がん保険の保険料は平均いくら?性別・加入年齢・保障期間でも異なる

がん保険の保険料は平均いくら?性別・加入年齢・保障期間でも異なる

がん保険の保険料は平均いくら?性別・加入年齢・保障期間でも異なる

がん保険

がん保険の保険料って一体いくらくらいするんだ?」
「がん保険に加入する前に保険料の平均額を知っておきたい」

こんなふうに、がん保険の保険料についてお調べではありませんか?万一の備えとしてがん保険は頼りになりますが、十分な保障を付けるとなると保険料が高額になり、家計を圧迫してしまうことも考えられますね。

そんな事態を防ぐためにも、「がん保険の保険料はいくらくらいが相場なのか?」という情報はおさえておきたいのではないでしょうか。

そこで、今回は、がん保険の保険料の平均額や性別・加入年齢・保障期間によって保険料がどのくらい異なるのかなどについて詳しく解説していきます。

高橋朋成

年金アドバイザー / EQプロファイラー / 2級ファイナンシャルプランニング技能士

この記事の監修担当者:株式会社クロックアップ 代表取締役 高橋朋成

20年以上にわたり外資系生保や損保系生保などで、販売現場での営業スタッフの採用や実践を活かした生保販売や育成手法に携わった経験を損保代理店向けに特化してアレンジし2013年に株式会社クロックアップを設立。

業務内容は損保代理店の
専属コンシェルジュとして
① 保険営業職の人材紹介、マッチングサポート
② 損保営業マン向け生保クロスセル研修
③ 代理店M&Aマッチングサポート等
を行っている。

がん保険の平均支払い額はいくら?

がん保険の平均支払い額はいくら

結論からお伝えすると、「がん保険の保険料の平均額は〇〇円」とズバリで言い切ることは残念ながらできません。なぜなら、がん保険の保険料は以下の4つの要素によって大きくばらつくからです。

  • 保険会社
  • 性別
  • 加入年齢
  • 保障内容

しかし、各保険会社のシミュレーション機能を使うことでおおよその相場感を掴むことはできます。そこで、今回は大手がん保険会社のシミュレーション機能を使ってそれぞれの保険料を表にまとめることで、がん保険の保険料の相場をお伝えしようと思います。

それでは、早速見ていきましょう。

がん保険商品ごとの保険料を比較

本記事では以下の大手保険会社4社のがん保険の保険料をシミュレーションして比較しました。

  • ライフネット生命
  • チューリッヒ生命
  • オリックス生命
  • アフラック

いずれも「35歳・男性・保障内容は同程度」というふうに条件を揃えて比較してあります。それでは、がん保険の保険料比較表をご覧ください。

保険会社名
がん保険名
保険料(月額)
保障内容
ライフネット生命 ダブル
エール
2,763円※1
  • 診断一時金:100万円
  • 治療サポート給付金:10万円/月
  • 先進医療特約:自己負担と同額
    (通算2,000万円まで)
チューリッヒ生命 終身ガン
治療保険
プレミアムZ
3,195円※2
  • 抗がん剤治療給付金:10万円/月
  • 自由診療抗がん剤治療給付金:
    20万円/月
  • ガン診断特約:50万円
  • ガン通院特約:10,000円
  • ホルモン剤治療給付金:50,000円/月
  • 自由診療ホルモン剤治療給付金:
    100,000円/月
オリックス生命 がん保険
ビリーブ
3,643円※3
  • 基本給付10,000円/日
  • 診断一時金:100万円
  • 治療給付金:50万円
  • 手術給付金:20万円
  • 退院一時金:10万円
  • 先進医療特約:自己負担と同額
    (通算2,000万円まで)
アフラック 生きるため
のがん保険
ALL-in
3,634円※4
  • 入院給付金:10,000円
  • 治療給付金:10万円(月ごと、
    通算600万円まで)
  • がん先進医療給付金(自己負担と同額、通算2,000万円まで。
    プラスがん先進医療一時金115万円/年)
  • 診断給付金:50万円
  • 特定診断給付金:50万円
  • 入院給付金:10,000円/日
  • 通院給付金:10,000円/日

表の結果をまとめると、がん保険の保険料はおよそ2,500円~4,000円程度となることがわかります(35歳男性の場合)。

保険料は性別でも異なる

ちなみに、がん保険の保険料は同じ条件でも男性か女性かで金額が異なります。

一般的に、20代や30代といった若年層では女性の方が保険料が高額で、50代以降になると男性の方が保険料が高額になります。

理由としては、若い世代の女性は乳がんや子宮がんといった女性特有のがんに罹患する可能性があるため、がん保険の保険料もその分高額になることが考えられます。

それでは、がん保険の保険料が性別によってどのくらい異なるのか、参考までにライフネット生命のがん保険「ダブルエール」※1で試算してみましょう。

加入
年齢
男性の保険料
(月額)
女性の保険料
(月額)
20歳 1,759円 2,138円
30歳 2,341円 2,793円
40歳 3,307円 3,523円
50歳 5,006円 4,122円
60歳 7,503円 4,703円

このように、20歳から40歳にがん保険に加入する場合、女性の方が保険料が高額になりますが、50歳以降は男性の方が保険料が格段に高額になることがわかります。

加入年齢によっても保険料が異なる

がん保険の保険料は加入年齢によっても差が出てきます。一般的に、高齢になるほどがん保険の保険料も高額になっていきますが、これは年齢とともにがんに罹患するリスクが高くなるためです。

それでは、年齢によってがん罹患率がどのように変化していくのか、国立がん研究センター がん情報サービス「全国がん登録による全国がん罹患データ」を参考にみていきましょう。

各年齢ごとのがん罹患人数(10万人対)※5

年齢 男性(人) 女性(人)
0-4 17.4 16.2
5-9 10.3 9.2
10-14 10.5 9.7
15-19 14.4 14.0
20-24 20.0 25.0
25-29 28.0 47.8
30-34 40.5 97.5
35-39 72.3 172.5
40-44 110.0 304.6
45-49 194.1 459.7
50-54 370.2 550.1
55-59 707.7 659.7
60-64 1,216.6 794.8
65-69 1,849.8 968.2
70-74 2,673.9 1,200.0
75-79 3,166.1 1,377.9
80-84 3,602.5 1,542.1
85以上 3,850.0 1,782.7

高齢になるほどがん罹患率が徐々に高くなっていくことがデータで明らかになっていますね。特に、50歳以降からがん罹患率が高くなっていることがわかります。

また、先に紹介したライフネット生命の「ダブルエール」の保険料でも、50歳以降の男性の保険料が急激に高額になっていました。

このように、がん保険の保険料はがん罹患リスクと比例関係にあり、高齢とともに保険料も上がっていくという仕組みになっています。

「終身型」と「定期型」の保険料はどう違う?

「終身タイプ」と「定期タイプ」を比較

がん保険には、保障期間が一生涯の「終身型がん保険」と、一定期間のみを保障する「定期型がん保険」があります。保険料にも大きく関わる保障期間。保障期間のタイプによって、一体どれくらい保険料が違うのでしょうか?

加入期間が長いほど、終身型の保険料のほうが安い

基本的に、加入期間が長いほど終身型のがん保険の保険料のほうが安く済む傾向にあります。例えば、35歳から75歳までがん保険に加入した場合をシミュレーションしてみましょう。

終身型の場合

終身型がん保険の場合、加入時から月々の保険料は変わらず、ずっと同じペースで保険料を支払っていくことになります。加入時の保険料が2,000円の場合、35歳から75歳までに支払う保険料は以下の通りです。

2,000×12ヶ月×40年=960,000円

それでは、定期型がん保険の保険料はどうでしょうか?

定期型の場合

定期型がん保険の場合、終身型がん保険と比べて加入時の保険料は安く済みます。今回のケースでは、35歳で加入時の保険料は800円でした。終身型と比較すると半額以下ですね。

しかし、定期型がん保険は更新時の年齢に応じて保険料も上がっていきます。今回のケースでは、65歳で更新したとき月々4,000円の保険料になってしまいました。75歳までに支払う総額は以下の通りです。

800×12ヶ月×10年=96,000円
1,200×12ヶ月×10年=144,000円
2,200×12ヶ月×10年=264,000円
4,000×12ヶ月×10年=480,000円

したがって、定期型がん保険の保険料は合計984,000円となりました。終身型がん保険は960,000円だったので、定期型がん保険のほうが保険料が高くついたことになります。つまり、がん保険の保険料は加入期間が長いほど、終身型の保険料のほうが安く済みます。

ただし、これはあくまで保障内容を一定にした場合の試算です。定期型は更新時に保障内容を見直せることが特長なため、見直した内容次第では定期型がん保険のほうが保険料が安く済む可能性もあるのでご注意ください。

がん保険には保険料が免除になる場合がある

保険料が免除になるケース

がん保険に加入している方ががんに罹患した場合、がん治療の費用を支払いながらがん保険の保険料も支払い続けるのは負担が大きくなってしまいます。

しかし、がん保険によっては「保険料払込免除特約」を付けられるタイプの商品があります。この特約をつけると、所定の状態になったときにそれ以降の保険料の支払いを免除してもらうことができるのです。

ここで、がん保障は受けつつも保険料の払い込みが免除になる「保険料払込免除特約」について詳しく見ていきましょう。

「保険料払込免除特約」とは

保険料払込免除特約とは、保険会社が定める所定の状態になった場合に、それ以後の保険料の払い込みが免除される特約のことをいいます。

保険料の払い込みが免除になる条件は保険会社によって異なるため、あらかじめ確認しておく必要がありますが、一般的に「初めてがんと診断確定したとき」といった条件になっていることが多いです。

がん治療には高額な費用がかかるケースが多いので、保険料の払い込みを免除して欲しい方におすすめの特約です。

ただし特約には保険料がかかるので注意

がん保険に保険料払込免除特約を付ける場合は、特約分の保険料を追加で支払わなくてはなりません。

保険料払込免除特約の保険料はそれほど高額なわけではありませんが、基本保障分の保険料がすでに高額な場合、家計費とのバランスを考えて「特約を付けない」という選択をするのもひとつの方法です。

付けたい特約をすべて付ければ手厚いがん保障を得ることができますが、その分保険料は高額になります

解約時や満期時に支払った保険料が戻るわけではなく、あくまでも保障のためなので、保険料が無駄になることも考えられます。

そのため、保険料払込免除特約に限ったことではありませんが、特約を付ける際は本当に必要な保障かどうかをしっかり吟味することが大切です。

「免責期間」中でも保険料の払い込みは必要

「免責期間」中でも保険料の払い込みは必要

がん保険には免責期間というものが設定されています。この免責期間は、保険期間開始日から90日間(3か月)といった一定期間、がんと診断されても保障されない待ち期間です。

「保障対象外なら保険料は支払わなくていいのでは?」

そんな疑問が出てきますが、がん保険は免責期間中でも保険料を支払わなければならないのでしょうか?

結論からお伝えすると、免責期間中でもがん保険の保険料は支払う必要があります。なぜなら、がん保険は相互扶助の原理で成り立っており、あなたが支払う保険料が将来受け取るかもしれない給付金の原資となるためです。

詳しくは、がん保険の免責期間について解説した記事をご覧ください。

ちなみに、免責期間のないがん保険も存在します。こちらも詳しくは別記事:免責期間なしのがん保険にて紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください。

まとめ

がん保険の保険料は、商品によって異なるうえ、性別や加入年齢、保障期間によっても異なり、平均額を導き出すことは難しいです。

ほかの方がどのくらいの保険料を支払っているか相場が気になるところですが、一番大切なのは「その保障内容でご自身が安心できるか」ということではないでしょうか。

もしご自身にとって必要な保障がわからない場合は、無料の保険相談などを利用するのもおすすめです。保険のプロが最適な保障を一緒に考えてくれるでしょう。

※1【参考:ライフネット生命
※2【参考:チューリッヒ生命
※3【参考:オリックス生命
※4【参考:アフラック
※5【参考:国立がん研究センター がん情報サービス「全国がん登録による全国がん罹患データ」

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