賛否両論の意見を聞くがん保険の必要性。
自分にとってがん保険は必要なのか気になるかと思います。
そんなあなたのために、本記事では「がん保険には入るべきか?」をテーマに、お金のプロである私が、がん保険の必要性について解説。
がん保険に加入しようか迷っている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
がん保険は必要?不要?
先に述べておくと、私はがん保険は必要であると考えています。
ただし、万人に必要なものではなく、あくまで一部の人が入るべきものであるということもお伝えしておきましょう。(後で詳しく解説を入れます)
- ローンなどを組んでいる方
- 個人事業主/自営業、もしくはフリーランスの方
- がん家系の方
- 年齢が30代後半を迎えた
ただ、世の中には「がん保険は必要ない」とする意見を持つ方もいますので、がん保険が必要ないとする方の意見を取り上げてみましょう。
「加入は不要」という意見
「がん保険は必要ない」という方の意見をまとめると、下記のような形です。
- がんに罹らなければ保険料が無駄になる
- 高額療養費制度があるから、自己負担額はそんなに大きくならない
- がん保険で受け取れる金額が足りない
「がんに罹らなければ保険料が無駄になる」というのはその通りで、一生涯がんに罹らなければ支払った保険料はすべて無駄になりますよね。
ただ、ここで一人の人間が生涯でがんに確率を確認してみましょう。
がんになる確率
国立がん研究センターのがん情報サービスによると、生涯でがんに罹患(りかん)する確率は男性65.6%、女性は50.2%※1。
つまり、この統計によると、生涯のうち2人に1人ががんに罹患することになります。
がん保険は必要ないとは言ってられないと思いませんか?
男性女性ともに1/2の確率でがんに罹患するので、保険料が無駄にならない可能性だって十分に大きいのです。
ちなみに、がん保険はがん以外には基本的に対応していません。
特約などをつけても、がん以外での入院や手術・死亡時などに保障はつかないので注意しましょう。
詳しくは下記記事をご覧ください。
高額療養費制度で自己負担額はそんなに大きくならない?
がんに限らず、治療によって医療費が高額化した場合のために、日本では公的医療保険制度のなかで高額療養費制度が用意されています。
これは医療費が高額となった場合、患者自身で負担する金額(自己負担額)に上限を定める救済措置のようなものです。
この自己負担額は収入によっても異なりますが、一般的な収入であれば1か月で8万円前後か、それに準ずる金額になります。
たしかに、1ヶ月で8万円ほどであれば家計が破綻するようなことはありませんね。
しかし、だからといってがん保険が必要ないというのは早計です。
なぜなら、がんは治療費以外にも社会復帰までに多くの費用がかかるからです。
がん保険で受け取れる金額
がん保険は必要ないという意見の通り、本当にがん保険で受け取れる金額は足りないのでしょうか?
実際にがん保険で受け取れる金額は、保険の内容次第でもありますが、下記のようなものが最低限レベルに受け取れる金額です。
- 入院1日につき5千円(入院給付金)
- 手術する場合、5万円(入院1日あたりにもらえる金額の10倍などが目安)(手術給付金)
- がんと診断されたときに50万円(がん診断給付金)
ここで、がんに罹った人の平均入院日数を挙げておきましょう。
厚生労働省の平成29年(2017)患者調査の概況※2によると、がん(悪性新生物の項目)に罹った人は平均で17.1日入院しています。
つまり、がん保険に入っていれば約90万円ほどの保険金を受け取れる見込みです(計算は下記)。
年齢にもよりますが、保険料を見積もると月々2,000円程度で済むような保障内容です。
5千円/日×17日+5万円+50万円=90万円
生命保険の死亡保障金などと比較すると金額は少なく感じるかもしれません。
しかし、がん保険と生命保険では備えるものが違うということにご注意が必要。
がん保険は治療後の生活に備えたもの
生命保険は死亡時に遺された遺族の生活を守るために必要なもの。
対して、がん保険はがんに罹った後に万全な状態で社会に復帰するために必要なものです。
例えば、がん治療では抗がん剤の副作用などにより髪の毛が抜け落ち、ウィッグ(かつら)の購入を必要とすることがあります。
ただでさえ、入院や手術にお金がかかっているのに、社会復帰の前にはこういった治療以外のお金が必要となるのです。
そんなときに、最低限のがん保険で90万円ほどの保険金を受け取れていれば、社会復帰までの諸費用も簡単に賄えます。
このように、たしかに、生命保険の死亡保障金などと比較すると金額は少なく感じますが、がん保険で受け取れる金額は治療後の生活を支えるうえでは十分な金額となりうるのです。
がん保険に入る必要が高い人の特徴
年齢やご自身の状況によってはがん罹患リスクが低く、がん保険に加入する必要性が低いと思われる方もいらっしゃいます。
しかし、特に下記のような人はがん保険に入ることが必要性が高いといえます。
- ローンなどを組んでいる方
- 個人事業主や自営業、フリーランスの方
- ガン家系の方
- 年齢が30代後半を迎えた
それぞれ必要な理由があるので、詳しく解説していきましょう。
ローンなどを組んでいる方
ローンなどを組んでいるような人は、がん保険に入る必要性が比較的高いです。
例えば、マイカーローンや住宅ローンの支払いがある状態で、がんに罹って仕事ができず収入が減少した場合を考えてみましょう。
退院後もすぐに働けるとは限らないので、場合によっては月々の支払いが滞ってしまいます。
仮にローン返済に遅れてしまったとすると、下記のような不幸があなたを襲うでしょう。
- 遅延損害金の支払い(延滞利息を余分に支払う)
- 信用情報に傷が入る(ローンやカードの審査が難しくなる)
そのため、万が一がん治療が必要になったとき、貯蓄を削らないためにもがん保険で備えておくことが重要なのです。
個人事業主や自営業、もしくはフリーランスの方
個人事業主や自営業、もしくはフリーランスの方もがん保険の必要性が高いです。
なぜなら、個人事業主の場合、入院=すべての業務の停止となり、収入が途絶えてしまうからです。
企業勤めのサラリーマンであれば傷病手当金(給料の2/3)の支給がありますが、個人の場合、そのような制度は存在しません。
自分の身は自分で守るしかないので、自分でがんのリスクに備えてく必要があるのです。
がん家系
がんになっている血縁者が多いことをがん家系と言います。
がんを発症する要因には、環境の他に遺伝要素もあり、血縁者の中に同じがんにかかる人が多いといった場合は、がん家系と推定されます(もちろん詳細な検査が必要)。
すべてのガンが遺伝性であるわけではないものの、がん家系の方は、特定のがんが発症しやすいこともあり、がんへの罹患リスクも高いでしょう。
したがって、親戚の中で下記に当てはまるような人がいる場合は、できるだけ早くがん保険に加入しておくことが必要です。
- 若いうちにがんに罹った
- がんを繰り返している
- 大腸がんや胃がんなど、特定のガンが家系の中で多発している
年齢が30代後半を迎えた
がんは女性だと40代、男性だと50代以降に罹患率が急激に高まります。
また、がん保険に限らず保険は年齢が若いうちに加入した方が、保険料を安く抑えることが可能。
20代のうちにがん保険に加入するのが、最も安く充実した保障内容にすることができますが、難しい方は30代後半を目安にがん保険への加入を検討してください。
最近では女性特有のがんを発症した場合、さらに手厚い保障が受けられる女性向けの特約も増え、考え方やニーズに合う保障をリーズナブルに持つことができます。
ライフステージによって必要な保障は異なる
ここまでお伝えしたなかで、がん保険の必要性を感じたら、次は損をしないがん保険の保障内容の選び方を知ることが必要です。
保障内容の選び方
保障内容を選ぶ際のポイントは、今の自分のライフステージに合っている内容になっているかどうかです。
男性・女性、家族がいるか独身かに加え、今後控えている結婚、妊娠・出産、退職後の老後生活などライフイベントについても考えながら検討する必要があります。
そのため、ライフステージが変わるごとに最低限検討が必要な保障内容の項目について、解説します。
給付金
がん保険は一般的に、診断給付金(診断一時金)を主契約とした保障内容に組み立てます。
診断給付金(診断一時金)は、がんと診断されたときに50万円、100万円などまとまった大きな金額が給付されます。
例えば、奥様が専業主婦で子どもがいる家庭の父親ががんで倒れた場合を想定してみます。
会社からの傷病手当や公的医療保険制度だけでは、高額になりがちながん治療費に加え、教育費や生活費をまかなうことは難しいでしょう。
そこで比較的高めの給付金設定にしても良いかもしれません。
他にも医療保険のように入院給付金、手術給付金、治療給付金なども存在します。
特約
特約は、主契約にオプションとして付帯できる保障のことです。
特に先進医療特約は、特約の中でも付帯する必要性が高め。
先進医療は、公的医療保険制度の対象外です。
先進医療を利用した治療を行った場合、全額自己負担で、その金額はピンキリですが、数万から数百万円にもなります。
他にも、近年では医療技術の進歩により、通院でのがん治療が増えているため、通院特約などを付帯する必要性が高まっていたりもします。
がん治療でよく使われる、抗がん剤治療の際に給付される抗がん剤特約(抗がん剤治療特約)、罹患率が高い病気上位3つに罹患したときに給付される三大疾病特約等も存在します。
当サイトではがん保険の選び方についてプロ目線で詳しく解説した記事を用意してあります。
がん保険の正しい選び方をプロが解説!自分に合った保険選びの最高の手順
年代別にも選び方を解説してあるので、自分にあったがん保険の選び方を知りたい方は、必要に応じてぜひ上記の記事をご覧ください。
注意:健康診断で「再検査」の項目がある場合
がん保険の必要性を感じたとしても、もしあなたが健康診断で「再検査」などの項目がある場合はご注意ください。
また、高齢者の方ですでに何らかのがんに罹患した経歴がある方も同様に注意が必要。
がん保険に加入する際には、健康状態の告知というものが必要になりますが、再検査の状態だと審査が厳しくなる恐れがあります。
詳しくは、下記のがん保険と健康診断の再検査の関係について解説した記事があります。
該当する方はぜひ一度ご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?本記事ではがん保険の必要性について、プロ目線で解説をしてきました。
結論を言えば、下記に当てはまる人はがん保険の必要性が高いです。
- ローンなどを組んでいる方
- 個人事業主/自営業、もしくはフリーランスの方
- ガン家系の方
がん保険は不要という意見やすべての人にがん保険が必要というわけではありませんが、がん保険はいざとなったときに非常に頼りになる存在です。
本記事で紹介したがんに罹る確率やがん保険で受け取れる金額などを参考に、ご自身にがん保険は必要かどうか、ぜひ判断してみてください。
※1 国立がん研究センター|がんに罹患する確率2017年データ
※2 厚生労働省|平成29年(2017)患者調査の概況
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