れません。
反対に、生命保険は、保険を契約する際に決めた保険金額を受け取ることが出来ます。生命保険に複数加入していればそれだけ遺された人達を守ることが出来るのです。もちろん保険金殺人のような犯罪リスクもありますので、複数加入にしても上限はあります。
また、生命保険(死亡保険)に限らず、生命保険と医療保険や生命保険と損害保険のように違う種類の保険に加入することももちろん可能です。
ただし、注意が必要
生命保険×生命保険に複数加入した場合、いくつかの注意点があります。
- 手続きが面倒
- 控除の上限がある
- 保険金の上限がある
では上記に挙げた注意点をそれぞれ解説していきましょう。
手続きが面倒
生命保険(死亡保険)に複数加入した場合、保険金の請求手続きが面倒になることが挙げられます。死亡保険はご自身が亡くなった時に下りる保険です。請求手続きは受取人が行うことになるからです。
亡くした悲しみや葬儀で心身ともに疲れていると思いますので、複数の保険会社に請求手続きをするのは大変であることが予想されます。
保険料控除の上限がある
生命保険を複数加入した場合、保険料控除の上限に引っかかることがあります。
保険料控除とは、1年間で支払った保険料のうち、一定の金額を所得から差し引ける制度のことを指します。
保険料控除の限度額は、新制度(2012年1月1日以降の契約)と旧制度(2011年12月31日以前の契約)で異なりますので確認しておくとよいでしょう。
保険金の上限がある
生命保険(死亡保険)を複数加入すると、保険金の上限に引っかかることがあります。なぜなら、死亡保険金を上限なしに複数加入できる状態だと保険金殺人のような事件が発生する可能性があるからです。
保険金の上限は保険会社によって違いますが、以下のような基準で決められています。
- 年齢は未成年(15歳未満)ではないか
- 年収は設定する保険金額に見合っているか
- 死亡するリスクが高い職業かどうか
このように保険会社は保険金額がその人に見合っているかどうか判断しています。
例えば、15歳未満の未成年は上限が1000万だったり、格闘家の上限は3000万円だったりと加入する人に応じて上限はさまざまです。
2社以上に加入するメリット・デメリット
これまでの内容では、生命保険の複数加入は注意点はあるが可能ということを解説していきました。
続いては、2社以上の生命保険に加入するメリット・デメリットについて解説していきます。
まず、生命保険に複数加入することでのメリットは以下のことが考えられます。
メリット
- 足りない保障をカバーすることができる
- 保険会社の破綻リスクを回避できる
- 代理店などの保険の相談相手が増える
では、それぞれ具体的に解説していきます。
足りない保障をカバーすることが出来る
生命保険は複数加入すると足りていない保障をカバーできるメリットがあります。なぜなら、生命保険は保険会社によっても特徴が異なるからです。
例えば、A社・死亡時のみ保険金が受け取れる保険に加入していた場合、要介護状態時の保障できませんよね。B社・死亡時・要介護状態でも保険金が受け取れる保険にも加入すれば1社だけでは不安だった要素が解消できることになります。
保険会社の破綻リスクを回避できる
生命保険を複数加入することで保険会社が破綻してしまうリスクを回避することができます。理由は、保険会社の経営が傾いて破綻してしまった場合、契約していた保険は解消されて保障が無くなる可能性があるからです。
保険会社が潰れないとは言えませんし、引き継いでくれる保険会社があるかどうかもわかりません。複数加入していれば最悪の事態を免れることができます。
代理店などの保険の相談相手が増える
3つめのメリットは、複数加入することで保険の相談相手が増えることが挙げられます。色んな意見や知識を得ることで自分の欲しかった保障が補える保険商品を見つけられる可能性があります。
1つの保険会社の担当者だけだとその保険会社の商品だけの保障内容や情報しか得られることはできません。複数の保険会社に相談相手がいることで、保険商品の比較ができますし、ご自身の納得できる保険商品を見つけることが出来るでしょう。
続いて、生命保険に複数加入した場合のデメリットについては以下のことが考えられます。
デメリット
- 保険料の支払いが増える
- 保障が重複する可能性がある
では、これらの2点について詳しく述べていきましょう。
保険料の支払いが増える
生命保険に複数加入した場合、その分保険料の支払いは増えてしまいます。保険料の支払いで家計が圧迫してしまっては大変です。お子様のいるご家庭だと教育費もかさみますし、他にも捻出すべき生活費があると思います。
保険料は、ご自身の収入の中から無理なく支払える範囲で抑えられるようにする必要があります。
保障が重複する場合がある
生命保険に複数加入していると、保障内容が重複する可能性があります。理由を挙げると、別の保険会社の担当から同じような保障の保険商品を提案されることが考えられるからです。
複数加入すると、ご自身でどのような保険に加入しているかを把握しておく必要があります。加入している生命保険が多くなると管理も増えてしまうことが懸念されるでしょう。
生命保険(死亡保険)に複数加入するのはおすすめしない
これまで、生命保険(死亡保険)に複数加入した場合のメリット・デメリットについて述べていきましたが、筆者は生命保険(死亡保険)に複数加入するのはおすすめしません。なぜなら、1社にまとめてしっかりとした保障をつけた方が良いと考えるからです。
複数加入のメリットとして、足りていない保障をカバーできることが挙げられますが、1社の保険商品でも特約を付加することで保障をカバーできる場合があります。
1社に生命保険をまとめることで、面倒な手続きも減りますしご自身の管理の手間を省くことにも繋がります。また、経済的負担も少なくなりますのでその分貯蓄や他の生活費に回すこともできるのではないでしょうか。
もし、今加入している生命保険の補償内容に不安がある方は保険の見直しを検討してみるのも得策です。自分が求めていた保障がカバーできる保険商品が見つかるかもしれませんし、抱えている不安の解消にも繋がると思います。
どの生命保険にしようか、悩んでいる方や選び方がわからない方は、こちらの記事も参考にして見てください。
生命保険(死亡保険)の正しい選び方を解説!目的を整理して正しく選ぼう
余談:保障内容が重複した場合はどうなる?
保障内容が重複してしまった場合、損害保険では複数の保険に加入していても被害額以上出ることはありません。医療保険の場合は、重複していても保険金は問題なく受け取ることが出来ます。
ちなみに、やむ負えない事情で医療費全額負担となった場合も保険金を受け取ることが出来ます。医療費を全額負担した分は後日、健康保険負担分を請求することも可能です。
また、高額療養費に当てはまる場合も制度を利用できるだけでなく、生命保険に複数加入していても保険金を受け取ることが可能です。
まとめ
今回は生命保険の複数加入はできるのか、メリット・デメリットについて解説していきましたがいかがだったでしょうか?
要点をまとめると、
- 生命保険の複数加入はできる
- 手続きが面倒だったり、保険料の控除に上限があるので注意が必要
- 足りてない保障を補えたり、保険の相談相手が増えるメリットがある
- 保険料が増えたり、保障が重複してしまうデメリットがある
以上のことが挙げられました。
しかしながら、生命保険の複数加入は経済的に余裕があったり複数人を受取人にしたい方以外にはおすすめできません。1社でも特約を付加して足りていない保障をカバーできますし、保険料の節約にもなります。
ご自身が加入している生命保険の保障内容に不安がある場合は、保険の見直しをしてみることをおすすめします。ご自身が納得できる保険を見つけられるかもしれません。