平均寿命の伸びを受け、特に50代は公的介護保険と民間介護保険の双方で備えを早急に確保しておくことが大切です。この記事では50代向けの介護保険について解説します。
50代は公的介護保険に加入しているとはいえ備えが限定的であり、いわゆる「高齢者」になる前に民間の介護保険に加入しておくべき年代です。
60代を迎えて後悔することのないよう、この記事の内容を参考にしながら介護への備えが十分かどうか検証し、必要に応じて民間の介護保険に加入しましょう。
50代は民間の介護保険は必要か?公的制度との兼ね合い
結論から述べると、50代の方にとって民間の介護保険はかなり必要性が高いです。なぜなら、以下の2つのケースが想定されるためです。
- 公的介護保険が使えないケース
- 公的介護保険では不十分なケース
50代は公的介護保険の対象であるものの、特定の16種類の病気を原因とした場合でなければ公的介護サービスを利用できません。(なお、16種類の病気の詳細は後ほど解説します。)
また、一般的に公的介護保険で受け取ることができるものは基本的にサービスの現物給付のみです。そのため、例えば介護のための自宅のリフォーム費用や収入の減少に対しての備えは公的介護保険では不十分と言えます。
中でも独身の人は、自分自身で備えを確保しておくことが非常に重要です。このような理由により、50代の方には民間の介護保険が必要と言えます。
公的介護保険はどのようなときに使える?
原則として40歳以上の全ての国民が公的介護保険制度に加入しています。しかし、50代が公的介護保険サービスを利用するためには、以下の16種類の病気を原因とした介護状態でなければなりません。
- がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断した場合のみ)
- 関節リウマチ
- 筋委縮性側索硬化症
- 後縦靭帯骨化症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核編成症およびパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管側弯症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
つまり、50代を含め40歳以上65歳未満は、限られた病気を発症しない限り、公的介護保険を利用することはできないという点を覚えておきましょう。
公的介護保険のサービスで十分という声も...
民間の介護保険に加入する必要性は非常に高い一方で、「民間介護保険に入る必要はなく、公的介護保険のみで十分」だという声があるのも事実です。ここでは、民間の介護保険の必要性について改めて検証します。
要介護認定の要因、第一位は「認知症」
公的介護保険のみで十分と考える人の多くは、「要介護認定要因の上位である認知症や脳血管疾患は16種類の特定疾病に含まれているため、公的介護保険だけでも十分ではないか」という意見を持っています。
このような意見があるものの、介護状態に該当する場合、16種の特定疾病に含まれない要因も多く考えられ、必ずしも公的介護保険による介護サービスが受けられるわけではない点は第一に考慮しなければなりません。
さらに、公的介護保険は介護サービスを利用する際の費用負担が軽減されるだけであり、自己負担が全くないということではありません。そのため、もしも介護状態に該当した場合は、貯蓄は徐々に減っていくことが予想されます。そうなると、金銭的な負担を軽減するためにも、給付金を得られる民間の介護保険への加入の必要性が高いですよね。
認知症の発症リスクは誰もが抱えており、特に50代は民間の介護保険でしっかりと備えておくことを検討しましょう。
公的介護保険は収入に応じて負担割合が変わる
公的介護保険は、利用者の収入に応じて自己負担割合が異なります。これは、世代間や世代内の公平性を確保しながら、制度をできるだけ長く持続させる観点から実施されています。
以前は2割もしくは1割の自己負担で実施されていたものの、2018年8月以後は年金等の収入が340万円を超える場合の公的介護保険の自己負担割合は3割になりました。
つまり、人によっては最大3割の自己負担が発生し、介護状態に該当した場合の金銭的な負担をどう和らげるのかという点について、50代から考えておく必要があります。
その点、民間の介護保険であれば所定の介護状態に該当した場合に、契約時に定めた給付金を受け取ることができます。介護状態に該当した場合のさまざまな自己負担を考えると、民間の介護保険での備えも最低限必要であることが分かります。
50代は退職を控え、公的年金の受給額もある程度予測ができる年代です。年金収入等が多い場合は自己負担割合が上がる点を意識し、介護状態該当時の費用面での備えを考えておきましょう。
今後、自己負担額は引き上げられていくかもしれない
先述のように、介護保険の自己負担割合は、一定以上の収入がある場合3割に引き上げられました。公的年金の受給年齢が徐々に引き上げられているように、超高齢化社会を考えると、公的介護保険の自己負担額が今後ますます引き上げられても不思議ではありません。
平成30年の厚生労働省の報告(※)によると、公的介護保険の創設から約20年が経過し、制度が始まった当初と比べると65歳以上の被保険者数が約1.6倍に増加しています。さらに公的介護保険の介護サービス利用者数は約3.3倍に増え、公的介護保険は高齢者の介護に必要不可欠な制度になるほど発展しているといえます。
特に75歳以降の高齢者数が急速に増加し、総人口が減少していく中で高齢者の占める割合はますます増加していくと予想されます。公的介護保険の利用者数が増えるに従い、制度維持に必要な費用が増え、ひいては利用者の負担額割合がさらに増える可能性があります。
収入次第では、今後さらなる負担を求められる可能性があることを考えると、50代から介護時の備えを民間の保険で確保しておくことを検討しましょう。
実は50代の加入が一番多い!
厚生労働省の調査によると、50代の民間の介護保険加入率は2割を超えており、他の世代と比べて一番多くなっています。つまり、一番介護保険に加入するタイミングとして選ばれているということに他なりません。
ちなみに、若年性認知症の推定発症年齢の平均は51.3歳(※)です。そして、認知症は多くの場合で要介護認定がなされます。このデータを見ると、50代の方にとって、認知症は決して他人事とは思えないですよね。
民間の介護保険は、認知症を発症してから加入することはできないので、50代で元気な今こそ介護保険に加入して、将来に備えておくべきといえます。50代での民間の介護保険加入は、決して早いわけではなく、むしろ以後の認知症の発症リスクを考えると非常に妥当なタイミングです。
50代におすすめの介護保険は?
50代で民間の介護保険へ加入するなら、アフラックの「スーパー介護年金プランVタイプ」がおすすめです。その理由は続く内容にてお伝えしましょう!
アフラックの「スーパー介護年金プランVタイプ」
この保険は、介護状態だけでなく高度障害状態に該当した場合にも給付金を受け取ることができます。給付金がより受け取りやすいという特徴があるほか、65歳到達時点でそのときのニーズに合わせた保障に組み替えることが可能です。
50代は退職や再就職などを目前に控え、子供がいる場合は子供が独立を迎えるなど、公私共に変化の激しい年代です。そのため、場合によっては、「介護に備えつつ死亡保障も確保したい」などと、ニーズが加入後に変わる可能性もあります。アフラックのスーパー介護年金プランVタイプなら、加入後にさまざまな保障へと内容を変更できます。
このように、セカンドライフを視野に入れ始める50代の方にだからこそ、おすすめしたいのがアフラックの介護保険です。なお、この商品の詳しい保障内容については、「アフラックの介護保険『スーパー介護年金プランVタイプ』」をご確認ください。
まとめ
50代は公的介護保険の対象ですが、全ての介護事由をカバーしているわけではありません。認知症の発症リスクなどを考えると、できるだけ早く民間の介護保険で備えを確保しておく必要があります。
また、高齢化社会がますます進むと、いま以上の自己負担を求められることも想定されます。50代の介護保険加入率の高さなどを参考にしながら、自分自身に合う介護保険を見つけてみましょう。