「介護保険の被保険者とは誰のこと…?」「何歳から介護保険の被保険者となるのか?」こういった疑問は意外と調べてみないとわからないことですよね。
そこで、こちらでは介護保険の被保険者について、下記の項目について簡潔にまとめて解説しました。
- 介護保険の被保険者とは誰のことか?
- 何歳から介護保険の被保険者となるのか?
厚生労働省の資料などを参考にできるだけわかりやすく解説したので、ぜひご覧になさってください。
※”介護保険の保険者”については、別記事「介護保険の保険者って誰のこと?どんな役割を持っているのか徹底解説」にて解説しております。
介護保険の被保険者とは誰のこと?

日本における介護保険の被保険者は、40歳以上の国民全員が対象(外国籍の日本に居住される方も含みます)です。この中でも、年齢に応じて①第1号被保険者と②第2号被保険者とに区分があり、それぞれ保険料や受けられるサービスなどの条件が違います。
それでは、ここから①第1号被保険者と②第2号被保険者とについてそれぞれ詳しく解説をしていきましょう。
介護保険で受給できるサービスや保険料など、詳しい仕組みについては別記事にて解説しております。介護保険の基本的な仕組みから知っておきたいという方は、ぜひ下記の記事をご覧ください。
第1号被保険者とは誰のこと?
第1号被保険者は、65歳以上の方のことを指します。65歳以上の方は、介護保険法によって、以下の2点が定められています。
- 所得に応じた保険料を負担する
- 介護が必要になったら、要支援・要介護認定を受けることを条件として、介護サービスの受給権者となることができる
介護サービス利用の条件は?
介護保険制度では、介護サービス利用について、条件を定めています。
原則として、年齢が65歳以上の被保険者であること、また、要支援・要介護認定※を受けることがその条件です。
利用の時には全額が保険で給付されるのではなく、自己負担分が決められています。基本の自己負担割合は1割ですが、所得に応じ、3割まで自分で負担しなければなりません。
介護サービスは、法令で介護保険でカバーできる範囲が決まっていて、その範囲外のサービス・また、介護保険の利用の限度額オーバーの場合は自己負担となります。一定の看護にも介護保険が使えます。
※要支援・要介護認定とは、支援や介護の必要性の度合いを客観的に数値化したものです。要支援(1・2)、要介護(1~5)という7段階に分かれており、数字が大きいほど介護が必要とされていることを表しています。
これらは国が基準を一律で設けており、被保険者が住んでいる市区町村の窓口にて受けることができます。
第1号被保険者の保険料負担金額は?
第1号保険者=65歳以上の方の保険料は、所得に応じて定められます。基本的に、確定申告の際に所得として課税される所得=課税所得に応じて、段階的に保険料が決まるという仕組みです。
また、介護保険料は健康保険料とは別に徴収され、国の標準では6段階に応じて保険料が決められています。さらに、介護保険の運営主体である市町村・特別区によっては、よりきめ細かく所得段階が区分されています。
これらの所得段階に応じて決められた介護保険料は、基本的に保険料年金から天引きされ、保険料の幅は概ね下記の通りです。
- 最も所得の低い人が月2500円前後
- 所得の最も高い人で2万数千円ほど
一時滞在の外国人・国外居住の国民・適用除外施設の入居者以外は全員が支払うこととなり、滞納してしまうと、介護保険のサービスが受けられなくなることがあります。
第2号被保険者とは?
第2号被保険者とは、40歳から64歳までの方のことです。
将来介護を支えあうために、現役の年齢なので保険料を支払うことがその役割の主なものですが、一定の条件に当てはまる場合は、65歳未満であっても第2号被保険者が介護保険によるサービスの利用を行うことができます。
第2号被保険者の介護サービス利用の条件とは?
第2号被保険者も、要介護認定を受けることができます。第2号被保険者も要介護認定は、介護サービス利用の条件の一つです。
しかし、第1号被保険者とは違い、要介護(要支援)状態と認定される原因が老化に起因する疾病(特定疾病) による場合に限定されるという点には十分注意しましょう。
具体的には、介護保険制度での特定疾病は次のように定められています(厚生労働省「介護保険制度について(40歳になられた方へ)」を参考)。
- がん(末期)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
介護保険の特定疾病に関して、更に詳しいことは別記事「介護保険の特定疾病とは?選定・診断基準をわかりやすく解説!」をご覧ください。
第2号被保険者の保険料負担金額とは?納付はどうやって?
介護保険における第2号被保険者は、加入する健康保険制度により定められた介護保険の保険料を支払います。具体的には、加入している介護保険の介護保険料率と所得から決まるという仕組みです。
原則として、第2号被保険者の保険料は給与から天引きされ、40歳になった月から介護保険料の徴収が始まります。
介護保険料率については、下記記事で解説を加えております。介護保険料率について詳しく知りたい方は、ぜひそちらをご覧ください。
民間の介護保険って何?40歳以上の被保険者も加入できる?

実は、公的な介護保険の他に民間企業が販売している介護保険も存在します。こちらは、公的介護保険とは下記の違いがあります。
- 40歳以上、65歳以上といった年齢制限がない
- 加入できれば誰でも保障を受けられる
- 保障は介護サービスの給付ではなく現金の給付
例えば、45歳の方で突然の交通事故などで要介護状態となるリスクに対応したいという方は、民間介護保険に加入しておけば介護時に現金給付を受けられます。本来、公的介護保険では交通事故などが原因の要介護状態には保険が使えませんが、民間介護保険であれば保障を受けられるのです。
このように、現在、民間介護保険のメリットを大きく感じ、公的介護保険とは別で民間介護保険への加入を検討する方が増えています。そういった方のために、当サイトでも民間介護保険の正しい選び方をプロの目線で徹底的に解説した記事をご用意いたしました。
民間介護保険とはどんなものか、どういった商品を選べばいいのか、気になる方はぜひ下記の記事へとお進みください。
民間介護保険の選び方をプロが4つのポイントに絞って徹底解説!
まとめ
保険料を支払うとともに、高齢になり、要介護状態になった時に利用できるのが公的保険である介護保険です。
ただし、介護保険でカバーされる以外のサービスや、ヘルパーなどの人手が必要になる事態は、特に介護初期には必要になることがあります。
介護保険の仕組みをよく知っておくことにより、民間の介護保険を利用するかどうか、どんな保険があるか、日ごろから情報を収集し将来に備えておくとより安心です。
なお、ご紹介した被保険者についてのご紹介や介護保険制度のあらましは、2021年現在のものですので、変わる可能性があります。民間の保険情報と合わせて、介護制度改正の情報にも関心を払っておきましょう。
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