40歳から始まる介護保険の保険料納付。毎月のお給料から天引きされるため、給与明細を見て初めて気がついた人もいるかもしれませんね。
そんな介護保険の保険料ですが、年齢区分によって計算が異なります。また、料率は一定ではなく毎年定期的に見直しが実施されています。これまでの傾向を見ると、年々増加傾向にある介護保険の料率。
- 今年の介護保険の料率は何%か?
- これまでの介護保険の料率の推移はどうなっているのか?
そういった介護保険の料率についての気になる疑問に対して、今回は分かりやすく解説していきます。
毎年改定される介護保険料率、今年は?

協会けんぽの発表によると、今年、2021年(令和3年)3月分からの介護保険料率は1.80%です。冒頭でも述べましたが、この料率は年々上がっています。
それでは、どれくらい料率があがってきているのでしょうか?過去の介護保険の料率と比較していきましょう。
現在と過去の介護保険料率を比較
それでは、過去の介護保険料率を見ていきましょう。
- 2020年3月:1.79%
- 2019年3月:1.73%
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- 2009年3月:1.19%
2021年の介護保険料率は前年と比較して0.01%の上昇でした。ただ、約10年前の2009年の料率が1.19%だったことを考慮すると、この10年間で0.6%に及ぶ大幅な料率改定があったことになります。介護保険料は着実に値上がり局面の中で推移していますね。
ちなみに、2021年3月改定分が最新ですが、毎年改定されることを念頭に、必要であれば協会けんぽのホームページ用や新聞記事等を参照しましょう。
(出典:全国健康保険協会 協会けんぽの介護保険料率について https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/1995-298/)
介護保険の料率が上がる理由
わずかな料率変更であるとはいえ、介護保険料の値上げは長期的に見ると保険料負担がさらに重くなるため、抵抗を感じる人も少なくありません。そもそも介護保険の料率が定期的に見直される理由の1つに高齢化があります。
介護保険料は、単年度で収支が均衡するようにと健康保険法で決められています。そのため、料率を変更することによってその不足を補う必要があります。
高齢化に伴って介護保険サービスの利用者が増えていることもあって、令和2年度の場合は467億円が不足すると言われています。そのため、少しでも料率改定を行い、収支を安定させる狙いがあります。
介護保険料が決まる仕組みを解説

毎年、介護保険の料率は見直されていますが、被保険者に応じて支払い方法や保険料の計算方法も異なります。続いては介護保険料が決まる仕組みを解説します。
標準報酬月額とは
介護保険料を決定する際にポイントとなるのが、標準報酬月額と呼ばれるものです。
標準報酬月額とは、毎年4月から6月の給与を平均し、その平均額を報酬額の区分表にあてはめて決めています。標準報酬月額に所定の料率を掛けることで介護保険料が算出されます。
介護保険料だけでなく、健康保険料や厚生年金保険料も決定します。標準報酬月額は普段から把握しておくと良いでしょう。
なお、介護保険料は健康保険料や厚生年金保険料と同じく、被保険者と事業主が折半しています。
第一号被保険者(65歳以上)
65歳以上が該当する介護保険第一号被保険者の保険料は、都道府県の各自治体ごとに異なります。
居住している自治体の介護サービスに必要な給付額から算出されますが、一律にした場合、負担が大きすぎるケースが出てしまいます。
そのため、所得ごとに分けて、それぞれに所定の保険料率を掛ける方法が取られています。
一般的に、第一号被保険者は年金から天引きされる「特別徴収」にて保険料を支払います。ただし、年金年額が18万円よりも少ない場合、納付書にて支払います。
第二号被保険者(40歳から64歳以下)
40歳から64歳以下は介護保険の第二号被保険者と呼ばれます。
第二号被保険者のうち、給与所得者は健康保険料と一緒に給与から天引きされる形で介護保険料を支払います。
先述の標準報酬月額表は都道府県によっても異なり、さらに健康保険組合でも異なるため、介護保険料は人によって異なります。
個人事業主などの自営業者の場合、国民健康保険料に上乗せして介護保険を納付します。国民健康保険料の納付金額書類とは別に納付書が届くため、忘れず納付するようにしましょう。
まとめ
40歳以上は介護保険料を支払う必要があるものの、介護保険の料率について深く考えたことがある人は決して多くありません。
介護保険の保険料率は年々上昇しており、高齢化に伴う支出額の増加でさらなる料率改定が予想されます。
被保険者区分によって納付方法が異なり、さらに標準報酬月額も保険料に関わってくるため、介護保険料は千差万別と言えます。
介護保険料の支払いが始まったときに慌てることのないよう、介護保険料率の推移は普段から確認しておくことが大切です。
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