生涯がんを発症する確率は、男性65.0%、女性50.2%です。
そのため、がん保険に加入したり、医療保険にがん特約を付帯して、ガンに備えるという方が増えています。
がん保険分の保険料負担をできるだけ抑えるために、入るタイミングのベストを考えていらっしゃる方もいることでしょう。
すでに加入済みの方も、新しいがん保険に入るタイミングを探していらっしゃる方もいることと思います。
もし見直しをしたときに、現在加入しているがん保険の解約を検討しているのであれば、注意が必要です。
そのため、がん保険に入るタイミングやがん保険を解約する時の注意点をまとめていますので、この記事を参考に、がん保険の新規加入・見直しを進めてください。
がん保険に入るタイミングはいつがベスト?
まずは現時点でがん保険に加入していらっしゃらない方向けに、がん保険に入るタイミングについて、順を追って解説していきます。
ガンに罹患しやすい年齢
まず、がん保険に入るタイミングを知るために、ガンに罹患しやすい年齢を把握していきましょう。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20-24 | 701 | 920 |
25-29 | 1,014 | 1,669 |
30-34 | 1,653 | 3,637 |
35-39 | 2,915 | 7,149 |
40-44 | 5,458 | 14,057 |
45-49 | 9,647 | 23,446 |
50-54 | 15,388 | 24,688 |
55-59 | 25,924 | 26,705 |
60-64 | 44,918 | 32,048 |
65-69 | 82,845 | 47,765 |
70-74 | 110,569 | 59,051 |
75-79 | 108,710 | 59,780 |
この表を見ると、男性は50代から、女性は40代後半からガンの罹患者数が増加していることがわかります。
20代、30代でも想像以上に罹患者数が多いなと感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は入るタイミングは、できるだけ若いうちでも早すぎることはないのです。
若いうちにもガンの罹患リスクがあるため、早期に加入したほうが心配なくガンに備えることができるかと思います。
平成31年(令和元年)全国がん登録 罹患数・率 報告:厚生労働省健康局がん・疾病対策課
年齢別に見たがん保険の加入割合
上記で何歳でもガンに罹患するリスクがあることをおわかりいただけたかと思います。
しかし、貯金があまりできていない20代やライフイベントが多く出費もかさむ30代、40代で、保険料の負担はできるだけ減らしたいと考えている方も、多いのではないでしょうか。
そのため、一般的にがん保険に入るタイミングはいつなのか、加入率を見て解説していきたいと思います。
がん保険・がん特約の世帯主年齢別の世帯加入率は以下の通りです。
年齢 | 加入率 |
---|---|
~29 | 61.5 |
30-34 | 73.1 |
35-39 | 66.3 |
40-44 | 68.7 |
45-49 | 74.8 |
50-54 | 75.0 |
55-59 | 72.6 |
60-64 | 67.9 |
65-69 | 67.0 |
70-74 | 61.1 |
75-79 | 57.6 |
このようにみると30代前半、40代後半から50代にかけて、加入率が上昇していることがわかります。
また、2018年の結果と比較すると29歳以下と50-54歳以外の各年齢では、がん保険の加入率が上昇していました。
多くの方が20代、30代の若い年齢のうちから、がん保険に入るタイミングを検討し、実際に加入しているということがわかります。
2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査:(公財)生命保険文化センター
入るタイミング:できるだけ若い年齢
ガンの罹患率・がん保険の加入率を見ても、がん保険に入るタイミングは、できるだけ若い年齢がよいということがわかりました。
年齢を重ねてからの加入は、保険料が高くなってしまいますし、加入したいがん保険商品の加入条件をクリアできないという問題が考えられます。
確実にかつ、安い保険料で加入することができる20代、30代の若い年齢が入るタイミングとして最もおすすめです。
加入しているがん保険を解約し、新しい保険に入るタイミングは?
次に現在加入しているがん保険を解約し、新しいがん保険に乗り換えようと検討している方向けに、入るタイミングについて解説していきます。
また、入るタイミングでいくつか注意すべきポイントがありますので、その点についても説明していきます。
見直しのタイミングはライフステージが変化したとき
新しいがん保険に入るタイミング=見直しのタイミングと言い換えることができます。
がん保険の見直しのタイミングは、ライフステージが変わったときです。
ライフステージの変化には以下のようなものがあります。
- 結婚
- 妊娠・出産
- 持ち家の購入
- 転職
- 子どもの独立
- 退職
このような変化があった場合、家計状況も変わり、ライフプランを再検討すると、おのずとがん保険も見直しが必要になります。
そのため、がん保険に入るタイミングを考える場面も再度訪れるのです。
入るタイミングは掛け捨て型と貯蓄型で異なる
がん保険とは、三大疾病の一つである「がん」への保障に特化した保険です。
保険会社によって差はありますが、以下のような保障内容になっている場合が多いです。
- がん診断一時金
- 治療給付金
- がん入院給付金
- がん手術給付金
がん保険は、上記のような現金給付がされる保障内容。
また、1入院あたりの支払限度日数が無制限であることがほとんどです。
そして、がん保険に契約する時には貯蓄型か掛け捨て型かを選ばなくてはいけません。
貯蓄型と掛け捨て型のどちらのタイプで契約するかによって、解約時や新規がん保険に入るタイミングに影響がでます。
そのため、この2タイプの違いを確認しましょう。
貯蓄型と掛け捨て型とは
貯蓄型とは、保険期間が満了すると満期返戻金を受け取ることができたり、解約時に解約返戻金(解約払戻金)を受け取ることができる保険タイプです。
掛け捨て型は、支払った保険料が戻ってこない保険タイプのことを指します。
2種類のタイプのメリット・デメリットは以下の通り。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
貯蓄型 | 解約返戻金(解約払戻金)や満期返戻金がある | 保険料が高い、見直しがしづらい |
掛け捨て型 | 保険料が安い、見直しがしやすい | 解約返戻金(解約払戻金)や満期返戻金がない |
がん保険に加入する際に貯蓄タイプと掛け捨てタイプのどちらで契約するかで、解約時、解約返戻金(解約払戻金)がもらえるかどうかに違いが出ます。
貯蓄型の場合は、加入から解約までの期間が長いほど、解約返戻金(解約払戻金)の金額が大きくなるという仕組みのため、金額を考慮して解約する必要があるでしょう。
一方掛け捨て型は、解約時に解約返戻金(解約払戻金)がないため、入るタイミングの自由度は貯蓄型よりも高いといえます。
見直し後、解約する時の流れ
ここで一旦、解約する時の流れについて解説します。
がん保険に限らず、保険はほとんどの場合、いつでも解約することができます。
ただ、手続きを進めることができるのは、基本的に契約者本人のみです。
それでは、解約までの流れの一例をご紹介します。
- 保険会社の担当者に電話する
- 必要書類が届いたら記入を進める
- 保険会社に提出する
- 保険会社が解約手続きを進め、完了したら通知が届く
まずは代理店やコールセンターに電話し、解約の意思を伝えましょう。
届いた書類に必要事項を記入し、保険会社に提出すれば、契約者が行う作業は完了です。
貯蓄型のがん保険で契約していた場合、解約時に解約返戻金(解約払戻金)を受け取ることができます。
解約返戻金(解約払戻金)が振り込まれるタイミングは、1営業日後から1週間後が目安です。
がん保険の解約・新保険に入るタイミングで注意すべきポイント
現在加入しているがん保険の解約、切り替え先の新しいがん保険に入るタイミングで必ず確認していただきたいポイントは以下の通りです。
- 解約返戻金(解約払戻金)をもらうと税金がかかる場合がある
- 新しい保険に契約できない可能性がある
- 保険料が高くなる
- 免責期間がある
- 上皮内新生物は保障対象になっているか
この5点について解説していきます。
解約返戻金(解約払戻金)をもらうと税金がかかる場合がある
貯蓄型のがん保険を解約した際に、解約返戻金(解約払戻金)をもらうことができるケースもあります。
しかし、もし解約返戻金(解約払戻金)が、それまでに払い込んだ保険料の合計額より高額だった場合、一時所得に当たるため、所得税が課されます。(満期返戻金も同様)
場合によっては、確定申告をしなければなりません。
以下の国税庁のサイトで、計算方法や対象者について解説していますので、そちらをご参照ください。
国税庁:No.1903 給与所得者に生命保険の満期返戻金などの一時所得があった場合
新しい保険に加入できない可能性がある
新しいがん保険に加入する場合、その時の健康状態を保険会社に伝える「告知」をする義務があります。
過去にガンに罹患したことがあったり、ご自身の健康状態によっては、新たながん保険に加入できない可能性があるのです。
新しい保険に入るタイミングは、解約手続き前がおすすめ。
保険料が高額になる
がん保険に限らず保険は基本的に、若いうちに加入しておいた方が保険料は安くなるものです。
そのため、加入しているがん保険を解約し、新しい保険に乗り換えるとなると、年齢を重ねている分、保険料は高くなると考えていたほうが良いでしょう。
免責期間がある
免責期間とは、がん保険に加入した後でも保障がされない期間のこと。
保険会社によって免責期間の長さに誤差はありますが、90日や3か月と設定されていることが多いです。
そのため、新しいがん保険に加入しても一定期間保障がされません。
もし現在加入しているがん保険を解約しようとしているならば、新しく加入したがん保険の免責期間が終了してから解約しましょう。
新規がん保険の免責期間中は、保険料を二重で支払わなくてはいけませんが、免責期間中にガンに罹患した場合、保障がされないことを考えると、大きくない出費といえます。
上皮内新生物は保障対象になっているか
上皮内新生物とは、ガン細胞が粘膜の上部層である上皮内にとどまっており、その下の基底膜を破っていないもののことを指します。
転移する可能性が比較的低く、治療すれば治りやすいといわれているのです。
しかし、悪化して悪性新生物になる可能性はもちろんあるため、入るタイミングで上皮内新生物が保障対象となっているか確認する必要があります。
また、保障額が悪性新生物と同額のがん保険もあれば、1/2の保障額としている生命保険会社もありますので注意が必要です。
記事まとめ
がん保険に入るタイミングについて、加入したことがない方、すでに加入しているが乗り換えを検討している方の2パターン紹介してきました。
入るタイミングによっては、予算よりも高い保険料になってしまったり、保障を受けることができないといった問題が発生します。
そのため、入るタイミングは慎重に検討することが重要です。
しかし、実際に新規加入・解約の最適なタイミングや保障内容を一人で考え、契約するのは不安かと思います。
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