がん保険を選ぶ際にはさまざまな選び方がありますが、その中に「貯蓄型か掛け捨て型か」という選び方があります。
このうち、「貯蓄型がん保険」とは保障と貯蓄を兼ね備えたがん保険で、「掛け捨て型のがん保険」とは保障に重点を置いたがん保険です。
「どちらにすればいいのか迷ってしまう」という方も多いと思いますので、今回は「貯蓄型」と「掛け捨て型」のがん保険の特徴を確認したうえで、それぞれのメリット・デメリットを中心に詳しく解説していきます。
また、記事の後半でおすすめのがん保険を厳選して3つご紹介しますので、併せて確認してみましょう。
がん保険には「貯蓄型」と「掛け捨て型」の2タイプがある
がん保険には、貯蓄型のがん保険と掛け捨て型のがん保険とがあります。
「がん保険に貯蓄性は必要か不要か?」という疑問を持つ方もいると思いますが、貯蓄型と掛け捨て型のがん保険にはどのような違いがあるのでしょうか?
貯蓄型のがん保険は、中途解約した場合に解約返戻金が受け取れるタイプのもので、保障と同時に貯蓄も兼ね備えているという特徴があります。
保険会社は、毎月支払われた保険料の一部を積み立てておいて、解約時に返戻金として支払います。
一方、掛け捨て型のがん保険は、中途解約した場合に解約返戻金がない、またはあっても少額のみというタイプのもので、保障が中心となっているという特徴があります。
返戻金のために資金を準備しておく必要がないため、貯蓄型のがん保険よりも保険料は割安です。
では、貯蓄型がん保険と掛け捨て型がん保険には、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか確認していきましょう。
貯蓄型がん保険のメリット・デメリット
貯蓄型がん保険のメリットとデメリットを以下にまとめました。
メリット | ・中途解約をすると 解約返戻金が受け取れる ・保障と貯蓄を兼ね備えられる ・契約者貸付や自動振替貸付を 利用できることがある |
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デメリット | ・掛け捨て型よりも保険料が割高 ・保険の見直しが難しい |
では、メリット・デメリットについてそれぞれ詳しく確認していきましょう。
貯蓄型がん保険のメリット
では、貯蓄型がん保険の主なメリットを3つご紹介します。
中途解約をすると解約返戻金が受け取れる
一度契約したがん保険を、事情があり中途解約せざるを得ないこともあるでしょう。貯蓄型がん保険なら、中途解約した時点で経過年数に応じた解約返戻金を受け取ることができます。
ただし、払い込んだ保険料すべてが戻ってくるというわけではなく、保険料の一部を積み立てておいた分のみとなります。
保障と貯蓄を兼ね備えられる
ひとつめのメリットと重なる部分でもありますが、解約返戻金を受け取ることができるので、保険期間内において保障と貯蓄を兼ね備えられるというメリットがあります。
貯蓄にはさまざまな方法がありますが、その中に保険を利用して貯蓄するという方法もあります。
毎月がん保険の保険料を支払うことで、同時に積み立ても行っていると考えるとわかりやすいですね。
ただし、契約後数年で解約してしまうと、解約返戻金はほとんど戻ってきませんので、早期解約にはご注意ください。
契約者貸付や自動振替貸付を利用できることがある
がん保険だけでなく貯蓄性のある保険の多くにあるメリットですが、「契約者貸付」や「自動振替貸付」を利用できることがあります。
契約者貸付とは、解約返戻金の金額内において保険会社からお金を借りることができる制度のことをいい、自動振替貸付とは、保険料の支払いができなかったときに解約返戻金の中から保険料を自動的に立て替えてもらえる制度のことをいいます。
どちらを利用しても、保険契約は継続していますので安心です。
ただし、どちらの制度も保険会社からお金を借りている状態であるため、利息が発生するうえ、返済できないときは解約返戻金から借入額を相殺されることになります。
貯蓄型がん保険のデメリット
一方、貯蓄型がん保険には以下のようなふたつのデメリットがあります。
掛け捨て型よりも保険料が割高
貯蓄型のがん保険は、がん保障に関する保険料と貯蓄部分の保険料とを支払うため、がん保障のみの保険料を払うだけの掛け捨て型と比較して保険料が割高になります。
「貯蓄をしている」と考えれば問題ないですが、高額な保険料を毎月支払うとなると家計への影響も考慮する必要があるでしょう。
保険の見直しが難しい
がん保険のみならず、保険に加入した後は定期的に保障内容を見直すことが大切ですが、貯蓄型のがん保険に加入すると、中途解約のタイミングに注意しなければなりません。
先にも少し触れましたが、契約後数年以内に中途解約してしまうと、解約返戻金がほとんど受け取れないということもあるからです。
そのため、貯蓄型がん保険に加入して数年後に保障の見直しをした結果、「このがん保険の方がいい!」という商品が見つかったとしても、中途解約すると損してしまう可能性があるのです。
掛け捨て型がん保険のメリット・デメリット
では、掛け捨て型がん保険にはどのようなメリット・デメリットがあるのかを確認していきましょう。
メリット | ・貯蓄型よりも保険料が割安 ・少ない掛け金で 大きな保障が得られる ・保険の見直しがしやすい |
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デメリット | ・中途解約した場合に 解約返戻金が受け取れない |
簡単にまとめると、掛け捨て型がん保険は貯蓄性をなくして保障にのみ特化したがん保険です。詳しくは、「掛け捨てのがん保険とは?メリット・デメリットとおすすめ商品の比較」にて解説してあるので、そちらをご覧ください。
貯蓄型と掛け捨て型、おすすめはどっち?
さて、ここまで、貯蓄型がん保険と掛け捨て型がん保険のメリット・デメリットについてご紹介してきましたが、どちらに加入すればいいのか迷ってしまう方もいるでしょう。
そこで、貯蓄型がん保険がおすすめな方と掛け捨て型がん保険がおすすめな方はどのようなタイプなのかそれぞれ考えてみましょう。
貯蓄型がん保険がおすすめな方
貯蓄型がん保険におすすめな方は、まず、がん保険に加入することで保障と貯蓄の両方を兼ね備えたい方です。
家計に余裕があっても貯蓄が苦手な方は保険で貯蓄するという方法をとることができます。
また、「保険料の掛け捨てはやっぱりもったいない」と感じる方なども貯蓄型のがん保険が向いているといえます。
掛け捨て型がん保険がおすすめな方
一方、掛け捨て型がん保険がおすすめなのは、年齢が若い方や子どもがまだ小さい家庭でこれから教育費や住宅ローンなどの支払いが大変な方などです。
また、貯蓄はほかの方法で行い、保障は保障で別に備えておきたいという方も掛け捨て型の方が向いています。
「終身型」か「定期型」かという選択もある
がん保険を選ぶ際には、「貯蓄型か掛け捨て型か」という選び方のほかにも、「終身型か定期型か」で選ぶ方法もあります。
終身型のがん保険は一生涯のがん保障が得られる商品で、定期型は一定期間に限ってがん保障が得られる商品です。
保険料を比較すると、一般的に終身型のがん保険の方が高額なため、保険料が安い定期型のがん保険に加入する方もいます。
しかし、定期型のがん保険は更新するたびに更新時の年齢で保険料が再計算されるため、徐々に保険料が高額になっていきます。
また、がん保険は一度がんに罹患してしまうと新規加入することが難しいため、最初から終身型のがん保険に加入した方が安心です。
このように、貯蓄型か掛け捨て型かのほかにも、がん保険を選ぶポイントがありますので、ライフスタイルに合わせてトータルで考えることが大切です。
おすすめの終身型がん保険3選
ここからは、おすすめの終身型がん保険を厳選して3つご紹介します。いずれもネット上のランキングでも人気のあるがん保険ですので、ぜひ内容をチェックしてみてください。
アクサダイレクト生命 「がん保険[終身型]」
アクサダイレクト生命のがん保険[終身型]は、保障内容を必要最小限に減らすことで、リーズナブルな保険料を提供しています。
保険料は安くてもがん保障はしっかりした内容となっており、がんと診断されたときに「がん診断給付金」が、がん治療を目的として入院したときには「がん入院給付金」が受け取れます。
がんの治療開始時にダブルの保障が得られるので、医療費の心配をすることなく治療に専念することができます。
また、必要に応じて「抗がん剤治療特約」「がん治療パック」などの特約を付けることができます。
特に女性の方は「女性がん入院特約」を付けると、女性特有のがんの治療のために入院したときに、がん入院給付金と同額の給付金を受け取ることができます。
ほかにも、「がん無事故給付特約」を付けると、給付金等を受け取らなかった場合、3年ごとにがん無事故給付金を受け取ることができるので、保険料がムダになることもありません。
チューリッヒ生命「終身ガン治療保険プレミアムDX」
チューリッヒ生命「終身ガン治療保険プレミアムDX」は、がん治療費の保障に重点をおいたガン保険で、所定の放射線・抗がん剤治療等を受けたときに、毎月一定額の給付金を受け取ることができます。
給付金はガン治療費だけでなく、ガン治療のために休職した場合の収入補填など、使い道が自由なので臨機応変に活用することができます。
自由診療による抗がん剤治療を受けた場合も、基本給付月額の2倍の金額が受け取れるため、「治療費が高いから受けられない」といった理由で治療をあきらめずに済みます。
また、必要に応じて「ガン手術特約」「ガン通院給付金」「ガン診断給付金」といった特約も付けることができるので、ニーズに合わせてカスタマイズできます。
楽天生命スーパーがん保険
楽天生命スーパーがん保険は、必要最低限の保障を備えた保険料の安い「基本プラン」と、充実した保障内容を備えた「おすすめプラン」のふたつから選ぶことができます。
基本プラン(Ⅱ型)なら、20歳の男性で1,100円、女性で1,200円という安い保険料で加入できます。
ちなみに、40歳でも男性で1,810円、女性で1,980円と、2,000円弱で加入することができます。保険料を安く抑えたい方にはうれしいですね。
一方、おすすめプランは抗がん剤治療や放射線治療、ホルモン剤治療を受けた場合に給付金が受け取れたり、先進医療の治療を受けたときに通算2,000万円まで保障してもらえたりします。
また、楽天ユーザーにとってメリットとなるのが、毎月保険料の1%分の楽天ポイントが貯められる点です。
さらに、保険料の引き落とし口座を楽天銀行の口座にすることでプラス1%のポイントをもらうことができます。
楽天ユーザーには見逃せない商品といえます。
まとめ
貯蓄型のがん保険には、「解約返戻金が受け取れる」「保障と貯蓄を兼ね備えられる」「契約者貸付や自動振替貸付を利用できる」といったメリットがあります。
その一方で、「保険料が割高」「保険の見直しが難しい」といったデメリットもあります。
がん保険は掛け捨て型が一般的ですが、掛け捨てはもったいない方、保障と同時に貯蓄も兼ね備えたい方には貯蓄型のがん保険がおすすめです。