「タトゥーが入っていると生命保険に入れない」そんな話を聞いたことがありませんか?あまり保険に詳しくない人が聞けば「温泉じゃないんだから...」と思うかもしれませんが、実際にタトゥーが原因で生命保険に加入できなかったという人はいます。
しかし、なぜタトゥーがあるとだめだったのでしょうか?理由も合わせて知っておきたいですよね。そこで、本記事では生命保険とタトゥーについて下記の3項目について詳しく解説していきます。
- タトゥーがあると生命保険に加入できない理由
- タトゥーがあっても加入できるケース
- タトゥーありで加入する場合の注意点
生命保険に対してのタトゥーの影響や対策を知りたい方は、ぜひ続く内容をご覧ください。
タトゥー(入れ墨・刺青)があると生命保険に入れない可能性が高い
体にタトゥー(入れ墨・刺青)が入っている状態だと、生命保険に加入できない可能性が高いです。詳しい理由については後述しますが、健康的理由と社会的理由の2つによって生命保険の契約が難しいとされています。
ただし、タトゥー(入れ墨・刺青)をしていることが原因で、必ず生命保険の加入を断られるわけでありません。タトゥーの内容(大きさなど)次第で、問題なく生命保険に加入できるケースもあります。また特別な条件が付いた生命保険であれば、事前に告知をすることで審査に通ることもあります。
タトゥー(入れ墨・刺青)のせいで生命保険に加入できない2つの理由
タトゥー(入れ墨・刺青)が原因で、生命保険に加入できない理由としては健康的理由と社会的理由の2つがあります。
健康的理由としては、タトゥー(入れ墨・刺青)を体に入れている方は内臓系疾患や感染症に罹患するリスクが高いことが挙げられます。
生命保険会社に反社会的勢力と判断される可能性があることが社会的理由です。
それぞれの理由について、以下で詳しく解説します。
内臓系疾患や感染症のリスク
タトゥー(入れ墨・刺青)を入れている方は、入れていない方に比べてB型肝炎やC型肝炎などの内臓系疾患に罹患しやすいとされています。
B型肝炎やC型肝炎は、ウイルスに入ることが原因で発症する病気です。タトゥー(入れ墨・刺青)のインクが体に異物として入って、肝臓に負担をかけることなどが要因となって、肝硬変や肝臓がんにつながるリスクもあるため注意が必要です。
また、タトゥー(入れ墨・刺青)を入れるときに使用する針が使いまわされると、HIVなどの感染症を発生する恐れも否定できません。施術者が針などを清潔に取り扱っているつもりでも、うまく除菌などができていない可能性もあるでしょう。
こうした理由からタトゥー(入れ墨・刺青)を入れている方は、生命保険会社に内臓系疾患や感染症を発症する可能性が高いと判断されて保険加入が難しいケースがあります。
反社会的勢力とみなされる可能性
事実とは異なる場合でもタトゥー(入れ墨・刺青)を入れている方は、それだけで反社会的勢力とみなされることもあるでしょう。
そして、生命保険会社はコンプライアンスを守るため、暴力団や暴力団関係企業などの反社会的勢力のかかわりを禁じています。
例えば、メットライフ生命の公式ホームページでは反社会的勢力について次のような記載があります。
当社は、健全な生命保険事業を営む保険会社として、反社会的勢力によってお客様、全役職員、会社等が被害を受けることを防止し、反社会的勢力との関係を遮断するために、以下の基本原則を定めます。
(略)当社は、取引関係を含めて、反社会的勢力とは一切の関係を遮断し、不当要求については断固として拒絶します。
引用元:メットライフ生命
第一生命でも、次のような取り決めを掲げています。
健全な経済・社会の発展と企業活動を妨げる反社会的勢力からの不当要求に対しては、組織全体で対応することとしています。また、保険契約をはじめとしたすべての取引等についても組織として一切の関係遮断・被害防止に努めています。
引用元:第一生命
以上より、各保険会社は反社会的勢力との関係が拒絶していることが分かります。これと合わせて、反社会的勢力と関わりがないと証明するのは難しいことでもあるので、タトゥーが入っていると生命保険への加入が難しいのです。
また反社会的勢力が生命保険に加入できない理由として、暴力団の関係者はそうでない方よりも、命が危険にさらされることが多い点も考えられるでしょう。
タトゥー(入れ墨・刺青)を入れている方のすべてが反社会的勢力であるわけではありませんが、生命保険に加入する際は注意が必要です。
ワンポイント:生命保険は公正性の原則に基づいている
タトゥー(入れ墨・刺青)が体に入っている方は、入っていない方に比べて感染症などのリスクが高くなることは前述の通りです。しかし、なかには「なぜ病気になる可能性が高い人は、生命保険の加入が難しくなるのか」と気になる人もいるでしょう。
これは、生命保険が公平性の原則に基づいた商品であることに理由があります。
生命保険は加入者が支払った保険料によって、保険金が賄われている商品です。そのため、病気などになりやすい人が生命保険に加入すると、加入者同士のバランスが保てなくなります。生命保険のh献金を受け取る可能性が高い人と低い人の差が生まれて、制度として不公平になってしまうのです。
このような問題が発生しないように、生命保険会社が実施しているのが健康状態などの告知です。加入者全体の公平性などを考慮しながら生命保険の申込者の状況を審査するため、タトゥー(入れ墨・刺青)が体にある人は保険契約が難しいケースがあります。
加入できる場合も?!
一方、体にタトゥー(入れ墨・刺青)が入っていても、生命保険に加入できるケースもあります。
例えば、生命保険に加入するためには事前に健康状態などを告知する必要がありますが、このタイミングで体にタトゥー(入れ墨・刺青)があることを保険会社に伝えた場合です。
タトゥー(入れ墨・刺青)があることを隠さずに審査前に話すことで、保険会社は加入希望者が抱えるリスクにあった支払い条件の保険を突き合わせられます。
その他、生命保険に加入する前に血液検査などの段階を踏めば可能なケースもあるようです。
部位不担保付きの生命保険ならタトゥー(入れ墨・刺青)があっても問題なく契約できることもあるため、県民共済なども含めて検討する保険商品の幅を広げてみると良いでしょう。
部位不担保付きの生命保険とは
部位不担保付きの生命保険とは、特定の部位に対する保障がない生命保険のことです。特別条件付きの生命保険と呼ばれることもあります。
例えば、内臓疾患が原因で死亡した場合は保険金の対象外とする、といった条件が付けられます。
注意!タトゥーを隠して加入するのはやめておこう
生命保険にどうしても加入したい方のなかには、「タトゥー(入れ墨・刺青)を入れていること隠せばいいのではないか」と考える方がいるかもしれません。
しかし、これは告知義務違反に該当する行為であるため、生命保険会社にばれると契約を取り消される恐れがあります。もしそのタイミングで保険金の支払い事由が発生しても、生命保険はおりない可能性が高いです。大きなトラブルに発展する場合もあるため、タトゥー(入れ墨・刺青)があることを隠して生命保険に加入するのは絶対にやめてください。
また、生命保険会社は加入希望者に対して調査を行うため、タトゥー(入れ墨・刺青)を体に入れていることを隠していてもバレる可能性が高いとされています。「タトゥー(入れ墨・刺青)が入っている箇所を隠せばバレないだろう」と安易に考えるのはやめておくのが無難です。
したがって、体にタトゥー(入れ墨・刺青)があっても、生命保険会社には正直に話すようにしましょう。
なお生命保険会社から渡される申告書のなかには、タトゥー(入れ墨・刺青)について告知する欄が用意されていないものもあります。この場合は担当者に直接報告するか、自由記載欄などで体にタトゥー(入れ墨・刺青)があることを申告するようにしてください。
生命保険の加入後にタトゥー(入れ墨・刺青)を入れた場合は?
生命保険の加入中にタトゥー(入れ墨・刺青)を体に入れた場合は、速やかに生命保険会社に申し出ましょう。生命保険会社のなかには契約後に入れたタトゥー(入れ墨・刺青)を問題視しないところもあり、保険契約を継続できる場合もあります。
もちろん黙っておけば、タトゥー(入れ墨・刺青)が入っていることがバレない可能性もあるでしょう。しかし、将来的に保障を手厚くしたり、新しい保険を契約したりする場合に無申告が原因で対応してもらえない恐れがあるため注意が必要です。後からタトゥー(入れ墨・刺青)を入れたことがバレたときのリスクを考えるようにしてください。
まとめ
タトゥー(入れ墨・刺青)を体に入れている場合、入れていない方と比べると生命保険への加入が難しくなります。これは、健康的理由と社会的理由によるものです。
ただしタトゥー(入れ墨・刺青)があるからといって、絶対に生命保険に加入できないというわけではありません。生命保険には加入条件が緩和されたものや部位担保付のものなどがあるため、幅広く検討することが大切です。
もし読者がタトゥーがあって保険加入をためらっている・迷っているのであれば、まずは気になる生命保険会社に問い合わせてみましょう。生命保険会社に直接相談すれば、一番確実に保険に加入できるかどうかを確認できます。
また、これから生命保険会社を探すという方は、ぜひ以下の記事をチェックしてみてください。生命保険の正しい選び方などを紹介しています。