「生命保険に加入するつもりはあるけれど、どの保険を選ぶべきかよくわからない」という人はたくさんいます。どの生命保険を選べばよいのか、パッと聞かれてもすぐに答えられる気はしないですよね。
そこで本記事では、生命保険の選び方について、3つのステップに分けて解説します。生命保険を選ぶ際の注意点やポイントを確認して、自分に合う保障の内容や種類を正しく理解しましょう。
なお、一般的に死亡時に備える保険のことを生命保険と表記することが多いため、本記事では生命保険=死亡保険として解説します。
この記事を読むことで、バランスの良い生命保険の選び方がわかります。この機会に生命保険への理解を深め、しっかりとした死亡保障を確保しましょう。
なお、生命保険(死亡保険)の他にも、介護保険やがん保険の選び方なども解説した記事があります。生命保険以外の保険にも興味をお持ちの方は、ぜひご覧になってみてください。
生命保険の正しい選び方
各保険会社からさまざまな生命保険が発売されており、どのような基準で生命保険を選べば良いのか分からず、迷うこともあるでしょう。必要な保障は性別によって異なるだけでなく、例えば20代と60歳以上は確保すべき保障額にも大きな差が生じます。
ただ、生命保険の正しい選び方の手順はどんなひとも共通です。なので、まずは生命保険の正しい選び方の手順を知っておきましょう。自分に合う生命保険を正しく選ぶための手順は以下の通り。
- 目的を整理する
- 必要な保障を確認する
- 複数の商品を比較する
この順序で生命保険を検討することで、ムダも不足もない保障を確保することができます。
生命保険は自分自身が被保険者となるものの、実際に保険会社からの保険金を受け取るのは家族や配偶者です。そのため、お金を残す相手のことを念頭に置いて上記3つのポイントを考えると良いでしょう。
それでは、上記3つのポイントについて、詳しい解説を加えていきます。
STEP1.生命保険に加入する目的を整理
生命保険は死亡時の保障を確保するためのもの。しかし、「なぜ生命保険に加入するのか」という目的を整理しなければ、加入する必要性を感じられず、結果として保障のミスマッチを引き起こしかねません。
「なぜ生命保険に加入するのか」という問いをさらに掘り下げていくと、
- 「誰のために生命保険に加入するのか」
- 「何のために生命保険に加入するのか」
という2点について考えることになります。
まず、「誰のために生命保険に加入するのか」については、保険金額に大きな影響を持ちます。例えば、独身であれば必要最低限の保障で十分ですが、夫婦や子供あり世帯は万が一の場合の経済的な影響が小さくありません。特に30代や40代といった保障中核層と呼ばれる年代は、子供が小さいか学齢期を迎えることが多く、より一層手厚い保障が必要です。
同様に、「何のために生命保険に加入するのか」という点を考えると、万が一死亡した場合に遺族がその後の生活に困らないため、という答えが浮かんでくるのではないでしょうか。
生命保険に加入する目的を整理することは、自分に合う保障を見つけるための第一歩ともいえます。じっくりと考え、加入目的を明確にすることでプラン内容も決めやすくなります。
なお、生命保険の必要性について改めて確認したい場合は、以下の記事を参考にしてください。
STEP2.必要な保障を確認する
生命保険に加入する目的を明確にした上で、続いては必要な保障を確認します。具体的には、以下の3点の目安をそれぞれ立てましょう。
- 保障金額
- 保険期間
- 保険料
必要な保障金額はいくら?
必要な保障金額を考える際は年収の約3倍を目安にすると良いです。また、仮に独立していない子どもがいる場合は、学費などを考慮し、子ども1人につきさらに約1,000万円を上乗せする必要があります。
このルールに基づいて算出した金額は、遺族が生活を立て直すまでに必要となる金額の目安でもあります。例えば、年収500万円の人なら1,500万円、子どもが二人いる場合は3,500万円が必要な保障額です。
実はこの金額は生命保険文化センターが実施した「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」の世帯年収別保険金額とも概ね一致しており、世間一般で広く用いられている必要保障額の算出方法であることがわかります。
ここで軽く紹介した必要な保障金額の目安や全国の保険金額のデータなどは、別記事:生命保険の保険料や保障額は平均いくら?データから見るお金の目安で詳しく解説しています。気になる方は、ぜひそちらをご覧ください。
なお、保障額を決める際には公的保障も加味する必要がありますが、中には受給要件を満たしていないケースや、受給できたとしても遺族が生活していくために十分とはいえない金額のケースもたくさんあります。
このことから、公的保障に全面的に頼るのではなく、生命保険でしっかりとした保障を確保する必要性が高いこともしっかり覚えておきましょう。
保険期間は何年?
生命保険を選ぶ際には保障額と同時に保険期間も決めなければなりません。保険期間を決める場合は、ライフプランや家族の状況に合わせて設定するのがコツといえます。
子供がいる世帯であれば、末子が独立するタイミングに合わせた保障期間を設定すると良いでしょう。また、退職までは一定の保障を確保したいというケースも増え、50代や60代近くまでしっかりとした保障を持つ人も一般的となってきています。
また、加入当初から終身保険に加入すると、一生涯の死亡保障を確保できるだけでなく、保険金を葬儀代に充当することもできます。特に女性は男性に比べて平均寿命が長いため、老後の備えとして終身保険に加入しておくのも良いでしょう。
保険期間の選び方は、家族構成やライフプランを軸に検討し、必要に応じて終身保険を選択しましょう。
保険料も要チェック
さて、ここまでせっかく保障額や保険期間を決めたのに、毎月の保険料の負担が重すぎて支払えないようでは本末転倒です。また、保険料の支払いのために収支バランスが悪化して家計が赤字になることは絶対に避けなければなりません。
そのため、保険料として捻出できる金額を事前に確認しておき、予算の範囲内で保障を組むようにしましょう。
保険料は性別と年齢、さらに保障額や保険期間などさまざまな項目を基準に定められています。毎月の保険料が予算を超えるようであれば、保障額を下げるか保険期間を短くすることで調整可能です。
加入後も無理なく継続できる保険料かどうかきちんと見極めてから加入することを意識しましょう。
STEP.3複数の商品を比較する
必要な保障を確認・設定できたら、次は生命保険の正しい選び方の3つ目のポイントである「複数の商品の比較」も忘れず行いましょう。生命保険は保険期間によって定期保険と終身保険の2種類に分けられます。
死亡保障が必要となる期間を考え、10年や20年といった限定された期間の保障であれば掛け捨て型の定期保険がおすすめです。逆に、葬儀代などとして一生涯の保障が欲しい場合は終身保険に加入すると良いでしょう。
また、生命保険は非常に多くの保険会社から販売されています。そのため、複数の保険会社に見積もりを相談し、保険料についても比較するのも選び方のコツと言えます。
さらに、加入を検討している商品や保険会社の口コミや評判についても必ず確認しましょう。口コミや評判を確認することでプランの設計書や担当者との会話だけでは見えてこない情報を得られることがあるかもしれません。
生命保険は数年、長ければ数十年も加入するものです。保険会社の経営状態や人気度も、加入時にしながら複数の商品を比較しましょう。
自分に合う保険を選ぶ際の注意点
先述の3つのステップの順に必要な保障を考えることで、過不足なく生命保険に加入することができます。しかし、生命保険を選ぶ際にはいくつかの注意点があります。ここで、一緒に確認しておきましょう。
加入して終わりではない
1つ目の注意点として、生命保険は加入して終わりではなく、必要に応じて適宜見直す必要があるという点です。例えば独身時代に加入した生命保険は、家族を守るには保障額が不足していることが多く、保障額が足りないことが多くなっています。
また、子供が独立したにも関わらず非常に大きな保障を持ち続けるのも非常にもったいないため、ライフイベントを迎えるたびに保険を見直すと良いでしょう。
死亡時の保障だけでよいのか
2つ目の注意点として、生命保険だけでは日常に潜むさまざまなリスクに対応できません。生命保険は死亡時に数百万円~数千万円ものまとまった保険金を受け取ることができますが、病気やケガによる入院・手術はカバーできません。就業不能時であっても生命保険から保険金を受け取ることはできなない点も覚えておきましょう。
そのため、生命保険の正しい選び方を理解した上で、その他の保障は十分かどうかも確認することで、より意義のある保険加入ができます。
生命保険の選び方まとめ
ここまで、生命保険の選び方と注意点を解説してきました。正しい選び方の手順としては、下記の3ステップが存在します。
- 目的を整理する
- 必要な保障を確認する
- 複数の商品を比較する
また、生命保険を選ぶ際の注意点として、加入後も適宜見直す必要があることや、生命保険だけでは日常の病気やケガに備えることはできない点があります。死亡リスクにしっかりと備えることができる生命保険の正しい選び方を理解し、過不足のない保障を確保しましょう。