万が一の際の死亡リスクを保障する生命保険にはいつから加入すべきなのでしょうか?
生命保険には早めに加入したほうがいいと聞きますが、加入のタイミングには多くの人が迷っていますし、あなたもその一人かもしれません。
この記事では、生命保険にいつから加入すべきなのかについて、具体的な年齢やタイミングを交えて解説します。生命保険に加入したあと、いつから保障が開始されるのかも併せてご紹介しますので、生命保険の加入時期について詳しく知りたい人はぜひ参考にしてください。
生命保険(死亡保障)はいつから加入するべきか?
生命保険は遅くとも30代、できる限り20代で加入しましょう。令和元年度の生命保険文化センターの調査によると、18~19歳の保険加入率は30%以下にとどまっているものの、20代は約60%、30代は80%を超える人が加入しています。
加入のピークは40代ですが、40代以降も平均して80%以上の加入率を保っていることを考えると、やはり20~30代の加入し継続することが重要と言えます。
生命保険に加入する具体的なタイミングは後述しますが、ここではタイミングの1つである「就職」を考えてみましょう。「就職」の場合、多くの人が大学を卒業して仕事に就く22歳が加入の適切なタイミングと言えます。
なお、ここで紹介した生命保険文化センターの調査には、医療保険や年金保険の加入率も含む点には注意が必要です。しかし、これらの加入者で生命保険に加入する人も多く、保険加入率全般を確認することで生命保険にいつから加入すべきかという問いへの答えがより明確になります。
生命保険への適切な加入タイミングは20代、遅くとも30代までと覚えておきましょう。
生命保険にできるだけ早く加入すべき5つの理由
若いうちから生命保険に加入すべき理由には、主に以下の5点があります。
- 最低限の保障を確保するため
- 保険料が安いため
- 死亡リスクは徐々に上昇するため
- 健康状態によっては加入できないこともあるため
- 生命保険料控除が利用できるため
最低限の保障を確保するため
まず第一の理由として、いくら若くても最低限の保障は確保しておくためにも生命保険への加入は必要です。
若年層は貯蓄が不十分なことが多く、20代の多くは就職で親元を離れて独立するタイミングです。社会人として最低限の保障を確保する意味でも、早期に生命保険で保障を確保する必要性があります。
保険料が安いため
生命保険料は性別と年齢に基づいて算出されるため、1歳でも若い時期に加入するほうが毎月の保険料の支払いは安価で済むという特徴があります。
いわゆる若年層と呼ばれる世代は給与水準もそこまで高くなく、収支バランスもまだまだ不安定な時期であるため、早期に加入して生命保険料としての支出はできるだけ抑えましょう。
死亡リスクは徐々に上昇するため
死亡リスクの上昇も考慮しましょう。普段から健康に気を付けていたとしても、年齢を重ねるにつれてさまざまな病気で死亡するリスクは徐々に高まります。
また、突然の事故で死亡するリスクは誰もが抱えており、死亡リスクへの備えは必須といえます。
健康状態によっては加入できないこともあるため
若いうちから生命保険に加入すべき理由には、健康状態も大きく関与しています。生命保険は加入時に健康状態の告知が必要です。告知とは、既往症や持病、加入時点での健康状態を詳細に保険会社に申告するもので、これを告知義務といいいます。
たとえば直近でがんを発症していたり、うつ病を発症していると加入できない可能性があります。つまり、生命保険は誰もが入れるというわけではないという点は覚えておきましょう。
まずはしっかりとした保障額を確保し、ライフスタイルの変化に応じて保障額を減額するなど柔軟に対応すると無駄なく保険に加入できます。
社会人としての最低限の保障や保険料の安さ、健康上の理由といった3つの観点からも若いうちから生命保険に加入することは非常に大切です。
生命保険料控除が利用できるため
生命保険に支払った保険料は生命保険料控除の対象になるため、所得税や住民税が安くなるというメリットがあります。これは掛け捨て・終身保険問わず共通しており、契約者であれば誰でも使える制度です。会社員であれば年末調整で、自営業は確定申告を利用しましょう。
控除制度には新制度と旧制度があり、生命保険に加入するタイミングによってそれぞれ別の制度が適用されます。生命保険控除に関連して、年金保険料控除や、医療保険やがん保険などに適用される医療保険料控除もあるため、それぞれの控除枠の詳細を確認した上で、無駄なく控除枠を利用すると加入メリットを最大限生かすことができます。
生命保険に加入するタイミングを整理しよう
以下の4つのタイミングは、生命保険に加入すべきタイミングと言えます。
- 就職
- 結婚
- 妊娠・出産
- マイホームの購入
就職
就職は生命保険への加入を検討する最初のタイミングです。就職を機に独立して一人暮らしを始める人も多く、親からのサポートがなくなるため、最低限の保障は確保しておく必要があるという点が大きな理由です。
しかし、就職時には独身ということが圧倒的に多く、「死亡保障は不要ではないか」と考える人もいるのではないでしょうか。確かに、就職時における生命保険の重要性は相対的に低いものの、親に迷惑をかけないように葬儀代程度の死亡保障は確保しておきたいものです。
就職したてはまだ収入が低い傾向にあることもふまえて、月々の保険料が安い最低限の保障額(500万円など)で加入するのがポイントです。
結婚
生命保険には結婚と共に加入するという人も非常に多く、特に妻が専業主婦の場合、男性(夫)に万が一のことがあるとその後の生活に困窮することになります。家族が増えると、死亡後に必要となるお金も格段に増えます。
結婚時はさまざまな手続きや挙式準備、引っ越しなどで忙しく、生命保険への加入をつい後回しにしてしまいがちですが、できるだけ早期に加入することを意識すると良いでしょう。
離婚
なお、意外と忘れがちなタイミングとして離婚時があります。例えばあなたが離婚によって子供の親権を得る場合などは、生命保険で大きな備えを確保しておく必要があるという点を覚えておきましょう。
ただ、一般的には結婚して家庭を持った場合は同時に生命保険に加入しているものです。したがって、離婚時には加入していた生命保険の見直しこそが必要になりがちです。そこで、当サイトでは「離婚時の生命保険の見直し」について別途詳しく解説しています。ご興味のある方はぜひ一度ご覧ください。
妊娠・出産
結婚だけでなく、妊娠・出産も生命保険に入るには最適なタイミングと言えます。万が一のことを想定し、赤ちゃんが生まれる前に生命保険に加入しておくと保障面では万全と言えます。また、女性は帝王切開などの手術に備えて医療保険も同時に検討しておきましょう。
なお、家族の人数が増えるたびに必要保障額が変化します。そのため、生命保険に加入後も保障を見直し、新しい保障に入るべきかどうかなど保障内容が適切かどうかは適宜確認することが大切です。
マイホームの購入
いつかはマイホームの購入を考えている人は多く、あなたもそのうちの一人ではないでしょうか?一般的には、住宅ローンを利用してマイホームを購入し、購入後は毎月所定の金額を返済することになります。
住宅ローン利用時には、債務者が返済期間中に死亡したときに備えて、団体信用生命保険(団信)に加入することを求められることが多く、団体信用生命保険の保険金で、金融機関は貸付額を取り戻すことになります。
この団体信用生命保険も、生命保険と考えることができるため、マイホームの購入時も死亡時への保障を確保するタイミングの1つといえます。
申し込み後に保障が始まるのはいつから?
少し余談とも言えますが、生命保険に申し込んだ場合、保障はいつから始まるのでしょうか。一般的には、「告知日」と「初回の保険料の払い込み日」のどちらか遅い日から保障がスタートします。
なお、保障が開始する日のことを「責任開始日」といい、この責任開始日以降に死亡した場合には死亡保険金が支払われます。
つまり、窓口やインターネット上での申し込み手続きが完了した時点では、まだ保障が始まっていないという点には注意が必要です。
生命保険の加入手続きには、以下の3つのステップがあります。
- 申込手続き
- 健康状態の告知
- 初回の保険料の払い込み
保障がスタートするのは、一般的には、2もしくは3の遅いほうにさかぼった日です。保険会社の中には初回の保険料を口座引き落としとする会社もあり、その場合は引き落としを待たずにステップの1と2が完了した時点で保障が開始します。
責任開始日は保険会社、生命保険の商品ごとに異なるため、加入手続き前に必ず確認しましょう。
まとめ
この記事では「生命保険にいつから加入すべきか」と悩む人向けに、加入の適切なタイミングや早期加入の理由を詳しく解説しました。
生命保険は20代~30代で加入する人が圧倒的に多く、就職や結婚といったタイミングは生命保険に加入する絶好のタイミングともいえます。
毎月の保険料が安く、生命保険料控除を利用できるなど、早めに生命保険に加入する理由を確認しできるだけ早く保障を確保しましょう。
生命保険の早期加入は重要です。しかし、生命保険はやみくもに加入するものではなく、自分に合う保障を過不足なく確保することが大切です。
生命保険の選び方の詳細は以下の「生命保険の正しい選び方」で解説していますので、ぜひご参照ください。
生命保険(死亡保険)の正しい選び方を解説!目的を整理して正しく選ぼう
突然の死亡リスクは避けることができません。遺族のため、そして自分自身の最低限の保障として生命保険はできるだけ早く加入し、万が一の際に備えましょう。