がん保険に加入したいと感じていても何歳ごろに加入するのがベストなのかと悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
特に若い方にとってがんは「もっと年齢を重ねてから」というイメージを持ちがちです。
しかし、若い年齢でも罹患する方がいますし、早めに加入したほうがお得な場合もあります。
つまり、年齢にかかわらずがんへの備えは必要だといえるのです。
そこで、本記事では、がん保険に加入すべきなのか、がんに備えた保険の選び方について、加入率などのデータをもとに解説していきます。
加入率からみる、がん保険の必要性を解説
三大疾病の一つであるがん。
がんに備えるといっても、2種類の方法があります。
- がん保険に加入する方法
- 医療保険にがん特約を付与する方法
がん保険とは、がんを患ったときにだけ保障がされる保険のことを指します。
また、医療保険にがん特約を付与する方法に関しては後半で解説します。
まずは、がんの罹患率の推移からがん保険等でがんに備える必要性、また、いつから加入するのがベストなのかを解説します。
がんの罹患率年代別男女別の推移は、それぞれ以下の通りです。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
25~29 | 32.5 | 57.6 |
30~34 | 50.2 | 109.7 |
35~39 | 73.5 | 188.7 |
40~44 | 119 | 318.1 |
45~49 | 197.2 | 468.6 |
50~54 | 357 | 577.6 |
55~59 | 693 | 685.2 |
60~65 | 1228.5 | 834.6 |
国立がん研究センターの「最新がん統計」の調査結果こちらは、がん研究センターの「最新がん統計」の2019年に発信された調査結果、全国がん罹患データ(2016年~2019年)を参考にしたもの。
男女ともに30代後半からがんに罹患する方が増え始め、年齢とともに罹患率が増加していることがわかります。
この推移を見ると、生涯で何度かがんに罹患する可能性があるということがわかりますね。
将来を見据えて、早めにがんへの備えを始める必要性が高いといえます。
子供も加入できる
ちなみに、商品によって最も早いがん保険では0歳から加入することもできます。
とはいえ、国立がん研究センターのがん情報サービスによると、2009-2011年の小児がん(0~14歳)罹患率は人口10万人あたり12.3例。
同様に、15~19歳では14.2例です。
20歳未満の罹患率は大変低いことから、がん保険に加入する必要性は低いといえます。
しかし、もし備えたいのであれば何歳の子供でも加入することは可能です。
【参考:国立がん研究センター「がん情報サービス」】https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/child_aya.html
男性・女性別がん保険への加入率
ここからはがん保険の加入率ご紹介します。
ご自身に最適な保障内容にするためにも、以下のがん保険への加入率のデータを参考にして、検討してみてください。
公益財団法人生命保険文化センターがまとめた「令和元年度 生活保障に関する調査」によると、令和元年における民間保険のがん保険・がん特約の加入率は37.5%、全体のおよそ4割に達しています。
まずは、がん保険の加入率の年代別推移です。
年代 | 加入率 |
---|---|
2001 | 21.2 |
2004 | 25.3 |
2007 | 31.2 |
2010 | 33.1 |
2013 | 37.3 |
2016 | 37.8 |
2019 | 42.6 |
この加入率の推移をみると、年々がん保険加入率が高まっていることかがわかります。
つまり、がん保険に対する意識や必要性を感じる人が増えているという傾向がうかがえます。
次に年齢別の加入率推移は以下の通りです。
年代 | 男性(%) | 女性(%) |
---|---|---|
20歳代 | 22.0 | 28.9 |
30歳代 | 46.3 | 46.5 |
40歳代 | 52.8 | 49.2 |
50歳代 | 46.8 | 43.1 |
60歳代 | 42.2 | 39.0 |
【参考:生命保険文化センター「令和元年度「生活保障に関する調査」】https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/r1hosho/p037-079.pdf
男性女性ともに、30代から加入率が急激に高くなっていることがわかります。
30代になると、仕事が安定してきたり、家庭を持ったりするライフステージの変化があるので、がん保険への加入を検討する方が多い分、加入率も上昇します。
40代で加入率はピークを迎え、なんと50%前後に。
約2人に1人ががん保険に加入していることがこの加入率のデータ推移から読み取れます。
がん保険への加入率やがんの罹患率から、がんへの備えは30代前から始めるのがベストと考えられます。
以下の関連記事で、がん保険の選び方について解説していますので、気になる方は、こちらもご覧ください。
30代におすすめのがん保険は?選び方や必要性を保険のプロが徹底解説
加入率が低い20代・30代ががん保険に加入するメリットとデメリット
がんに罹患するのは30代後半からが多くなります。
また、がん保険の加入率を見ても30代から上昇していました。
そのため、がん保険への加入時期は30代前が一つの目安と考えられます。
罹患率・加入率は低くても、20代・30代でがん保険に加入しておくと安心です。
ここからは、罹患率・加入率がともに低い20代・30代の若いうちからがん保険に加入するメリットとデメリットを確認していきましょう。
若い年齢で加入することのメリット
罹患率・加入率が低い、20代・30代年齢でがん保険に加入するメリットからみていきましょう。
主なメリットには以下の4つがあります。
- 若いうちから加入するほど保険料が安い
- 告知内容に問題がない(少ない)うちに加入できる
- お金のかかる時期の経済的リスクに備えられる
- 免責期間を経過しておくことができる
この項目一つ一つについて詳しく解説していきます。
1.若いうちに加入するほど保険料が安い
がん保険をはじめ生命保険全般にいえることですが、罹患率・加入率の低い若い年齢で加入するほど、支払う保険料が安くなります。
がん保険を選ぶ時は、終身型のがん保険に加入がおすすめ。
保険料は一生涯変わりませんので、高齢になっても安い保険料のままで保障を付け続けることができます。
例として、アクサダイレクト生命の「がん終身」保険に加入する場合でシミュレーションしてみます。
【がん保険加入条件】
保障項目 | 保障内容 |
---|---|
がん診断給付金 | 100万円 |
がん入院給付金 | 1万円/日 |
抗がん剤治療給付金 | 10万円/月 |
がん手術給付金 | 10万円/回 |
がん先進医療給付金 | 通算500万円まで |
退院後療養給付金 | 10万円/回 |
上記の加入条件で、男性女性ともに20歳から60歳の10年刻みで加入した場合の保険料は以下の通りです。
加入年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20歳 | 1,710円 | 1,560円 |
30歳 | 2,360円 | 2,160円 |
40歳 | 3,440円 | 3,240円 |
50歳 | 5,280円 | 4,370円 |
60歳 | 8,290円 | 5,460円 |
男性を見てみると、50歳以降に加入する場合、格段に保険料が高額になることがわかりますね。
しかもがん保険は掛け捨てタイプが主流なので、中途解約しても解約返戻金はないか、あったとしてもごく少額なことがほとんど。
高額な保険料を掛け捨てにしてしまうのはもったいないのであれば、早期加入で保険料を安く抑えた方がお得です。
2.告知内容に問題がない(少ない)うちに加入できる
がん保険に加入する際には、これまでの病気やけがのことや現在の健康状態について正直に申告する必要があります。
保険会社ではその告知内容をもとにがん保険を引き受けるかどうかの審査を実施。
しかし、これまでにがんと診断されたことがあったり、健康状態が思わしくなかったりすると、がん保険に加入できない可能性が。
一般的に年齢が若い程健康状態が良好なことが多いので、早い年齢での加入したほうが審査で有利になります。
3.お金のかかる時期の経済的リスクに備えられる
30代後半になるとがん罹患率は徐々に上昇しはじめます。
30代後半というと、子どもがまだ小さくこれから教育費がどんどん必要になる年齢です。
また、住宅ローンありの持家を考え始める方も多くなる年齢でもあります。
治療のために休業せざるを得なくなると、治療期間は収入が入りません。
1回の入院でかかる治療費は平均で20万円程度。
がんでの入院の場合、治療費が高額になることも考えられるため、家計へのダメージは相当大きくなると思われます。
そういったお金のかかる時期にがんに罹患して治療が必要になると、経済的負担が大きくなります。
しかし、がん保険に加入していれば治療期間に必要な保障を受けられるので、リスク軽減ができます。
4.免責期間を経過しておくことができる
がん保険には「免責期間」といって、一般的に90日間(3か月間)の保障の対象外となる期間があります。
免責期間は加入者間の公平性を保つ上で大切なもので、何歳で加入したかにかかわらず、免責期間中にがんと診断されても給付金は受け取れず契約が無効となってしまうのです。
リスクの高まる年齢にこの免責期間がぶつかってしまうと不安ですよね。
そのため罹患率の低い年齢のうちに経過しておけば免責期間をクリアできるでしょう。
若い年齢で加入することのデメリット
一方で、若いうちにがん保険に加入するデメリットもあります。
デメリットである、以下2点をしっかりと確認しておきましょう。
1.保障内容が時代の変化についていけない
医療の進歩にともない、がん治療においても日々新しい技術が開発・研究されています。
若い時に加入したがん保険を40歳代50歳代でも加入し続けた場合、加入時の保障内容のままとなってしまい、新しい治療技術に対応できない可能性が。
また、以前のがん治療は入院によるものがメインでしたが、近年は通院による治療が増えているということもあります。
若いうちに加入したがん保険でも定期的に見直すことで、時代の変化に対応することができます。
2.がん罹患率が低いので保険料を損した気持ちになる
若いうちはがんに罹患する可能性が低いので、どんなに保険料が安くても損をしているという気持ちになりやすいです。
しかし、がんに罹患するリスクはゼロではないうえ、何歳に罹患するのかもわかりません。
保険とは、「万が一のときの備え」のためにあるもの、という加入した意味の確認することをおすすめします。
医療保険にがん特約を付与するという手段
ここまで、がんへの罹患率やがん保険の加入率から、がん保険に加入する必要性、がん保険に関する基礎的な知識の解説をしてきました。
しかし、序盤でお話ししたように、医療保険にがん特約を付与することも一つの手段です。
病気やケガをカバーしてくれる医療保険。
様々な特約を付与して保障を手厚くすることができます。
具体的には、先進医療特約、女性疾病特約、三大疾病特約、がん特約、介護特約などがあり、気になる保障をつけることが可能。
医療保険+がん特約の特徴は、比較的保障は手薄ですが、保険料がお手軽になる点です。
また、医療保険に先進医療特約が付与していれば、がんの先進医療も対象になります。
しかし、がん保険と違い、支払い限度日数の上限がありますし、一時金ががん保険よりも少ない傾向が。
幅広い病気やケガに備えつつ、保険料を押さえながらがんにも備えたい人には、医療保険にがん特約を付与することがおすすめです。
記事まとめ
がん保険に加入する必要性や、加入率から何歳ごろに加入するのが妥当なのかという点について解説してきました。
結論、がんの罹患率・がん保険の加入率から30歳前半までに加入することがおすすめ。また、がん保険は高齢になるほど保険料が高額なので、若いうちから加入して保険料を抑えましょう。
なお、がん保険の加入・見直しをする際は、保険代理店の無料相談がおすすめです。複数の保険会社から、一人ひとりに最適のがん保険を提案してもらえます。
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