がん保険は、がんと診断されたときに充実した保障を受けることができる保険。
しかし、がん保険に加入するのはもったいないという意見があります。
そこでこの記事では、「本当にがん保険に加入するのはもったいないのか」ということについて解説していきます。
もったいないと言われる理由
まずは、がん保険がもったいないと言われている理由について解説していきます。
がん保険はもったいないという方の意見は、主に以下の2つです。
- 公的医療保険制度が充実している
- 民間の医療保険で十分
この2つの意見について、詳しく見ていきましょう。
公的医療保険制度が充実している
がん保険の加入がもったいないといわれる理由の1つに、公的医療保険制度が充実しているからという意見があるのです。
日本では国民皆保険制度という、全ての人が公的医療保険に加入し、全員が保険料を支払うことでお互いの負担軽減を目指す制度が採用されています。
私たちが特に恩恵を感じることが多い制度は、以下の3つかと思います。
- 療養給付
- 高額療養費制度
- 傷病手当
まずはこの3つの内容について、解説します。
医療費の自己負担3割(療養給付)
私たちが医療機関の窓口で医療費の支払いをするとき、自己負担は3割です。
正確には、以下のように年齢によって負担割合が異なります。
年齢 | 負担割合 |
---|---|
義務教育就学前児童 | 2割 |
6歳~70歳 | 3割 |
70歳~75歳 | 2割 |
75歳~ | 1割 |
また、70歳~75歳の方で現役並みの収入がある場合の負担割合は3割。
75歳以上の方で、一定以上の収入がある場合は2割、現役並みの収入がある場合は3割の自己負担割合となっています。
高額療養費制度
高額療養費制度とは、1か月の医療費の合計額が一定以上になった場合、自己負担限度額を超えた分が健康保険から払い戻される制度のこと。
ここで、療養給付と高額療養費制度が適用された場合の具体例を紹介します。
1か月の医療費の合計が100万円になったとき、まず療養給付によって自己負担は3割になるため、30万円の支払いにまで抑えることができます。
仮に標準報酬月額28~50万円の方であれば、高額療養費制度を利用することで自己負担は8万7,430円になるのです。
さらにこの状況が4か月続けば、4か月目からは多数該当となり、さらに自己負担額が減るのです。
高額療養費制度に関して、詳細は以下のリンクで確認することができます。
傷病手当
傷病手当とは、病気休業中に会社員の生活を保障するために設けられた健康保険のお金のこと。
病気などの治療期間に働くことができない場合、給与の3分の2の金額の傷病手当金を最長1年6か月間受け取ることができます。
ただし、傷病手当を受け取ることができるのは健康保険に加入している会社員のみ。
国民健康保険に加入している自営業者は、傷病手当を受け取ることができません。
民間の医療保険で十分
がん保険の加入がもったいないといわれる理由として、医療保険で十分がんに備えられるからという意見があります。
がん保険は、がんへの保障に特化している反面、がんのための治療にしか使うことができません。
しかし医療保険では、がんを含めた幅広い病気やケガに対応することができます。
がん特約や先進医療特約を付帯することで、がんに備えることも可能。
そのため、医療保険の保障内容を充実させれば、がん保険は不要という意見があるのです。
がん保険の特徴
がん保険は前述した通り、がんに罹患したときの保障に特化した保険です。
その保障内容について、簡単に説明していきます。
保障内容
メインとなる保障(主契約)には以下のようなものがあります。
- がん診断給付金(一時金)
- がん入院給付金
- がん手術給付金
がん診断給付金(一時金)
がん診断給付金(一時金)とは、がんと診断されたときに受け取ることができる給付金です。
100万円、200万円などの大きな金額の給付金を受け取ることができます。
受け取ることができる回数は、一回、所定の回数、無制限など扱う生命保険会社や商品によって異なるので注意が必要。
がん入院給付金
がん入院給付金とは、がんの治療のための入院が必要になった場合に受け取ることができる給付金のこと。
1日当たり5,000円、1万円などと設定することができます。
医療保険の場合、受け取ることができる日数に上限が設けられている場合が多いですが、がん保険は上限日数がなく、無制限であることが一般的です。
がん手術給付金
がん手術給付金は、がん治療のための手術が必要になった場合に受け取ることができる給付金のこと。
入院日額の10倍・20倍などの金額、もしくは契約時に10万円や20万円などと金額を決める場合があります。
また、受け取ることができる回数は無制限であることが多いです。
特約:先進医療特約
がん保険も特約を付帯して、充実した保障内容にすることができます。
ポイントとなるのは、先進医療特約です。
先進医療を使った治療は、公的医療保険の適用外になるため全額自己負担。
がん治療には先進医療の技術が使われる機会もあり、治療費が高額になる可能性が十分にあります。
先進医療特約を付帯しておくことで、経済的な負担を軽くすることができます。
免責期間に注意!
がん保険や医療保険のがん特約には、免責期間というものがあります。
免責期間とは、契約をしていても保障がされない期間のことで、90日と設定している生命保険会社が多いです。
免責期間中にがんに罹患しても、保障を受け取ることはできません。
そのため、がん保険の新規加入などを考えている方は、入るタイミングに注意が必要です。
ちなみに医療保険で付帯することができる、がん特約にも免責期間が存在します。
必要性
まず、「がんに備える」必要性について解説していきます。
生涯でがんに罹患する確率は、男性が65.5%、女性が50.2%です。
年齢によって罹患率に差はありますが、女性は40代から緩やかに罹患率が上がっていき、男性は50代以降から一気に罹患率が上昇します。
そのため、がんの罹患率は比較的高いため、がんに備える必要性は高めです。
それでは、がん保険に加入してがんに備える必要性はあるのでしょうか。
結論を言いますと、必要性が高い方とそうでない方がいます。
詳しくは後ほど解説しますが、一言でいうとがんへの保障を手厚くしたいと考えている方は、がん保険に加入する必要性が比較的高いです。
治療が長期化、治療費が高額になりやすいがんに備えるためには、がん保険が最適といえます。
メリット・デメリット
ここからは、がん保険のメリット・デメリットについて解説します。
がん保険の必要性について、こちらを参考に検討してみてください。
メリット①公的医療保険制度の不足分をカバーできる
公的医療保険制度は確かに充実しています。
しかし、差額ベッド代や交通費などは公的医療保険の適用対象外。
ちなみに差額ベッド代の平均費用は以下の通りです。
1部屋あたりの人数 | 差額ベッド代 |
---|---|
1人 | 7,097円 |
2人 | 3,099円 |
3人 | 2,853円 |
4人 | 2,514円 |
また、入院日数の平均は以下のようになっています。
総数 | 0~14歳 | 15~34歳 | 35~64歳 | 65歳以上 | 70歳以上 | 75歳以上 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
入院日数 | 32.3 | 8.9 | 12.2 | 24.4 | 40.3 | 41.7 | 45.0 |
1人部屋で35~64歳の方が入院した場合、
7,097円×24.4日=173,166円 の入院費用が発生し、すべて自己負担です。
がん保険に加入していれば、このような出費もカバーすることができます。
メリット②がんに罹患したときに手厚い保障を受け取れる
がん保険と医療保険を比較すると、一見保障内容に差がないように感じます。
しかし、がん保険の方ががんへの保障が圧倒的に手厚いです。
がん保険の保障内容は、治療費が高額になりやすく、治療期間が長期化しやすいがん治療の特徴を考慮した内容になっています。
そのため、がんに特に備えたい場合は、がん保険がおすすめです。
デメリット①がん以外の病気は保障されない
がん保険で保障されるのはがんのみです。
がん以外の病気やけがの治療には、がん保険の保障を使うことができません。
そのため、幅広く病気やけがに備えたいという方は、がん保険よりも医療保険でがん保障を充実させた保障内容を組む方が
デメリット②保険料負担が増える
がん保険に加入すれば、保険料を支払わなくてはならず、保障を手厚くすると高額になっていきます。
がん保険の加入をするときも、過少過多の保障内容にならないように注意することが必要です。
がん保険加入の必要性が高い人とは?
がん保険の加入の必要性が高い人の特徴は以下のようになっています。
- 自営業や個人事業主の方
- 貯蓄が十分でない方
- がん罹患率が上昇する40代、50代の方
- 喫煙習慣のある方
上記にあてはまる方は、実際にがん保険に加入してももったいないと感じる可能性は比較的低いでしょう。
自営業や個人事業主の方
自営業や個人事業主の方は、公的医療保険の保障が会社員と比較して保障が手薄な傾向があります。
前述した傷病手当がなかったり、出産手当金がありません。
病気やけがの治療で休業する必要が出てきたときの収入減を、民間の保険でカバーしなくてはいけないのです。
そのため、会社員の方よりも加入する必要性が高めといえます。
貯蓄が十分でない方
貯蓄が十分でない方も加入がおすすめです。
がん保険だけでなく、保険に加入する目的は、万が一のリスクが訪れたときに経済的な負担を軽減するためです。
さらにがんは治療費が高額になりやすく、治療が長期化する傾向があります。
就職したばかりの20代、結婚・出産により出費がかさむ30代は、十分な貯蓄ができていない方が多いのではないでしょうか。
長期的な経済負担を貯金でまかなうことができるのであれば、がん保険は不要です。
しかし、貯蓄に不安がある方は、がん保険に加入して経済的な負担を軽減できるように備えておく方が良いでしょう。
がん罹患率が上昇する40代、50代の方
がんに罹患しやすくなるのは40代、50代以降です。
そのため、がん保険の保障を受け取る機会も比較的高いため、もったいないと感じるタイミングも少ないでしょう。
喫煙習慣のある方
喫煙習慣、また、喫煙習慣がある方が周囲にいるという人はがん保険に加入することをおすすめします。
最近の研究では、喫煙とがんの罹患率に関係性があることが明らかになっているのです。
喫煙が習慣化されている、もしくは周囲に喫煙者がいる方はがんに罹患する確率が高い傾向があります。
そのため、がん保険に加入して備えておくことがおすすめです。
もったいないプランにしないために無料相談を活用しよう!
がん保険に加入すればよいのか確信を持つことができなかったり、どんな保障内容が自分に必要かわからない方もいらっしゃることと思います。
入っておけばよかった、保障内容をもっと考えておけばよかったと後悔しないためにも、疑問や不安がある場合は保険のプロに相談しましょう。
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まとめ
がん保険は不要、もったいないという意見にはどんなものがあるのか、がん保険に加入する必要性が高い方の特徴について解説してきました。
がんは、日本人の2人に1人が罹患するといわれている病気です。
そのため、がん保険や医療保険などで備えておく必要があるといえるでしょう。
日本は公的医療保険制度が充実していますし、民間の医療保険で備えることもできます。
しかし、がん保険はがんに対する保障が圧倒的に充実しているため、一概に不要とは言えません。
自分に最適ながん保険商品・保障内容を選ぶためにも、無料相談を活用することも検討してみてください。